【コラム】ますます韓国が必要になった日本(上)

 先月25日、日本政府が「高校教科書指導要領解説書」改訂版を発表するのに先立ち、韓国外交部や駐日韓国大使館の政務担当者らは、激しい情報活動を展開した。その結果、意見はほぼ一つにまとまった。日本に関する経験が豊富な外交官ほど、日本政府が独島(日本名・竹島)に関する表現を入れる可能性が高いと主張したのだ。2008年に独島に関する表現を入れるのはごく当然の話と発言した鳩山由紀夫首相、領土問題に関する限り、保守的な立場を堅持してきた岡田克也外相、極右に分類されるとまでいわれている川端達夫文部科学相らのことを考慮すれば、至極当然の意見だった。

 しかし、実際には独島に関する表現は外された。独島に関する記載がある「中学校の学習に即して」という表現があるため、内容上は特に違いがないともいえる。しかし、日本国内のムードを考えると、「かなりの誠意」を示したのは事実だった。韓国政府も大きく胸をなで下ろした。

 読売新聞は8日、韓日政府が首脳レベルで「安保宣言」を検討していると報じた。これが事実なら、韓日関係において1965年の国交正常化以来の大事件になり得ることだ。だが、韓国政府は直ちに否定した。中国や北朝鮮を刺激することが明らかなためだ。韓日強制併合100年目に当たる今年、あえてそうした宣言をする理由はないという判断もあったという。

 しかし、日本の与党・民主党内のムードは違う。鳩山首相は読売新聞の報道について、「両国間に感情的な部分が薄まり、協力の機運が高まっているさなかに出ている話」と語った。外務省関係者も「そういうことを望む人は少なくない」と話している。民主党の小沢一郎幹事長の側近の間からこうした話が集中的に出ているという声もある。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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