国際テロ組織の温床になるとの懸念が強まっている中東・イエメンに対し、アメリカが軍事的関与を強めています。これにイエメン国内では強い反発も出ています。
先週、イエメンの山岳地帯で行われたアルカイダ掃討訓練。世界各地から多くのメディアが詰めかける中、およそ1時間にわたって訓練の様子が公開されました。
こうした特殊部隊の強化にはアメリカの治安当局が全面支援しています。去年起きた旅客機爆破テロ未遂事件以降、アメリカは武器提供や衛星情報の無償供与などを通じ、イエメンへの軍事的な関与を強めているのです。
しかし、イエメン国民は、こうしたアメリカの関与に強い警戒感を示します。アメリカによって打倒されたイラクのフセイン元大統領の写真が多く掲げられるなど、イエメンは反米感情が今も根強い国なのです。
「アメリカはいらない!」
「もしアメリカが直接攻撃したのをみんなが知ったらアルカイダに加わるね。みんなアメリカが嫌いなんだよ」(イエメン市民)
イエメン政府はアメリカの直接介入は拒否すると強調する一方、すでにアメリカ軍が独自にアルカイダの拠点にミサイルを撃ち込んだとの一部報道もあります。
掃討作戦が続く中、イエメン政府はアメリカの関与と国民感情との間で、今、難しい判断を迫られています。(11日11:40)