飯田線旅行・乗車編 最終更新日:2007/05/06

魅力発見・飯田線


乗車編1

●飯田線乗車時の注意事項

▼Q.飯田線にはどのような列車が走っていますか?
▼Q.ドアを手で開けるというのは本当ですか?
▼Q.列車内にトイレは付いていますか?
▼Q.飲食物の車内販売はありますか
▼Q.駅弁が買える駅・立ち食いそばが食べられる駅はありますか
▼Q.たばこの吸える車両はありますか
▼Q.無人駅で乗り降りする時、切符はどうしたらいいのですか
▼Q.ほかに注意することはありますか

▼Q.飯田線にはどのような列車が走っていますか?

▼普通列車・特急列車の2本柱です。

 走行距離が長い割には、走っている列車の種別がシンプルなのが現在の飯田線です。

 乗車券だけで乗ることができる最も基本となる列車が普通列車です。同じく乗車券だけで乗ることができ通過駅のある列車を快速列車と呼びますが、ともに普通列車の仲間です。飯田線での快速列車は普通列車の補完的な意味合いが高く、通過駅も少なく速度差も普通列車とそれほど変わりません。
 車両も快速と普通で共通に用いられ、特に使い分けはしていません。中には「普通列車」でありながら乗客の少ない駅を通過する場合もありますので注意が必要です。また後述しますが普通列車の一部には、車掌の乗務しない[ワンマン列車]も運行されています。

 豊橋〜飯田間には特急列車「伊那路」号が1日2往復走っています。豊橋〜飯田間が約2時間30分と、普通列車の約4時間に比べると格段に速く感じます(あくまで飯田線として速い、という意味ですが)。特急列車に乗車する場合は、乗車券のほかに「特急券」が必要になります。確実に座って乗車したい場合は指定席特急券、自由席でよい場合は自由席特急券を駅の窓口で買い求めてください。

 以上は飯田線を毎日運転する「定期列車」ですが、週末や行楽シーズンを中心に「臨時列車」も運転されます。かつては飯田線の代表的な臨時列車としてトロッコ列車[トロッコファミリー号]がありましたが、残念ながら2006(平成18)年5月を最後に運転は行われなくなりました。現在では「さわやかウォーキング」開催日に快速「さわやかウォーキング飯田」号が運転される時があります。

種別

列車名

必要な切符類

定期列車

普通列車

(無名)

乗車券

快速列車

(無名)

快速「みすず」号

特急列車

特急「伊那路」号(自由席)

乗車券+自由席特急券

特急「伊那路」号(指定席)

乗車券+(指定席)特急券

臨時列車
(運転日注意)

快速列車

「さわやかウォーキング飯田」号

乗車券

▲普通列車は地元の足であると同時に、飯田線旅行の基本
【伊那市駅・2004/12/11撮影】

時には素早く快適に…特急「伊那路」号
【中部天竜駅:2004/09/05撮影】

▲開放的な車窓が魅力のトロッコファミリー号
【湯谷温泉〜三河槙原間・1996/03/23撮影】

▼Q.ドアを手で開けるというのは本当ですか?

●ほとんどの車両はドアを手で開けます

 現在の飯田線では終日・年間を通して、ほとんどの車両が駅で乗車する際に、ドアを手で開ける必要があります。正確には「手動」ではなく「半自動扉」と呼び、発車前に閉まるときは自動ですが、行き違いなどでしばらく停車する場合は、乗降の後に閉めておくのがマナーです。

 ではどうしてわざわざ手で開けなければならないのでしょうか。ときどき「自動ドアが開発されていない時代の古い車両だから」と勘違いされている方がいますが、実際はむしろ自動扉に手で開閉するという機能を付加したものが半自動扉で、その目的は単線区間での待ち合わせや乗降客の少ない駅で、開閉の必要がない扉が開けっ放しになることにより車内温度が低下(夏期は上昇)することを防ぐためにあり、飯田線に限らず寒冷地の鉄道では必需品とも言える装備です。

 ただ最近では手で開ける代わりに「押しボタン」の操作による開閉が普及するようになり、飯田線でも一部の車両に導入されています。また一部の新型車両や臨時列車については、半自動扉の装備がなかったり自動扉のままで営業する車両もあります。少しややこしいですがまずは下の表を見てその種類を覚え、現地ではドア上の表示をご確認願います。

 なお飯田線の特殊事情として半自動・自動を問わずすべての方式で、ドアの開閉操作を運転士(通常路線では車掌)が行なうことから、停車してから開閉状態になるまでに数秒掛かります。慣れないともどかしく思えますが、あせらず一呼吸おいてから開けてください。

【例外】・すべての列車で豊橋駅でのドア開閉は自動です。
    ・辰野より先、岡谷・上諏訪方面の中央本線内では、中央本線と同様の扱いとなります。
    (冬期半自動開閉、夏期自動開閉)

■半自動扉(手動開閉)の車両

 写真にある119系電車や、飯田以北を走る115系電車など、飯田線の普通・快速電車のおよそ半数強はこの手動開閉の車両です。

 「ドアは手であけてください」とのステッカーがドア窓に貼ってありますので、これらの車両に乗車する際は手で開けて乗車します。前述のように停車後にドアが開けられるまで待ち時間が生じますので、空気の抜ける音がしてからドアを引いてください。

 閉まる時は自動ですが、行き違いなどで長時間停車する際はその間開きっぱなしになるので「手で」閉めておきます。

119系一般車

115系

119系一般車

115系(飯田以北)

■半自動扉(ボタン開閉)の車両

 119系電車の一部および、313系電車(ステンレスの車両)のうち2007年より飯田線全線で使用を開始した3両編成のものが「ボタン開閉」により乗車します。

 119系電車のうちボタン開閉のものはワンマン運転用の車両ですが、ワンマン運転ではない列車にもこの車両を使用する場合があります。写真でお分かりの通り、車両の見た目は一般車とほとんど変わりありません。また313系も飯田線南部(主に豊橋〜新城間)で用いられている自動ドアのもの(2両編成)とほとんど外観は同じです。

 これらの車両では、ドア脇に設けられた押しボタンでドアの開閉を行います。ただ停車してすぐ開けられるわけではなく、数秒後に押しボタン上にあるランプが点灯してはじめて開けられるようになります。

 なお天竜峡〜辰野間の一部列車で行われているワンマン運転では、乗降するドアがあらかじめ決められています。ホーム上に「ワンマン乗車位置」と指定された車両(先頭車後側のドア)以外はボタンを押しても開かない場合があるので注意してください。詳しくは[▼乗車編2・飯田線のワンマン運転]で紹介します。

119系ワンマン対応車

扉付近の押しボタン

119系ワンマン対応車

▲扉付近の押しボタン

313系(3両編成)

■自動扉の車両

・豊橋〜本長篠間の一部列車で使用されている313系電車のうち2両編成のものや、特急「伊那路」号で使用されている373系電車は、飯田線内でもドアは自動で開閉します。

 ただし313系の2両編成でも、始発駅など長時間停車する場合には、中央の扉を締切ることがあります。

※373系電車にも半自動扱いのためのドアボタンは装備されていますが、特急「伊那路」の運用では使用しません。また313系電車のうち3両編成のものは、ドアボタンで開閉します。

313系

373系

313系(2両編成)

373系(特急伊那路)

●まとめ

・飯田線ではほとんどの車両は手動開閉、ときどきボタン開閉の場合もある。
・停車してすぐには開閉できないので、一呼吸おいて。
・ワンマン列車(天竜峡〜辰野間の一部)のときは決められた乗車位置から。
・発車の時は自動で閉まる。


▼Q.列車内にトイレは付いていますか?

●長距離を走る列車にはほとんど付いていますが…

 ただし豊橋〜豊川間や豊橋〜新城間など短距離だけ運転される列車には、1両編成のトイレのない車両で運転される場合があります(トイレなし車が2両連結している場合もあります)。

 ごく稀に、比較的長距離を走る電車でもトイレなし列車があります。豊橋〜豊川〜新城間以外でトイレのない列車を下に掲げます。
(ダイヤは2005年3月現在)
※2006年10月のダイヤ改正以降、一部異なる場合があります。

列車番号

運転時刻

下り列車

普通 235M

中部天竜6:19発〜天竜峡7:40着
※天竜峡よりトイレ付車増結

普通1503M

中部天竜7:08発→飯田9:08着

普通1511M

新城22:30発→中部天竜23:35着

上り列車

普通 1506M

飯田17:03発→天竜峡17:30着

普通566M

天竜峡18:12発→豊橋21:24着

▲1両で走る電車にはトイレはありません
【95/04/02撮影】


▼Q.飲食物の車内販売はありますか

●残念ながら現在はなくなりました。

 長らく飯田線北部区間(主として駒ヶ根〜上片桐間)で行われていた、「伊那谷駅弁」による飲食物の車内販売(伊那路弁当=幕の内、カツ弁当、五平餅、お茶、ジュースなど)は、2004(平成16)年1月を以て終了してしまいました。また一時期存在した「伊那路1号」平岡付近での販売もなくなりました。

 したがって飯田線を長距離に渡って乗り通しする際は、飲食物の用意を忘れないよう注意が必要です。駅付近で購入できる場所は限られますので、市中心駅クラス(豊橋・豊川・新城・飯田・駒ヶ根・伊那市)での前もってのお買い物をお薦めします。


▼Q.駅弁が買える駅・立ち食いそばが食べられる駅はありますか

●現在、駅弁販売/駅そば店設置駅は豊橋口(豊橋駅・豊川駅)のみです。(2006/12更新)

 旅の味覚として欠かせない「駅弁」ではありますが、2006年秋の「伊那谷駅弁」の業務停止により飯田線内での駅弁はほぼ壊滅状態となりました。大変残念なことではありますが、旅行中の飲食は前述のようにあらかじめ購入するか、現地での飲食をお薦めします。

駅名

場所

業者名

駅名

場所

業者名

豊橋駅

改札内(2階コンコース上)

壺屋

豊川駅

改札外(1階駅前広場に面して)

壺屋


▼Q.たばこの吸える車両はありますか

●飯田線の全列車・全車両が終日禁煙になりました。(2007/3より)

 愛煙家の方には残念な話なのですが、飯田線で車内喫煙の可能な列車は2007年3月以降なくなりました。これまで喫煙可能とされてきた特急「伊那路号」の2号車も現在は禁煙化されています。喫煙は行き違いなどの長時間停車時に、駅の喫煙所をご利用ください。

 


▼Q.無人駅で乗り降りする時、切符はどうしたらいいのですか

●乗車券購入も集札も車掌のところへ。

 無人駅で下車する場合は、乗車券を車掌に渡します。途中下車の場合は車掌に「途中下車である」旨を伝えてください。

→※途中下車:切符に記された目的地より手前の駅で降りること(切符は回収されず最終目的地まで使用できる)ですが、乗車距離100km未満の乗車券など切符の種類によっては途中下車ができない(下車駅で回収とされてしまう)場合があります。

 無人駅から列車に乗車した場合は、車内を巡回している車掌にできるだけ早めに声をかけ、乗車駅と下車駅を申告して乗車券を発行してもらいます。途中下車後の再乗車などですでに乗車券を所持している場合は新たに購入する必要はありませんが、念のため乗車券の所持を確認される場合があります。

 ワンマン運転の場合は、まったくシステムが異なりますので、別項[▼ワンマン運転時の乗車方法]をご覧ください。

 


▼Q.ほかに注意することはありますか

●車両の一部分が「荷物室」の場合があります

  飯田線の一部列車では、客室の一部(主に最前部)を仕切って書類などを輸送するための簡易な荷物室にしている場合もあります。扉に「荷物室」と書かれた札が下がっていたら、隣の扉から乗車することになります。

●途中で車両を切り離す場合があります

 最近は減少しましたが、一部列車は途中駅で車両の一部を切り離す場合があります。またこの逆の例として、これらの駅で空の車両を増結することもあります。

 


●次は 乗車編2・飯田線のワンマン運転 です●

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