(石井 直也)
巣鴨にマクドナルドがあるということ
JR山の手線「巣鴨」駅から徒歩1分ほどの場所にマクドナルドがある。落花生、ビーズでできた小銭入れ、五本指靴下などが販売しているお店が立ち並ぶなか、マクドナルドの赤い看板がやけに派手に感じた。
お年寄りで賑わう巣鴨に、若者が愛用するマクドナルドというファーストフード店。両極端な環境に、自然と興味がわいてしまう。
巣鴨ならではの限定メニューでもあったりするのだろうか。
店のまえにあるメニュー表をのぞく。ほかのマクドナルドと変わらない普通のメニュー。利用客にお年寄りが多いというだけで考えすぎてしまった。
入り口に置かれたベンチでおばあちゃんがひと休みしている。今日も暑い。たまらず、飲みものを選ぶ。ファンタのMサイズ。 じゃなくて、中サイズ。中?
サイズ表記はS・M・Lではなく小・中・大。
メニュー表をよ〜く見直してみる。すると、お年寄りのために追加したと思われる、商品の補足説明はまだまだあった…。
やさしい…。 日本語だけ読むと、マクドナルドのメニューとは想像できない。でも、わかりやすい。小学校の給食メニュー表をのぞいているような懐かしい気持ちになった。
商品の補足説明はつづく。
マクドナルドのハンバーガー、ひと切れ80グラムであることを初めて知る。お年寄りにメニューの理解を深めてもらおうとしている努力が伝わってきて、好感がもてた。
まるごと優先席
店内へ入ってみると“1階=すべて優先席”という主旨が書かれた看板がある。たしかに1階のテーブルには全て優先席マークがついている。
注文するレジの前には、少し低い位置に荷物を置けるスペースがある。カバンから財布を取りだす時に便利そうだ。このスペース、少なくとも渋谷のマクドナルドにはなかった。
商品をもらい座った席の隣では、会話から察するに、孫娘&祖母の2人が食事中。
派手なサングラスをした今どきの娘さんの悩みごとを、おばあちゃんがチーズバーガーをかじりながら聞いてあげている。 巣鴨のマクドナルドを象徴しているかのようにみえた。孫とリラックスして話をする場所としても、巣鴨のマクドナルドは良いかもしれない。