きょうのコラム「時鐘」 2010年1月11日

 年を一つとるごとに1年が早く過ぎていく。子どものころはあんなに長く感じた1日、1年があっというまに過ぎていく

10歳のころの1年は人生の10分の1だが、50歳の1年は人生の50分の1だからと説明されることが多い。だれにも等しくある時間も、同じスピードでは流れない。伸びたり縮んだり、年齢や世代によって違う。20歳を過ぎるとその思いは強くなる

名著「ゾウの時間ネズミの時間」で知られる生物学者の本川達雄さん(父の本川弘一・元東北大学長は加賀市出身)は作詞作曲もする変わった人で、こんな歌がある。「ゆっくりのんびりナマケモノ」「あくせくしなくても生きられるぼくの名前はナマケモノ」(時間生物の視点とヒトの生き方)

青春まっ盛り、人生の時間はたっぷりあると思っている新成人に、単純だが大切な言葉を贈りたい。光陰矢の如し。一寸の光陰軽んずべからず。いつまでもあると思うな親と金、そして時間。ないと思うな運と恋

確かに時間もチャンスも皆に等しくあるが、使い方次第だ。前向きに生きると時間は長くチャンスも多い。怠けず、たゆまず。