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第55回読書感想文コンクール:県審査最優秀作品/8 /高知

 ◆小学校高学年・自由

 ◇察知力--土佐市立高岡第一小6年・古谷達男さん

 この「察知力」という本は、中村俊輔というサッカー選手が書いたものです。中村選手は一九七八年、神奈川県に生まれ、小・中・高とサッカーを続け、高校卒業後の一九九七年に横浜マリノス(現横浜F・マリノス)へ加入。Jリーグで活躍し、二〇〇二年にイタリア・レッジーナへ行き、二〇〇五年にスコットランドリーグの名門、セルティックFCへ移籍して、現在世界一のレアルマドリードで活躍しています。ぼくは、日本で唯一世界と互角に戦える選手だと思っているので、尊敬しています。そんな中村選手のいう「察知力」には、強さの秘密が書かれてあると思ったし、その「察知力」はどのようなものか知りたいと思ったので、この本を読むことにしました。

 「察知力」とは、瞬時に状況判断をして正解を導く力だそうです。サッカーでは一瞬の判断が勝敗を決定します。中村選手は、毎日の反復練習と情報収集、こまめな目標設定と自己反省をノートに書くことで、自分を客観視し、この力を磨いてきたそうです。

 ぼくは今まで中村選手が強いのは、練習を積み重ねてきたからだと考えてきました。だからぼくもサッカーを始めたころから、人より多く練習をするようにしてきました。三年生の時に足を骨折してしまい、半年間サッカーができなかったので、ギプスが外れてからは、朝早く起きてトレーニングに毎日努めたこともありました。しかし、ただ多く練習するだけではなく、中村選手はノートに自己反省を書くことで、自分を客観視し、ピッチに立ったときに正しい状況判断ができるようにしていることを知って驚きました。ぼくは、これこそが有名なクラブチームに移籍し、その中でもレギュラーの座を獲得できた秘訣だと思いました。

 ぼくは、これだと思い、サッカーノートをつけるようにし、その日の練習や試合での反省をノートに書いたりしてみました。すると、今日できなかったことや、悪かったところが見えてきます。そして、それを次の練習の課題とすることで自分の弱点などを克服できます。これは、サッカーだけじゃなく他のことにも生かせるんじゃないかと思います。例えば勉強では、できなかった問題をやり方を調べたりしながら解いて、次に同じような問題を解く時、解くことができれば、それが弱点(ニガテ)を克服したということになるんじゃないかと思います。

 中村選手は「満足しちゃいけない、常に次の壁を探さなければならない」と書いてありました。だから、一つや二つ弱点を克服したからといって、満足するのではなくて、常にぼくも壁を探し、見つかったら、目標を設定して努力していきたいと思います。中村選手のように「察知力」を磨いて、そのことを自分自身の将来のため、これからの自分のために役立てていきたいと思っています。いつか、自分の夢をつかむために。

 中村俊輔「察知力」(幻冬舎)=つづく

毎日新聞 2010年1月10日 地方版

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