国の天然記念物で絶滅危惧種のイタセンパラを無許可取引

　国の天然記念物で絶滅危惧種に指定された淡水魚を無許可で取引したとして、愛知県警生活経済課は１０日、種の保存法と文化財保護法違反の疑いで、会社員時田信夫容疑者（５１）＝愛知県一宮市木曽川町外割田＝ら３人を逮捕した。

　県警によると、３人は淡水魚の愛好家や販売業者。愛好家らの間で「採り子」として知られる密漁者で、天然記念物の「イタセンパラ」や「アユモドキ」など希少な淡水魚を互いに交換していたという。

　ほかに逮捕されたのは、淡水魚販売業者佐々木保夫容疑者（６５）＝岡山市中区祇園＝、無職河村徳浩容疑者（４７）＝大分県別府市鶴見。

　３人の逮捕容疑は、時田容疑者が昨年５月、愛知県一宮市の木曽川でイタセンパラを違法に採取。６月から８月にかけ、佐々木容疑者に計約４０匹を宅配便で送り、河村容疑者は６月、時田容疑者にアユモドキ２匹を譲り渡した疑い。

　愛知県警によると、佐々木容疑者は昨年１１月にも、アユモドキの違法取引で滋賀県警に立件されたばかりという。

　時田容疑者は約１０年前からイタセンパラの密漁を始めたとみられ、「これまでに約１２００匹を捕った。（他の愛好家への）優越感を味わいたかった」などと供述しており、愛知県警が流通ルートの解明を進める。

　イタセンパラはコイ科タナゴ属。濃尾平野など国内の３カ所にだけ生息する日本固有種で、環境の変化と外来魚の繁殖で個体数が激減、絶滅が危ぶまれている。

（2010年1月10日22時51分  スポーツ報知）

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