滋賀中央信用金庫(本部・彦根市、松尾一仁理事長)は5日、営業推進部の係長だった男(35)が顧客4人の預金計約498万円を横領していたと発表した。同信金は昨年8月に元係長を懲戒解雇するとともに、彦根署に業務上横領容疑で告訴した。全額弁済されているという。
同信金によると、元係長は営業推進部に勤務していた昨年6月、彦根市内の60歳代の女性に「普通預金に280万円を上乗せすると500万円の定期預金になる」と言って280万円を預かり、うち107万円を着服。その後、この女性が「残高が少ない」と同信金に申し出て被害が発覚した。
同信金の調査で、元係長が02年から発覚までの間に、彦根市内や愛荘町内のいずれも60歳代の女性3人の定期預金を解約し、自分名義の小口の定期預金にするなどして着服していたことが判明。満期になるのを待って解約し、遊興費などにあてていたという。
元係長は97年入庫。約90人いる得意先係でも常にベスト10の営業成績を上げていたといい、「だれにも負けない業務成績を上げたくてやってしまった」と話しているという。
松尾理事長は「さらなる内部管理態勢の強化を図る」と謝罪した。【松井圀夫】
毎日新聞 2010年1月6日 地方版