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ちょっとインテリア No.35 炬燵出づ 恋を捨てたる 如くなり


ちょっとインテリア【No.35 炬燵出づ 恋を捨てたる 如くなり】

角刈りのおじさんじゃありません。猿です。俳人杉本禾人(すぎもとかじん)の句です。「炬燵(こたつ)」は冬の季語。「コタツにミカンでぬくぬくテレビ」とくればまさに冬、特に年末年始を象徴する風物詩のよう。これに「はんてん」を着れば完璧でしょうか?
エアコンやファンヒーター、電気カーペットに押され気味のコタツですが、まだまだ根強い人気を保っています。「コタツに入ってしまうと動けなくなるから」と言いつつ、「それこそが至福のときだ」という方も多いのでは?
外は北風。暖かいコタツに丸まりながら、コタツに思いをめぐらせてみる。そんな時間も“ちょっと”いいかなぁ・・・と思いまして♪


■ 炬燵の歴史 ■


隙 間の多い日本の家屋では部屋全体を暖めるのはとても効率が悪く、また暖かい空気は上へ上へといってしまいます。その点コタツは足元だけをぬくぬく暖めてくれる“頭寒足熱”。伝統的な日本の家屋にとっては、とても効率のいい暖房でした。コタツを中心に一家が肩を寄せ合うのも、日本ならではという感じがします。
 
炬 燵が最初に登場したのは室町時代。囲炉裏にやぐらを置いてふとんを掛け、暖を取りました。江戸中期以降、ようやく現代のような形、火鉢をやぐらで囲いふとんを掛けたコタツが登場します。火鉢ですから“動かせる”というのが最大の特徴でした。火鉢のコタツの登場によって、それまでの囲炉裏のコタツを「掘りゴタツ」、火鉢のコタツを「置きゴタツ」と区別するようになりました。
 掘りゴタツ 囲炉裏にやぐらを置いて布団を掛けたもの
 置きゴタツ 火鉢をやぐらで囲い布団を掛けたもの
熱源が炭から電気に変わるのは昭和になってから。昭和30年ごろから電気ゴタツが主流になります。
 
掘 りゴタツと聞いてイメージするのは、コタツの真ん中を深く掘り下げて底に炭などをおき、腰掛けるタイプのコタツですが、ここでは腰掛けコタツと区別します。この、畳に腰掛けるという“和洋折衷”なコタツを生み出したのは、日本を愛したイギリス人陶芸家バーナード・リーチだと言われています。明治42年のこと。
それ以前にも、江戸初期には御所の中に腰掛け式の大コタツがあったそうです。


■ 炬燵雑学 ■


■ 猫はコタツで丸くなる?
コタツ猫「犬は喜び庭駆け回り、猫はコタツで丸くなる」と歌う童謡「雪」
猫は寒がりの代名詞のように言われていますが、実は氷点下でも平気で出歩きます。ただ雨の日には出かけない習性があるから、雪の日も当然家にいるだけ。
猫がコタツの中で丸くなっているのを、あまり見たことはないと思います。猫は15℃以下で寒いと感じ丸くなります。暖かいコタツの中ではびよ〜ん・ぐでぇ〜と伸びきっているはず。
だからと言って、この歌詞はうそではありません。
童謡「雪」の時代のコタツは、炭を使った置きゴタツや掘りゴタツです。天板もありません。ここで歌われているのは、暖まった布団に寄り添って、または上に乗ってささやかに暖をとりながら丸まっている猫なんです。
 
■ 炬燵開き!
茶道の炉開きの日(陰暦10月の初旬の亥の日)に倣って、新暦11月の初旬の亥の日炬燵開きとする習慣がありました(武家では上亥の日、町家では二の亥の日だとか)。2004年は11月16日。
ちなみにこの日を「玄猪」と呼び、この日から火の用心を始めたそうです。
亥(いのしし)は陰陽五行説(木火土金水)ではを表すことから、火難を逃れるという意味があったようです。
 
■ 中近東でコタツ?
コタツは日本独自の文化かと思いきや、イランの降雪地帯やアフガニスタンなどでも「コルシ」と呼ばれるコタツのようなもので暖をとるそうです。コルシでミカン・・・は食べないでしょうが・・・
 
■ 語源!
コタツは「炬燵」「火燵」と書きますが、これは五山の僧がつくった和製漢字。
「火榻子(かとうし)」の唐宋音に由来するという説が有力です。(「火榻」=(コタツ)、「子」は道具や物の名につく接尾語)
「榻(しじ)」というのは牛車の乗り降りの際に使う踏み台のことで、形がコタツやぐらに似ていることから名付けられたそうです。

唐宋音・・漢字の「音と訓」の「音(字音)」には、伝来した時代や中国語の方言の差異によって「呉音」「漢音」「唐宋音(唐音・宋音)」の3種類と、日本で生まれた「慣用音」があります。「唐宋音」は鎌倉時代頃から禅僧や商人によって伝えられた宋・明・清時代の中国音。
ちなみに「行」という字では、「行進」のように「コウ」と読むのが漢音、「行列」のように「ギョウ」と読むのが呉音、「行脚」のように「アン」と読むのが唐宋音です。
 
■ 使ってみよう!
【炬燵俳諧、夏将棋】・・・冬は炬燵で俳諧を詠み、夏は露台で将棋をすること。季節に応じての趣味嗜好をいうが、嗜好が長続きしないことも喩えている。
【炬燵で河豚汁】・・・休養し大事をとりながら、一方で危険なことをする。矛盾したことをする喩え。
【炬燵兵法】【炬燵水練】・・・コタツにあたりながら兵法を習ったり水練をしたりすることで、実際に役に立たない議論や研究のこと。机上の空論。


■ 炬燵の賢い使い方 ■


■ 赤外線は赤い?
赤外線は赤い光ではありません。
白色光を分解すると「」などの色になります。それが光の波長の中でも、目に見える可視光線。可視光線の中で一番波長が短い「」よりさらに波長が短いのが「紫外線」、一番波長が長い「」より波長が長いのが「赤外線」。肉眼で見ることはできません。
赤外線コタツの光が赤いのは、心理的に暖かさを演出するために赤い色をつけているから。スイッチが入っているかどうかも一目瞭然ですね。

紫外線 光の波長 赤外線
波長「短」← 可視光線 →波長「長」
 
■ 省エネ!省エネ!
□ 上掛け・敷きぶとんを活用
掛けぶとんだけでなく敷きぶとんや上掛けをいっしょに使うと、暖かさを逃さず5〜15%の省エネになります。掛けぶとんの厚さも3cmから10cmに変えるだけで約20%の省エネに!
□ こまめに調節
コタツから離れるときはこまめにスイッチを切りましょう。
“いつでも入ったらスグぬっくぬく”のコタツも魅力的ですが、“少しじっとしているとじんわり暖かくなる・・・”これもコタツの魅力です。昔と違って暖かくなるのにそう時間もかからないですし。
また「強」と「中」では約20%も消費電力が違います。熱すぎるのはエネルギーの無駄使い。こまめに調節して適温で使いましょう。
・・・使い始めは「強」に。暖まったら後は保温するだけ。弱めてください。
 
■ イマドキのコタツ!
天板を裏返すと緑色で、マージャンができて、脚はマネキンみたいにキュッキュしてて・・・なんていうのは昔のコタツ。縁取りがめくれたり、熱いヤカンを置いてぼこぼこになったりしていませんでしたか?
注目はダイニングコタツ。椅子に座ってオコタにあたれるなんて夢のようです。コタツ布団もマチ付で省スペースですからリビングにもぴったり。
コタツといえば真四角か長四角でしたが、円形変形卵形なんてコタツもあります。デザインもモダンなもの、カジュアルなもの、アジアンテイストのものナドナド様々。もちろん本格的な和風のコタツもあります。オフシーズンも活用できるデザインの優れたものばかりです。
継ぎ脚で高さ調節できたり、消臭機能がついていたり。
「コタツ・・・そういえばここ最近出してないわ」と思ったら、今からでも出してみませんか?
出してみて「やっぱりこれじゃあ・・・」と思ったら、コタツ売り場へ是非!


本文中に使用している家具・インテリアの写真、イラストなどはイメージです。当社にてお取扱いのない商品が含まれる場合がありますので、ご了承ください。