社会
<人>罪を犯した知的障害者を支援 内田扶喜子さん
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知的障害があるゆえに、罪悪感が希薄なまま罪を繰り返す「累犯障害者」を支援する。「彼らに必要なのは刑罰ではなく、福祉への橋渡し」。一昨年8月から弁護士とチームを組み、捜査機関の取り調べ段階や裁判での弁護活動、成年後見人としての支援計画作りに奔走してきた。
大卒後、静岡新聞社で勤務し、結婚を機に退職。関西に移りフリーライターと主婦業を両立していたが、長男が重度の知的障害と診断され、福祉に目を向けるようになった。
2002年に社会福祉士の資格を取り、NPO法人で高齢者・障害者の相談に携わると、生活に行き詰まって犯罪に手を染める知的障害者が少なくないことを知った。それに加え、逮捕-起訴-判決という刑事手続きの過程で、自身の内面や動機を上手に話せない「障害特性」が見落とされている現実にも直面した。
「障害を理由に罪が許されることはないけれど、健常者と同じ土俵に上がれないのは不平等でしょ」。裁判での証人出廷は数え切れない。法廷では、裁判官や検察官に福祉的な生活支援の重要性を訴える。
理想とする仕組みもある。罪を犯した知的障害者を、刑事施設ではなく、地域社会で更生させるオーストラリア・ビクトリア州の試み。「当事者の多くが、周囲から大事にされた経験がない。障害者を見捨てていない人がいることを知ってほしい」
高校教師の夫(54)と長男(26)、長女(24)との4人暮らし。信条は「できることからコツコツと」。52歳。西宮市在住。(飯田 憲)
(2010/01/10 09:49)
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