韓日モダンガールの違い(下)

 加えて「日本と韓国のモダンガール現象は似ているが、内容が異なる」と指摘した。日本のインテリは、日本社会がどの方向に行くべきか、どのような文化を受け入れるべきか、という文明論の次元でモダンガールについて論じたが、韓国ではモダンガールを珍しい都市の風俗程度として扱ったにすぎない、と問題提起している。植民地ソウルのモダンガールは、大衆消費社会がほとんど根ざしていない状態で外部から輸入された舶来品ではないか、という批判も当てはまる。シン教授は「日本でも、モダンガールの実体がはっきりしていない状況で、ハリウッド映画に出てくる西欧の女性をモデルとして想定し、当てはめた側面がうかがえる」と語った。

 シン教授は91年、延世大英文学科に入学した。シン教授が大学に通っていたころは、まさにデモ全盛期だった。集団の暴力性を実感したシン教授は、集団よりも個人に注目した小説家・村上春樹に引かれ、ひいてはその源流ともいえる20年代の日本の近代都市文化に興味を持つようになった。

 日本学界のモダンガール研究は、西欧の消費文化論とジェンダー論の影響を受けているといえる。シン教授は「韓国のモダン(近代)研究は、日本の影響も受けたが、90年代以降に主流文化が説得力を失い、大衆消費社会が本格化したことから、日本による植民地時代に、抵抗の歴史だけではなく、生活史・文化史として接近しようとした側面が大きい」との見方を示した。

キム・ギチョル記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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