+ちょっと踏み込んだCG講座
■第一回:レイヤーマスクのススメ
◆レイヤーマスクのススメ
Photoshopの便利な機能のひとつに
レイヤーマスク
があります。
これは文字通りレイヤーにマスクをかける機能なのですが、
意外と知られていない、かなり便利な使い方があります。
・レイヤー状態比較画像
Aが一般的なレイヤー、Bがレイヤーマスクを使った例です。
普段この機能を使わない人には一見、みた目がゴツくなって
難しそうに感じてしまうでしょう。
しかし、意外と仕組みは簡単。
レイヤーマスクは鎖のようなマークを境に左と右に分けて考えます。
左は、いつもどおりの描画色のエディット状態を表しています
右は、通常描画領域にかけるマスクのエディット状態を表しています
デフォルトではレイヤーマスクは
黒=隠す
白=表示する
という法則になっています(上記の画像では全て隠された状態)
白→黒とグラデーションをかければ、
見えていた部分がグラデーションで見えなくなっていきます。
・機能の簡単な説明画像(画像がかなり大きい上に下品なので注意)
その1
その2
その3
その4
では、なぜレイヤーマスクを使うと効率的なのか?
「メリット1 レイヤーを判別しやすい」
応用例として、
一枚のレイヤーを丸ごと単色で塗りつぶして
レイヤーマスクで描画をエディットしてみましょう。
・説明画像、視覚的なレイヤーの判別
■例■
上記を見てもらえば分かると思いますが、レイヤーマスクを使うと
視覚的に、どのレイヤーにどの色がついてるかが分かります。
パーツ数が多いCGを彩色する時などは、
すぐに目的のレイヤーを探すことが出来ます。
「メリット2 色テーブルがそのまま流用できる」
通常の塗り方ですと、同じキャラクターを塗るときは
いちいち、色見本から色を吸い出してこなければなりません
しかし、このやり方なら、画像サイズさえ最初に決めてしまえば
ドラッグアンドドロップで手軽にテーブルを再現できます。
あらかじめテンプレートやアクションを作っておくと、立ち絵などの
似たようなパレットの絵を大量に塗るときに楽になります。
・説明画像、テーブルの移し変え
■例■
「メリット3 ぼかしツールのにじみを防ぐ」
ぼかしツールを使うと、ある色で
色の境界に変な色が滲んでしまうことがあります。
しかし、レイヤーマスクを用いて全く同じ描画をすると
・説明画像、にじみが消える!
■例■
綺麗さっぱり、気持ち悪い滲みが全くなくなります。
「メリット4 白と黒だけでサクサク塗れる」
レイヤーを単色で塗りつぶし、マスクを利用して描画する手法をとれば
毎回、色が変わるごとに色見本からスポイトしてこなくても、
レイヤーマスクのアルファチャンネルをエディットする白黒の2色+筆圧だけで描画できます。
これを応用すれば、「ベース・ハイライト・影1・影2・線画」の
たった5枚のレイヤーでキャラを塗ることも出来ます。(それが効率がいいかは別として)
※デメリット
但し、この手法にはいいことばかりではなく欠点があります。
1:レイヤーを1枚全部塗りつぶす上にマスク分のデーターが増えますので
全体的な処理はスタンダードな塗り方よりも重くなります。
(ただ、ブラシの追従は早いという話しも聞きます)
2:ファイルサイズが1.5〜2倍くらいまで増えてしまいますので
マシンスペックの低い人は辛いと思います。
3:バージョン7の時、レイヤーマスク状態では5.5の覆い焼きを再現できません。
通常の覆い焼きカラーになってしまいます。
まとめ
このやり方で楽になる、効率が上がる、のは個人差があり
「細かいこと考えずにガンガン新規レイヤー作ってガシガシ塗った方が速い」
という人も居ます。
個人レベルではそれで問題は無いのですが、
集団レベルになると不特定多数の人間がデーターを作るわけですから
「他人が見て一目でわかりやすい」データーを作るのが重要です。
レイヤーマスク塗りの最も優れた点は、この「他人が見てわかりやすい」という点です。
無論、それで効率上昇に繋がる前提条件として、
自分と相手の双方がレイヤーマスクの仕組みを理解していることが必要です。
新しい手法に手を広げるのは労力が要りますし、面倒臭いものですが
ぶっちゃけ、2、3枚も塗れば慣れますので、
機会があれば是非試してみることをお勧めします。
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