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海洋汚染情報 −海の事件簿−
海上で起きた重大な汚染事件・事故について、独自の視点から鋭くメスを入れ、分析・解説する”海の社会部デスク”、その名も”元海の男”、職業”(さすらい派)研究員”による海の事件簿。
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『★船の墓場とアルカイダの関係★』[2008年02月13日(水)]
昨日は新聞の休刊日に合わせた訳ではないのですが、ブログの更新を怠ってしまいました。連休明け、たまりにたまった仕事に翻弄されたためです。

連休中、自宅に仕事を持ち帰っていたのですが、家族サービスのほか、緊急案件の雪掻きに駆り出され、本懐を成就させることはままなりませんでした。

昨夜、帰宅後、自宅にて更新する予定だったのですが、“上等兵(中一の上の娘)”と“二等兵(小三の下の娘)”が最近凝っている“新種目”、いわゆる“チャンバラごっこ”の審判役を仰せつかり、それもできませんでした。

さて、今日の話題は“船の墓場”についてです。先進国で建造された新鋭船は、転売を繰り返し、やがてその使命を終え“墓場”へと向います。

すなわち、解体・解撤されて“くず鉄”となり、建築用の鉄骨などにリサイクルされるのです。“船の墓場”の多くは発展途上国に所在します。

その昔、私が現役の船乗りだった折、台湾・高雄港に入港した際、港内のヤードで一隻の船が解体・解撤されている光景を見かけました。

石油エネルギー依存型の日本の経済発展の”立役者”としてあまりにも有名な、50万トン級マンモスタンカー“N丸”でした。

海岸に座礁させた状態で、無残にも複数のブロックに切断され、大勢の工員が群がり、競うように溶接の火花を散らしながら解体している様は、まるで“蟻”に襲われた大型昆虫のごとく思え、何ともいえぬ悲哀を感じたことを今でも覚えています。

船の解体・解撤は、当時、台湾や韓国でも盛んでした。しかし、今ではインドやパキスタンなどに場所を移しています。

設備が行き届いた造船所内ではなく、海岸にほぼ座礁した状態での解体・解撤は、工員たちにとって、作業上の危険を伴います。

そればかりではありません。古い船内の断熱材に使われているアスベストなどの有害物質は飛散し放題、機関室内のビルジ(油性混合物)はそのまま海に垂れ流しと言った具合で、工員ばかりか付近住民の健康影響が懸念され、また、環境汚染も起こります。工員たちにアスベストや環境汚染に関する知識は乏しく、付近住民も然りです。

先進国で建造された船の“後始末”が、何も知らぬ途上国の人々によってなされているのです。先進国は、途上国の環境汚染や健康被害と引き換えに、経済発展の栄光を勝ち得ていたと言うことです。

こうした事態を憂慮したIMO(国際海事機関)は、安全および環境保全に配慮したシップリサイクルを目指し、船の解体・解撤についても国際統一ルールを定めることとしました。現在、急ピッチで作業が進められているところです。

ここまでは良い話なのですが、気になる外電が飛び込んでいます。報道によれば、インド政府の消息筋の発表として、同国での船舶の解体・解撤事業の最大手であるグジャラ州の業者が、“ウサマ・ビン・ラディン”率いる“アルカイダ”と“蜜月”関係にある旨を伝えています。

同筋は、「グジャラ州の解体・解撤現場まで船舶に持ち込んできた船員は、“アルカイダ”のために地域情報を秘密裏に収集している可能性がある。」とも指摘しています。

また、解体・解撤業者や船員ばかりか、スクラップ販売業者についても、「彼らの大部分はロンドンとアラブ首長国連邦を拠点とするパキスタン人で、解体・解撤された船舶から生じた“くず鉄”は、ハワラ・ルート(中近東の裏送金システム)を利用し、表に出ない形で取引され、不法な利益を得ている。」とも伝えています。

どこまで真実なのかは、一つの外電だけではわかりません。少なくとも、善意の一般市民の安全・健康や地域の環境保全に向けた、シップリサイクルの国際的な取り組みに水を指すことはあってはならないはずです。


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