テレビのことはあまりチェックしていないので把握していませんが、新聞各紙はここのところ連日、民主党の小沢一郎幹事長をめぐる政治資金問題を取り上げていますね。この人の極めて不自然かつ不透明かつ不条理なカネの流れが、ようやく明るみの下に出ようとしているようで、慶賀の至りです。過去には、番記者たちに堂々と「オレはお前たちには絶対に分からない形で処理している」とのたまっていたそうですが…。久しぶりに天網恢々疎にして漏らさず、という言葉を思い出すことができました。
18日からの通常国会は、間違いなく「政治とカネ」が焦点の一つとなりそうですね。そういう状態がいつまでも続くのは国民にとって不幸な話ではありますが、膿は出すべきときに出さないとますますただれ、癌化していきかねません。なので、この際、徹底的に与野党とも後戻りは一切できないぐらいやりあってほしいものです。
この問題では、この大きな敵失を絶好の好機として生かしたい自民党が小沢氏ら16人の参考人招致を求めていますが、民主党をはじめ与党側は拒否する構えです。ただ、ここにきて共産党が自民に同調するような姿勢を見せ始めました。ホント、この政党はひたすら世界認識のレベルを疑うしかない社民党とは違って、ときにいい味を出しますね。市田忠義書記局長は8日の記者会見でこう語りました。
《市田氏 小沢氏の政治とカネについて。まだ事情聴取という報道には接してないが、事情聴取したいという申し出が小沢氏の方にあった事は明らかになっている。政権与党の現職の幹事長が、政治とカネの問題をめぐって東京地検特捜部から事情聴取を受ける(ことになる)と言うこと自体、前代未聞の事態だと思うんです。
直接の容疑は、陸山会をめぐる小沢氏の秘書寮の建設をめぐって4億円のお金が、いったいどこから出たのか出所が不明だと。収支報告書にも記載がされていないことも明らかだ。あのときの土地の購入を指示したのは小沢氏。別の事件で公判中の大久保元公設秘書が証言している。この土地の購入を指示したのは小沢氏だ。4億円のお金がいったいどこから出たのかという疑いで事情聴取をやろうという。これは1つだ。
もう1つ、小沢氏をめぐっては、西松建設による偽装献金問題もある。小沢氏による発表では、「全て秘書に任せていた。私は知らなかった」と述べている。だが、秘書に任せたことで済むような問題ではない。
3つめに、当時の自由党の収支報告書によると、組織活動費として02年に三回にわけて15億2930万円が今回、財務大臣を辞任した藤井裕久氏に渡っている。しかし、メディアにたいし、藤井氏は「もらってないし、よく知らない」と言っている。だが、当時自由党の代表だった小沢氏は知らないはずはない。しかも、この原資の大半は政党助成金、国民の税金だ。この問題も真相を明らかにする必要がある。
西松建設がらみ。今度の陸山会の4億円の出所の問題、自由党当時の15億円。小沢氏本人が国民の前できちんと明らかにすべきだし、国会の場でも事実の究明と政治的・道義的責任の追及が当然必要だ。まずは本人の事実解明と。政権党の幹事長ですからね、きちんとしてもらう必要がある。
鳩山さんの場合は、贈与税で後で納入したとはいえ、本当に多くの人が高い税金で困っているときに事実上の脱税を一時期やって返したから済む、という問題ではない。それにあれ、証券優遇税制の恩恵を被っているわけで。そういう意味でも重大だ。
記者 参考人招致は
市田氏 我が党としては、誰を呼ぶべきは検討中だ。まずはご本人が事実を国民の前に明らかにすることが先決だ。その説明、度合いで誰を国会に呼ぶか考えたい
記者 政治とカネが重要になると。集中審議は求める?
市田氏 そりゃそうですね》
…では、これについて一方の民主党側はどう言っているか。実は藤井氏の次の財務相になりたくてネクストバッティングサークルでぶんぶん素振りをしていたと党内で言われている山岡賢次国対委員長は7日、記者団に次のように語っていました。厚顔無恥としか言いようがない…。有権者はバカだから、表面的にきれいごとを言っておけばいくらでも誤魔化せるという風になめ切っているのだとしか思えません。
《記者 野党側は国会審議のテーマにして追及してくるが
山岡氏 そういうことは十分予想しておりますが、国会の本来のあるべき姿を忘れないようにしていただきたい。政党間の駆け引きや、政治家同士の損得というような国会にしないで、やはり国民の生活をどう守っていくかと。従って、そういう政策面においていろいろなご意見や修正要求はいかに厳しいものがあっても、それは私は建設的な意見として検討すべきだし、そういう考え方もあるんだと、そういう国民を代表されているんだと、こういうことは真摯に受け止めてどんな指摘に対しても十分対応すべきものと思っているが、そういう本筋から外れているとは言いませんが、こうすれば選挙に有利だとか、相手にダメージを与えられるということに終始してほしくないなあ。
それは政治全体のレベル低下と、国民のみなさまの不信を招くことになってしまうと思いますので、やっぱり私が野党の時も同じことを考えていたが、与党でも野党でも国会議員がしっかりしてないと私たちの生活が守られないんだな、とそういう風に期待をしていただけるような実現するような国会にぜひしていきたい。
賛否があるのは当然で意見があるのは当然で、そのことは十分尊重するが、そういうことではないところで国会が終始していくのは…国会をワイドショー化はしたくないなと思っています。》
…どの口がそれを言うのか。というか、まさに天に唾するような言い分ではないでしょうか。あなた方が今まで言ってきたこと、やってきたことは何だったのか。しかしまあ、自民党田中派時代から小沢氏をよく知る旧経世会関係者と昨日、電話で話したところ、「小沢さんは地検の捜査に平静を装っているけど、本当は相当いらいらして大変らしいよ」と話していました。
小沢氏の周辺にいる議員たちは、原資が分からない小沢氏の「タンス預金」4億円についても、「小沢氏の奥さんの実家が、準ゼネコン福田組で金持ちだから、なんどでも理屈は立つのではないか」などと言っていますが、この関係者は「そんなこと言ったって、奥さんのお父さんが亡くなったのはつい昨年のことだし、遺産が入るのはその後のことだ。そんなの通用しないよ」と言い切っていました。私事ですが、昨日、初めて手術(といっても日帰り)を受け、この連休中は安静にしていなければならないのですが、来週もまた忙しくなりそうです。
by 花うさぎ
共産党の「正論」と山岡国対委…