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◆ハードディスクの問題点を修復するには?
昨年末は不要なファイルを削除してハードディスク内を整理・整頓した。ハードディスク内の空き領域が増えてスッキリしたところで、ハードディスクのメンテナンスをしよう。まずは、ディスクの問題点を自動修復する「チェックディスク」だ。ウィンドウズは標準でついているこの機能を使うのが最も便利で、最新のウィンドウズ7も同じだ。
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作業前になぜチェックディスクが必要なのかを理解しておこう。ハードディスクの中には「プラッター」と呼ばれる円盤状の金属製ディスクがある。そこにデータが保存されるが、保存場所を表す住所のようなものがないと、必要なデータを探し出せない。そのため、プラッターは、土地を区画整理して所番地を割り当てるように小さく区分されている。同心円状に区分けされ、ドーナツ状の部分を「トラック」と呼ぶ。同心円はさらに放射状に分割され、それらを「セクター」という=図。
セクターは壊れてしまうことがあり、「不良セクター」と呼ばれる。頻繁にデータを読み書きしているうちに自然に、あるいはいきなり電源を引き抜いてしまった--など壊れる原因はさまざまだ。不良セクターはウィンドウズが認識し使えなくするが、放置しておくとトラブルの原因となる。この不良セクターを自動修復するために「チェックディスク」を実行する。
不良セクターの有無はチェックディスクを実行してみないと分からないが、壊れていたら実行中に修復される。
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チェックディスクは以下の手順だ。所要時間はハードディスクの容量によって異なるが、大容量だと1時間以上かかることもある。注意点は、絶対に中断しないことだ。時間に余裕のある時に実行しよう。
「コンピューター」(XPは「マイコンピュータ」)を開き、Cドライブを右クリックして「プロパティ」を押す。「ローカルディスク(C:)のプロパティ」画面が表示されるので、「ツール」タブを開く。
一番上にある「エラーチェック」の項にある「チェックする」ボタンをクリックすると、オプションを選ぶ画面が表示される。オプションの2項目の両方をクリックしてチェックを入れ、「開始」ボタンをクリックする=画面<上>。
ここで、次回起動時に検査するかを問う画面が表示される。ウィンドウズが起動した状態ではチェック・修復ができないためだ。「ディスク検査のスケジュール」(XPは「はい」)をクリックし、パソコンを再起動する。しばらくして、ウィンドウズ7とビスタは黒色の背景、XPは青色の背景に白い文字が表示され、チェックディスクが始まる=画面<下>。
チェックディスクでは「stage1」から「stage5」まで五つの作業があり、進行状況がパーセンテージで表示される。全作業が終わると、最後に「○○KB in bad sectors.」という表示が出てくる。「○○KB」の数字が不良セクターの量だが、この画面は一瞬しか表示されず、すぐに自動的に再起動されるため、よほど注意深く見ていないと確認は難しい。チェックディスクが終了するとウィンドウズが通常起動し、作業は終了だ。
なお、C以外のハードディスクドライブは再起動なしにチェックディスクが実行される。中断は厳禁だ。
次回(15日)は「ハードディスクの断片化を解消する方法」について解説します。<テクニカルライター・小野均>
毎日新聞 2010年1月8日 東京朝刊