「批判されたほうがマシ」
「太ったのは、ケガで走れなかったことがすべて。どれだけウエート・トレーニングをこなしても、走れないことにはカラダは絞れないし、キレも出てこない。ただ、痩せたから、絞ったからといってパフォーマンスが上がるって問題ではないですよね。痩せて野球が上手くなるなら、いくらでも痩せますよ! そんな簡単な話じゃない。解説者はアラ捜しするのが好きですけど、本当のことを分かっている人はほとんどいなかった」
著名な野球評論家やバッテリーを組んだことのある捕手らが「太り過ぎ」説なら、母校・横浜高の渡辺元智監督、小倉清一郎部長ら恩師たちは「フォームの異常」説だった。
「部長には6月の2度目のDL入りの時に、ケガのことを話しました。そしたら、『そういう理由なら安心した。シッカリ治して戻って来いよ』って。部長は僕が手抜きして・手投げ・をしていると思っていたんです。プロ入り当初から、ちょっとでも手投げしようもんなら、『お前、楽して投げてんじゃねえ』ってすぐ電話がかかってきましたから」
それにしても、だ。松坂が真相を話さないため、レッドソックス首脳は不調の原因をWBCと断定。調整法を巡って球団と衝突し、フランコナ監督が激怒する事態に発展した。
身内であるトレーナーや家族に言わないことは百歩譲って理解するとしても、球団にまで秘密にするのは解せない。正直に話をして自分の身を守らないと、DL入りどころかチームから放出される危険もあった。
「……アメリカ人だったら、そうするでしょうね。でも、日本人って違うじゃないですか?武士……じゃないですけど、弱みは見せねぇ、みたいな(笑)。言い訳がましくとられるぐらいだったら、批判されたほうがマシだと思ってました。ナメられたくないじゃないですか。それに、繰り返しになりますが、気を遣われるのがイヤなんです。本当に病人(ケガ人)になってしまう気がするから。心配してくれるのはすごくありがたいんですけど、『ケガのないように』と言われることすら、僕はあまり好きじゃない」
メジャーの怪物たちと一人で戦う松坂。原辰徳監督じゃないが、彼は・強いお侍さん・そのものだった。自己ワーストの'09 年シーズンだったが、確かな光明も見えた。
「球団とモメたのは、大きな出来事でした。肩の筋力とスタミナは別だということを理解してもらえた。筋力値さえ一定の数字をクリアできていれば、メジャーではタブー視されている投げ込みをしてもいい、ということになった。2度目のDL明け以後、好投(3勝1敗)できたのは、内転筋をしっかり治療したうえで、投げ込みをしたからです。痩せたからじゃないですよ(笑)。内転筋を痛めたあのトレーニングも再開しています」
読者に一言―と振ると、松坂はそれこそ武士のように記者に向き直り、力強く語り始めるのであった。
「心配かけて、すみませんでした。ただ、これまで話したとおりなので、来季は大丈夫です! 体が健康であれば、しっかりとしたものを残せる自信はあるので、'09 年のぶんをしっかり取り返していきたい。そしてもう一度、世界一になれるよう、頑張ります!」
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