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| 戦時下のスクリーン第一弾 10,500円（税込） |
| A面解説 １ 『日出づる國』 19分 モノクローム サイレント 1929（昭和4年）文部省製作 総指揮 池永浩久 監督 長倉祐孝 撮影 酒井健三 この映画は、文部省の『教化映画利用状況』（昭和5年）に 「昭和四年十月、教化動員ノ趣旨ヲ闡明スル為映画「日出づる國」「覚めよ国民」「二つの世界」ノ三種ヲ製作シ道府県及び六大都市ニ交付ス」とある作品の一つで、いわゆる皇國史観に基づいて建国、蒙古襲来、黒船来航、明治維新、日清、日露戦争を劇映画仕立てでふり返るスケールの大きなスペクタル史劇。 この映画の総指揮者、池永浩久は当時日活の京都撮影所長。後に東宝の重役として社内に組織された東宝國策映画をとりしきり、文字通りの國策映画『皇道日本』『大乗の國』を製作した。 ２ 『東亜の鎮めー陸軍記念日を祝う歌』 10分 モノクローム 1936（昭和11年）朝日新聞社製作 指導 陸軍歩兵少佐 松井真二 編集 星野辰男 演奏 陸軍戸山學校軍楽隊 指揮楽長 岡田國一 録音 P・C・L 日露戦争の奉天大会戦の勝利から30年目の昭和10年3月10日、陸軍記念日を期して陸軍省新聞班が作詞、山田耕筰が作曲下『陸軍記念日を祝う歌』を日露戦争、第一次世界大戦、満州事変などの記録映像にかぶせて紹介した音楽映画。皮肉にも、この映画の完成は「映画年鑑」 によれば、２・26事件の年、昭和11年の2月であった。 ３ 『血染めのスケッチ』 １８分 モノクローム １９３７（昭和１２年）振進キネマ社製作 製作 井上麗吉 解説 静田錦波 録音 岩谷サウンド電気研究所 町の子供たちに愛されていた紙芝居の青年が、出征、子供たちのために描いた戦争紙芝居の下絵―血染めのスケッチを残して戦死した。 戦死した青年の妹は、その遺志を継いで紙芝居を完成させ、子供たちに演じて見せるというストーリー。 製作会社「振進キネマ」の主宰者・井上麗吉は元新派の俳優とあってか、映画の語り口も新派的な色合いが感じられる。 ４ 『軍馬物語』 １５分 モノクローム １９３８（昭和１３） 山口シネマ公司製作 馬産地における子馬の誕生から馬市、２歳から５歳までの軍馬補充部における育成、各所属部隊における調教と訓練を克明に記録した映画。 （映像協力 株式会社プラスミック） ５ 『國策短編シリーズ 八十億圓』 １０分 モノクローム １９３８（昭和１３年）聯合映画社製作 製作 加納千吉 指導 大蔵省國民貯蓄奨勵局 構成 大島 屯 日中戦争下の昭和１３年度、国の総予算は、戦費４８億５千万円、 一般会計３１億５千万円を合わせて８０億円。これをまかなうために銃後の暮らしからムダを省き、ゼイタクをつつしみ、８０億円の貯蓄を実現して、東洋平和のための戦いを完遂しようと呼びかける貯蓄奨励PR映画。 ６ 『英靈讃歌』 １０分 モノクローム １９３９（昭和１４年） ミヅナカ映画部作品 企画 報知新聞社 構成 長尾史録 技術責任 阿部鉉太郎 撮影 亀谷明正 篠原菊治 録音 西井憲一 報知新聞社の懸賞当選歌『英靈讃歌』（作詞 山崎真基人 作曲 山田耕筰）を靖國神社例大祭・山村・漁村・工場の仕事風景・満州開拓村の風景などの画面に載せて紹介する音楽映画。 ７ 『靖國神社』 ２０分 モノクローム １９３９（昭和１４年） 皆川芳造 謹製 指導監修 陸軍省情報部 昭和１５年版「日本文化映画年鑑」の作品紹介には「一般の人々は如何に靖國神社への尊敬を抱く可きか、その正統な認識を得て敬神の念の指導を志したもの」とある。 靖國神社の歴史と、鳥羽伏見の戦いから日清・日露戦争・満州事変・支那事変にいたる英霊たちの戦史を重ね合わせて構成し、昭和１４年１０月の例大祭の模様を記録した作品。 8 『出征兵士を送る歌』 ８分 モノクローム １９４０（昭和１５年）朝日映画社製作 昭和１４年に大日本雄辯会講談社が公募・選定した『出征兵士を送る歌』（作詞 生田大三郎 作曲 林伊佐緒）の歌唱指導映画。背景となる映像は、農村や都会の出征兵士の見送りと入営、出征列車、輸送船、大陸の戦線など。 ９ 『艦隊航進譜』 １２分 モノクローム １９４０（昭和１５年）理研科學映画株式会社製作 指導 海軍省軍事普及部 演奏 海軍軍楽隊 敵艦あらわるとの設定で行われた艦隊演習の記録映像を、海軍音楽隊による行進曲の演奏にのせて構成・編集した作品。『日本文化映画年鑑』（昭和１５年）の作品紹介記事には、「・・・出動命令が下った。洋上に近代的立体戦が開始される。彼我物凄い戦闘の後、夕陽にしに落ちる頃艦隊は威風堂々軍港に帰って行く。勇壮な記録篇」とある。 《挿入曲》 行進曲「軍艦旗」 佐々木信綱作詞 瀬戸口藤吉作曲 行進曲「軍艦」 瀬戸口藤吉作曲 行進曲「太平洋」 斉藤丑松作曲 B面解説 １０ 『内閣情報部選定 愛國行進曲』 １１分 モノクローム １９３８（昭和１３年）鱗映社製作 編集 増田和弘 録音 アサカ幸二 内閣情報部が日中開戦の年、昭和１２年９月に募集。５万８０００編 近くの応募作から選定した『愛國行進曲』（作詞 森川幸雄 作曲 瀬戸口藤吉）の歌唱指導映画。日本の四季の風景や、日中戦争の戦闘シーンなどの画面の上に、曲のリズムに合わせて歌詞を示していく手法は、当時としては画期的なものであった。 １１ 『戦ふ女性』 ２２分 モノクローム １９３９（昭和１４年）朝日映画社製作 脚本・監督 永富映次郎 撮影 田畑 雅 録音 近藤健郎 音楽 福田宗吉 指導 陸軍軍醫中将 広岡道明 後援 日本赤十字社 「皇軍の陰に、白地に赤の十字章の下、一死報国将兵に劣らぬ働きを続けている日本赤十字社救護看護婦の養成及び彼女たちの病院船に活躍の実際を示したもの」―「日本文化映画年鑑（昭和１５年）」より。 １２ 『興亜大日本』１９分 モノクローム １９４０（昭和１５年）國光教育画映画社製作 原案 田中義人 原作監督 大鶴日出夫 撮影 三瓶新之助 編集 丸山栄一 万世一系の神国―日本のアジアにおける役割と使命は、白色人種国からのアジアの解放にあると位置づけ、明治の日露戦争も、昭和の日中戦争も、アジア開放の聖戦であると説く、国内向け聖戦完遂PR映画。 １３ 『武器なき敵』 １９分 モノクローム １９４０（昭和１５年）理研科學映画株式会社製作 指導 憲兵司令部 後援 内務省 提供 大阪毎日新聞社 東京日日新聞社 構成 吉村 操 撮影 笠間公夫 戦争の危機が迫り来る中で、日本に向けられた「武器なき敵」− すなわちスパイの目を、耳を、手を、足をいかに封じるか。 スパイのさまざまな情報収集テクニックと、それらに対する注意・警戒を呼びかけた防諜PR映画。 １４ 『生きた慰問袋』 １２分モノクローム １９４２（昭和１７年）中央映画社製作 脚本 青山地平 演出 柳 武史 撮影 辻野庄三郎 漆山祐茂 録音 住吉公夫 音楽 高橋 半 慰問袋作りのノウハウー慰問袋を作るときの心得、作法、手順を説 き、銃後から戦地までの慰問袋の搬送を追った作品。 １５ 『北の健兵』 １９分 モノクローム １９４３（昭和１８年）藝術映画社製作 提供 朝日新聞社 演出・撮影 井上 莞 音楽 深井史郎 「北辺に酷寒と闘ひつつ不断の猛訓練を行ひ、北門の護りを固める皇軍精鋭の日夜健闘する演練を記録」−とある。 「映画年鑑（昭和１８年版草稿）」によれば、アッツ島玉砕以降の北方戦線の守りをアピールした作品。 １６ 『學徒出陣』 １５分 モノクローム １９４３（昭和１８年）文部省作品 昭和１８年１０月２１日神宮外苑競技場で催された「出陣學徒壮行大会」の公式記録映画。当時のニュース映画で話題を呼んだ、悲壮感ただよう雨中の行進シーンを含め、当日のプログラムを正確に記録した貴重な映像である。 |
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