救急搬送患者のたらい回しを防ごうと県は7日、「県傷病者搬送受入協議会」を設置し、初会合を開いた。10月までに、搬送先の医療機関選定のルールや、病気・けがの種類に応じた受け入れ機関のリスト、救急隊が患者の状態を把握するためのマニュアルなどを策定する。
県のまとめでは、08年の重症患者の救急搬送で、最初の照会で受け入れ先が決まったのは84・7%にとどまり、17回拒否されたケースもあった。断った理由は「処置困難」が32・1%で最も多く、専門外20・7%、手術中・患者対応中16・5%と続いた。
昨年10月施行の改正消防法は、都道府県ごとの搬送ルール策定を求めている。県の協議会は医師会や病院協会、消防長会などの代表18人で構成。併せて▽県北▽県中・県南▽会津▽相双・いわきに地域検討会を設置し、地域別のルールも定める。
初会合では、「受け入れの可否が当直医師の熱意次第になっている」「罰則も含めたルールを検討すべきだ」「近隣県との連携が必要」などの意見が出た。田勢長一郎会長(県立医大救命救急センター部長)は「広く意見を聞き、できるだけ早く実効性の高いルール作りを進めたい」と話した。【関雄輔】
毎日新聞 2010年1月8日 地方版