高校の制服姿で入寮した菊池は、1時間後にはトレーニングウエアに着替えて、寮の前の西武第2球場に飛び出した。入寮して即練習。これも雄星流のこだわりだった。
「あした(8日)は仏滅なので、きょうから練習しようと決めていました。背番号の17と同じ1月7日のいい日なので」
先に入寮していたD5位・松下(早大)にスカウトを介して声をかけ、ともにランニングを開始すると、菊池に引っ張られるように他の新人も続々とグラウンドへ。最後に入寮した同4位・石川(東邦高)も慌てて飛び出した。新人6人全員が入寮即練習。こんな異例の光景も“雄星効果”に他ならない。
キャッチボールやウエートなど約2時間の練習を終えた菊池は、「ボールを使ったのは年が明けてから初めて。焦らないようにした」とマイペースを強調。新聞などで渡辺監督の「飛ばしすぎないように」というアドバイスも目にしており、9日からの新人合同自主トレでも、言いつけを守るつもりでいる。
「すばらしい環境でやれるので、言い訳はできない。あとは自分がやるだけ。言葉ではなく、結果で示していきたい」
寮には自身の書庫から厳選し、全体の1割という約60冊の本を持ち込んだ菊池。オフは趣味の読書に没頭する予定で、公私ともに準備は万全。いよいよ充実したプロ野球人生が幕を開ける。(越智健一)