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« 昭和20年8月15日は"解放"の日だった ── その日、田原少年は何を感じたのか
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すでにはじまっている小沢vs東京地検特捜部の駆け引き

小沢一郎民主党幹事長の政治資金問題がいよいよ佳境を迎えようとしています。

東京地検特捜部は、石川知裕民主党衆院議員に続き、小沢氏にも参考人として事情聴取に応じるよう求めました。水面下で繰り広げられている「小沢vs検察」戦争はこれからどのような展開となるのか。昨年3月に西松事件が発覚して以降、地上波放送や新聞ではタブー状態だった検察批判を「サンデープロジェクト」や「朝まで生テレビ!」で展開してきた田原総一朗氏が、今回の検察の捜査について語ります。

(構成・文責:《THE JOURNAL》編集部)

*   *   *   *   *

■正月の報道は小沢潰しのデモンストレーション

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いま、日本でもっとも死に物狂いの戦いをしているのは、小沢一郎民主党幹事長と東京地検特捜部だ。

読売新聞は、1月1日に石川知裕議員の供述として「小沢氏から現金4億円受領」と一面トップで報じ、3日には日本経済新聞が社会面のトップで報じた。おそらく、これらは検察のリークだろう。言うまでもなく、検察の最終ターゲットは小沢で、これは「お前(小沢一郎)をやっつけるんだぞ!」という検察のデモンストレーションにほかならない。

東京地検は昨年、小沢の公設第一秘書を虚偽記載の疑いで逮捕した。これは、西松建設がつくったダミー組織が小沢さんの資金管理団体に献金したカネが虚偽記載だと判断されたためだった。このとき、私は元検事や弁護士に話を聞いたが、誰もが「検察は裏で西松建設がらみで何かをつかんでいるに違いない」と話していた。しかし、その後の展開を見ると、完全に検察の空振りだった。結局、秘書の逮捕は虚偽記載の域から一歩も出なかった。

虚偽記載でいうと、鳩山首相の秘書による故人献金問題も同じ。法律論からすると、どちらかというと鳩山首相の方が問題だろう。小沢の政治資金収支報告書には嘘はない。一方、鳩山首相の方は明らかに嘘の記載をしている。にもかかわらず、鳩山首相の元秘書は在宅起訴で、小沢の秘書は逮捕させた。このバランスは明らかにおかしい。

■検察はいつ勝負をかけるのか

本来、検察は「正義」で動いているはずだ。ところが、小沢に対して検察に正義はない。恣意的に小沢をやっつけようとしている。昨年の事件が結局は空振りに終わったことで、最近になって土地購入の問題を出してきて、小沢を事情聴取しようとしている。おそらく、検察は国会の前に小沢を事情聴取したいと考えているだろう。だが、小沢は国会の後に伸ばしたいに違いない。このあたりは双方の駆け引きだろう。

検察は死に物狂いなのだ。もし、ここで空振りに終わったら、すでに崩れかけている「検察の正義」が完全に信用されなくなってしまう。はっきり言えば、検察の現場は小沢を逮捕して身柄拘束をしたいと思っている。が、このやり方を検察の上層部がどう判断するのか。また、5月から6月には検察のトップ人事がある。検察はそれまでに勝負したいと考えているのではないか。

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

はなゆーさんが2chから見付けてきて紹介してるけど、「調べてみたらちゃんと04年の収支報告書に4億円の借入を小沢氏から行っていたことが記載されている」。

http://alcyone.seesaa.net/article/137719869.html

田原さん。おおー、今からでも遅くない。

検察の実態をなーーーんにも知らない国民を教育してください。

老いましたね、田原さん。
なにか凄いネタでも披露してくれるのかと記事を目で追いましたが、この程度のことはとっくに皆思っていますし、ここに限らず阿修羅掲示板でももっとディープな情報が投稿されておりますし、小沢VS検察に関しては既存のメディアが検察のリーク垂れ流しで囲い込みをかける中、カウンター情報にかけては日刊ゲンダイが秀逸なフォロワーを反対の論陣を張り官と記者クラブの55年体制最後の悪あがきと喝破していますよ。
しかしまあそれにしてもこの書き口はないですよ。

>東京地検は昨年、小沢の公設第一秘書を虚偽記載の疑いで逮捕した。これは、西松建設がつくったダミー組織が小沢さんの資金管理団体に献金したカネが虚偽記載だと判断されたためだった。このとき、私は元検事や弁護士に話を聞いたが、誰もが「検察は裏で西松建設がらみで何かをつかんでいるに違いない」と話していた。しかし、その後の展開を見ると、完全に検察の空振りだった。結局、秘書の逮捕は虚偽記載の域から一歩も出なかった。<

周回遅れの話を後生大事にいまさらなんですか。
ジャーナリストならば、

>検察は死に物狂いなのだ。もし、ここで空振りに終わったら、すでに崩れかけている「検察の正義」が完全に信用されなくなってしまう。<

なぜ検察は死に物狂いなのか、そもそも検察の正義の裏づけは何であり、何によって崩れようとしているのかを書いてくださいよ。
小沢逮捕が検察の正義の体現になる根拠がどのようにして成り立つのか、そもそも公判維持さえ難しい大久保秘書の天の声裁判は西松建設の社長の公判でも検察の読み上げた天の声は裁判長から具体性に欠く(当然ですけど)と指摘を受け、信用性に足るとはいえないものなのにそれが検察の正義の有り様ですか?
凡庸過ぎますよ、田原さん。
週刊朝日のギロン堂の冴えない文章をここで再掲したかのようなそんな感じしか受けません。

あなたはいつも詰問で相手を指弾したり、上から目線で切ったりサンプロや朝生ではやりたい放題なのに自分のテリトリーであるジャーナリストとしての見識がこんなものではボケたと揶揄されても仕方ありません。
どうしちゃったんですか田原さん?

電波芸者の意見も少しは偏向がなくなったのか、それとも何を言いたいのか、全く良く分からない。

貴方は小沢氏が逮捕されるべきと考えているのですか?

> おそらく、これらは検察のリークだろう。

このことには、法的道義的責任は生じないのでしょうか。

リークした者を洗い出し、守秘義務違反で告発する必要性は無いでしょうか。

田原様のご見解を賜りたく存じます。


> 本来、検察は「正義」で動いているはずだ

わたしもそう思っていましたが、今やそれは「神話」であったのだという認識に変わっています。

同様に田原様はジャーナリストだと思っていたのですが、現在の認識は少し変わってしまっております。

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Profile

田原総一朗(たはら・そういちろう)

-----<経歴>-----

1934年、滋賀県彦根市生まれ。
早稲田大学文学部卒。
岩波映画製作所、テレビ東京を経て、77年フリーに。
テレビ東京時代の連続番組「ドキュメンタリー青春」で、取材対象者に肉薄する独特のインタビュー手法で注目を浴びる。
現在は政治・経済・メディア・IT等、時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている。
テレビジャーナリズムの新しい地平を拓いたとして、98年ギャラクシー35周年記念賞(城戸又一賞)を受賞した。
2002年より母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生や社会人の指導にあたっている。

-----<出演>-----

『朝まで生テレビ!』
(TV朝日、毎月最終金曜25時?)

『サンデープロジェクト』
(TV朝日、毎週日曜10時?)

BookMarks

田原総一朗 公式サイト
http://www.taharasoichiro.com/

田原総一朗のタブーに挑戦!(JFNラジオ番組)
http://www.jfn.co.jp/tahara/

株式会社アスコム
http://www.ascom-inc.jp/

朝まで生テレビ!
http://www.tv-asahi.co.jp/asanama/

サンデープロジェクト
http://www.tv-asahi.co.jp/sunpro/

早稲田大学 大隈塾
http://www.waseda.jp/open/attention/ookuma/ookuma_curriculum_2005.html

早稲田大学 大隈塾ネクスト・リーダー・プログラム
http://www.waseda.jp/extension/okumajuku/index.html

-----<著書>-----


『市場浄化』
2006年10月、講談社


『テレビと権力』
2006年4月、講談社


『オフレコ!Vol.2』
2006年3月、アスコム


『国家と外交』
2005年11月、講談社、田中均共著


『日本の外交と経済』
2005年9月、ダイヤモンド社


『日本の戦後(上)』
2003年9月、講談社


『日本の戦後(下)』
2005年7月、講談社


『田原総一朗自選集 1?5巻』
2005年7?10月、アスコム

『オフレコ!Vol.1』
2005年7月、アスコム、季刊

『日本の戦争』
2004年12月、小学館文庫

『日本の政治?田中角栄・角栄以後』
2002年10月、講談社

『日本の生き方』
2004年11月、PHP研究所

『日本政治の表と裏がわかる本』
2003年5月、幻冬舎文庫

『連合赤軍とオウム?わが心のアルカイダ』
2004年9月、集英社

『「小泉の日本」を読む』
2005年2月、朝日新聞社

『面白い奴ほど仕事人間』
2000月12月、青春出版社

『日本のからくり21』
朝日新聞社

『愛国心』
2003年6月、講談社、共著

『わたしたちの愛』
2003年1月、講談社

『日本よ! 日本人よ!』
2002年11月、小学館

『田原総一朗の早大講義録(1)』
2003年9月、アスコム

『田原総一朗の早大講義録(2)』
2004年3月、アスコム

『田原総一朗の早大「大隈塾」講義録 2005(上)』
2005年5月、ダイヤモンド社

『田原総一朗の早大「大隈塾」講義録 2005(下)』
2005年5月、ダイヤモンド社

『頭のない鯨?平成政治劇の真実』
2000年2月、朝日新聞社

『田原総一朗の闘うテレビ論』
1997年3月、文芸春秋

『メディア・ウォーズ』
1993年3月、講談社

『平成・日本の官僚』
1990年3月、文藝春秋

『警察官僚の時代』
1986年5月、講談社

『マイコン・ウォーズ』
1984年12月、文芸春秋

『原子力戦争』
1981年11月、講談社

-----<連載>-----

週刊朝日「田原総一朗のギロン堂」

SAPIO「大日本帝国下の民主主義」

プレジデント「権力の正体」

-----<映画>-----

『あらかじめ失われた恋人たちよ』
1971年、監督

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