平成19年1月
K R K 株 式 会 社
東京都府中市宮町1−40−3F
042−352−0035(代)
代表取締役 池 田 馨
東京都生活文化局からの指示・勧告に関して
弊社は去る平成17年7月12日に東京都より「不適正な取引行為によりリフォーム工事契約をさせていた」として、特定商取引に関する法律に基づく「指示」及び東京都消費生活条例に基づく「勧告」を受けました。
この指示・勧告によると、@弊社の見積書と契約書が複写式になっており、この事を消費者に告げずに署名・捺印を求めた、A消費者のクーリング・オフ申し立て等に対し高額の違約金を請求したり、訪問販売ではない旨を主張して解約を拒否する、という2点を特徴的な不適正取引行為だと断定し、都においても事実関係の確認を行い事実認定をした上で発令したものとしております。
しかしながら弊社といたしましては、指摘された事項について当局との見解を異にしますので、去る平成17年12月30日に、司法の場でのご裁決を受けるべく、東京都知事である石原慎太郎氏宛に「処分取消訴訟」を東京地方裁判所に提訴いたしました。
弊社は、顧客の皆様が安心してリフォーム工事を受けられるよう努力することは重要なことと認識しており、指摘されている複写式の契約書については別々の用紙に分け、またクーリング・オフの対象にはならない契約であっても、全ての契約に対して、8日間以内の解約の申し出に対しては無条件で解約を受けるなどの改善を行い、その旨を改善報告書にて提出いたしました。
しかしながら、この指示・勧告は、事実関係の確認や、その根拠となる事実認定における調査が不充分な点が多く、弊社の調査による事実確認の内容との相違点も多く見られます。よってそのような状況から発令された処分については到底承服できるものではなく改めて厳格な手順の元において、厳正なる判断を仰ぐことを願うものであります。
現在公判中でありながら、実名報道をされたままの状態であるため、今後も事実に基づいた判断が適正に行われたかどうかを問うべく、当局に対して引き続き当社の考えをご理解いただけるよう努めてまいります。
以下に経緯と詳細を含めた事実に基づいた当社の主張を記述します。
1.東京都の見解との相違点について
(1)複写式の契約書
東京都の主張では「見積書と契約書が複写式になっていることを消費者に告げずに
見積書に署名・捺印を求め、契約の成立を求める」とあるが、下記の点においてその
主張に矛盾点、及び相違点がある.
@弊社の見積書には署名・捺印をする記入欄は存在しない.
担当の営業社員が、自筆で記入する見積書に商品・工事代金等の内容を記入し
顧客に提示した上で、申し込みの同意が得られた場合に初めて複写式の一枚目の
見積書を切り剥がし、2枚目の契約書にのみ存在する署名・捺印の欄に、顧客の
自筆にて記入をしてもらう様式となっており、見積書に署名・捺印する欄は存在
しない。
尚、この様式は、見積りをした内容と契約の内容に差異が生じない様に考慮
したものであり、当社の工事においてトラブルが少ないのはこの様式によるも
のである。
A「署名・捺印をしたのは見積書だった」という主張は常識では考えられない.
今回、この主張を申し立てている顧客は、いずれも50歳代以上の社会人であり
一般的に「見積書に署名・捺印をする事」の不自然さを感じないというのは非常
に考えにくく、しかも「署名・捺印」という行為は社会通念上「重要な行為」で
あるという認識を十分に持っているはずと考えるのが自然ではないか。あまりに
も自己責任の欠落、かつ社会人としての常識が欠如した主張ではないかと思う。
B創業以来、約70,000件の顧客のうち東京都に在住の5人が誤認契約を主張.
(誤認契約を主張しているのは平成13年から平成17年の5年間で、東京都に集中)
創業から18年間における契約者数は全国で約70,000件あり、その中の5人の顧客が
「誤認契約」を主張しているが、この5人については、すべてが東京都に在
住しており、いずれも自己都合で解約する為に弁護士や都の消費生活センター等
に相談した案件から発生した主張であることは事実である。
過去直接当社の担当者に解約を申し出て、話し合いを行った顧客は「誤認契約」
という主張をすることは無かった。
通常は「契約をしたが、解約をしたい」というのが一般的であり、このような
案件については、解約事由をお聞きした上で解約を受理しており、実際に違約金
を徴収したケースは無かった。
C過去の東京都生活文化局による事業者調査・指導(平成14年2月)においては
特に指摘をされていない契約書様式
平成14年に、弊社を訪れた東京都生活文化局の担当者は、弊社の契約書を確認し
ておりそのときは表記内容のアドバイスをしただけであり、複写式に関しては一切
触れていない。
尚、東京都は今回の指示・勧告を発令する直前に、この平成14年の来社の際に
複写式の契約書についても指導をしたという主張をしているが、その時の指導内容
には契約書の書式への指摘は無く、その記録も残っておらず提示できないという
状況である。
すなわち「当時の担当者が、そのような指導を行ったのではないか」という憶測
に過ぎず、主観を事実として主張している事になる。
(2)クーリング・オフの申し立てに対して高額の違約金
東京都の主張では「消費者のクーリング・オフの申し立てに対し高額の違約金を請求
したり、訪問販売ではない旨を主張して解約を拒否する等して、契約の存続を強要する」
とあるが、下記においてその主張に矛盾点、及び相違点がある。
@そもそも「訪問販売」の定義があいまいである.
そもそも当社は特定商取引法に抵触するような販売形態をとっておらず、しかも
今回、当社で調査を行った結果、本件にて取り上げられた案件は「適用除外」に該
当する販売形態であることも判明した。
本件については、東京都だけに発生している事象であるため、他の都道府県や省
庁に見解を求めたが、その回答に差異が見られ「訪問販売」の定義が曖昧であると
言わざるを得ない。
また適用除外かどうかについても、はっきりとした定義がされていないように思
われる。
適用除外にあたる販売形態かどうかを明確に回答できない程度の東京都の担当者
が、この指示・勧告を決定している事は、誠に安易で無責任な体質だと言わざるを
得ない。
A「高額の違約金」の基準があいまい
顧客から「解約したら違約金はかかるか」の問い合わせに対して、基本的には約款
に基づいた違約金の説明をするのが当然ですが、お客様にとって、契約後に予算等
の都合でリフォームを断念せざるを得ない様な事態が起きないよう、内容の見直し
や、プランを変更することで、リフォームを断念しなくてもいいように、事情を聞
いた上で、相談にのる事がほとんどである。
違約金の支払いを強要する行為は工事を行っていないのにお金を要求する事であり
弊社の本業とすることろではない。
B弊社の約款にある違約金の額は高額ではないという司法の判断
前述の「誤認契約」を主張している5件の案件で、平成16年から司法の場で解決を
求めた案件の判決において「違約金として契約金額の40%未満を請求できる旨の
本件違約金条項は、通常のリフォーム業者に生ずべき平均的な損害を求めるもので
あり不当なものではない」(平成17年12月 東京地方裁判所)という判断が下され
ている。
このように弊社の規定する違約金は、総合的に判断して決して高額ではない事が
明確に証明されているが、過去弊社では基本的には話し合いによって解約の手続き
を進めており、全てにおいて40%の違約金を請求するものではない。
尚、この案件では前出の「複写式の契約書」を挙げて誤認契約を主張していたが
これについても、弊社の見積書と契約書の様式の形態では、契約書であることを消
費者に告げずに署名・捺印をさせたとの事実を認めることはできないという判決が
下されている。
これまで述べてきたように、今回の指示・勧告の根拠として挙がっている点についての
東京都の主張は、全く実態とはかけ離れたものとなっているが、それにも拘らず下記のよう
なコメントを付与してインターネット上に実名公開を行っている。
【東京都公式ホームページ(平成17年7月13掲載)より】
《事業者に関する苦情相談の概要》 ・ 東京都における相談件数は平成13年度以降、合計117件 ・ 相談における契約者の平均年齢は55歳、平均契約額は174万円 ・ 勧誘・解約に関するトラブル、見積もりに関するトラブルが多くを占める |
上記のコメントについて、真実をもとにすれば下記のようになるべきである。
《事業者に関する苦情相談の概要》 ・東京都における相談件数は平成13年度以降、合計で117件だが、同一の 人物が複数の相談を挙げているいる案件が6件あり、実数は111件で あるが、問題があるという可能性があるのは5件である. ※ 5年間で約20,000件を超す顧客を有する事業規模からすると非常に 少ないと思われる. ・上記で挙げた5件のうちの3件の契約者の平均年齢は55歳、同じく この3件の平均契約額は174万円と一般的なものである. ※この事業者の顧客全体の契約平均額は約50万円である. ・相談件数の大半は問い合わせ等であり、個々に話し合いにて解決できる 程度のものが多いと思われる. |
このように、実際の数字を正確に入れることで、全く違う印象を与えることになる。
3.最後に
これまで述べてきた事柄を総合すると、この処分がいかに不当、かつ不自然であるかが
ご理解頂けるかと思いますが、先にも述べた、弊社が平成16年から係争中であった案件(
前出の5件の中の1件)の相手方の弁護士が、東京都消費生活センターの担当弁護士である
ことや、その係争中案件の判決が出る前に、不自然、且つ性急に指示・勧告が出された
ことなどから、この弁護士による何らかの働きかけや、因果関係があるのではないかと
考えざるを得ません。
しかし弊社では、現在も創業から18年間一貫して変わらぬ本業である「リフォーム工事」
を主軸に事業展開を継続しており、この業界では先駆けとも呼べる「全店ショールームを完
備した店舗型営業」や、広告・宣伝の反響営業を中心に、また既契約者のリピート注文やご
紹介によって業績は順調に推移しており、また新たな店舗の展開も順調であり、平成16年に
は、この業界では初めてとなる、環境に関する国際標準ISO14001の認証も果して参りました。
もし我々が、東京都の主張にあるような悪質な商法を行っていたとするならば、現在の業績
を保つ事など到底不可能であったと思います。
また現在は、この指示・勧告によって当初の予定から大幅に遅延せざるを得なくなった取り組み
である新規株式上場計画の作業も、本格的に稼動を再開し、法令遵守の基本理念をもって万全の
対策を立て、全社一丸となって善処している次第です。
以 上