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(前列左より)成島出監督、平山秀幸監督、佐藤純彌監督、松田秀知監督
(後列左より)中西健二監督、行定勲監督、香月秀之監督
 11月19日、東京會舘にて東映の2010年配給作品ラインナップ発表会が開かれ、集まった監督・プロデューサーらが新作のプレゼンテーションを行った。振り返ってみれば今年も、多彩で個性的な作品群を発表し続けた東映。来年以降も、よりバリエーション豊かな注目作が揃っている。

 昨年の企画発表から2年続けての登場となった行定勲監督は、豊川悦司と薬師丸ひろ子が共演する新作『今度は愛妻家』を紹介。「ずっと作りたかった“ウェルメイドな大人の映画”ができた」と自信を覗かせ、“初のオカマ役”に挑戦している名優・石橋蓮司の演技など、密かな見どころもアピールしていた。

 大鐘稔彦の小説を映画化した『孤高のメス』でシリアスな医療ドラマに挑戦する成島出監督は、「原作にあったリアルな医療現場の描写に加え、子供を持った女性の視点など強調したいことを脚本に盛り込んだ」と語った。脚本家として高く評価されている監督だけに、その仕上がりが楽しみなところだ。

 志水辰夫の人気小説を映画化した『行きずりの街』も注目の1本。仲村トオルが約15年ぶりに“古巣”であるセントラル・アーツ製作作品に戻ってくるということで話題を呼んでいる。翳のあるヒロイン役に小西真奈美が挑戦し、阪本順治監督が描くハードボイルドタッチの大人の恋愛劇に期待が高まる。

 会の冒頭で東映の岡田社長が強調していた「安くておもしろい、安くて感動するものを」という点から見ると、『ソフトボーイ』が気になる作品だろう。本作は、県内にソフトボール部が1校もないことを知った男子高校生たちが、ソフトボールにのめり込んでゆくという、実話に基づいた青春ドラマで、監督は豊島圭介。派手なタイプの映画ではないものの、『怪談新耳袋 ノブヒロさん』や、TVドラマ「古代少女ドグちゃん」など、独特の演出で魅せる作品を数多く手がけてきた豊島監督の手腕に期待がかかる1本だ。

 ほかにも、佐藤純彌監督が「最後の映画という気持ちで取り組んでいる」と意気込みを見せた『桜田門外ノ変』や、ますます破天荒な世界が展開するという三池崇史監督の『ゼブラーマン2』など、映画ファンにはたまらない作品が多数待機中となっている。

この日、紹介されたのは以下の12本。
『今度は愛妻家』
『孤高のメス』
『必死剣鳥刺し』
『君が踊る、夏』
『桜田門外ノ変』
『花のあと』
『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイドMOVIE大戦2010 』
『交渉人 THE MOVIE』
『誰かが私にキスをした』
『ゼブラーマン2 ゼブラシティの逆襲』
『ソフトボーイ』
『行きずりの街』