警察庁は2日、09年の全国の交通事故死者数は9年連続で減少し、4914人(08年比241人減)となったと発表した。死者数が4000人台になったのは57年ぶり。事故の発生件数と負傷者数も5年連続で減少。警察庁は、シートベルトの着用者率の向上や悪質・危険性の高い違反に起因する事故の減少などが要因とみている。【千代崎聖史】
警察庁によると、09年の事故発生件数は73万6160件(08年比2万9987件減)、負傷者数は90万8874人(同3万6630人減)。死者数は過去最悪だった70年(1万6765人)の3割以下となった。一日平均死者数は13・46人で1時間47分に1人が死亡した計算になる。最多は12月28日の29人、最少は1月18日の4人。
飲酒運転による死亡事故(11月末時点)は264件(08年同期比13件減)で、1161件を記録した00年から9年連続で減少した。
死者数は1953年に初めて5000人を突破。70年まで増加傾向で、第1次交通戦争と呼ばれた。その後、信号機や道路標識の整備などで減少に転じ、79年には8466人に。だが80年代前半から再び増加傾向となり、88年から8年連続で1万人を超え、第2次交通戦争とも呼ばれた。
09年の都道府県別死者数は愛知が227人で最多、北海道218人、埼玉207人と続く。少なかったのは島根の33人、鳥取と佐賀の37人など。08年比で最も増加したのは長崎の27人、最も減少したのは愛知の49人。
警察庁の安藤隆春長官は「約半数は65歳以上の高齢者。総合的な事故防止対策を一層進めていきたい」とのコメントを出した。
毎日新聞 2010年1月3日 東京朝刊