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【社会】

2万円支給後…どこへ 公設派遣村200人戻らず

2010年1月8日 朝刊

 仕事や住まいのない人を対象に、東京都が無料で提供している労働者向け宿泊施設(大田区)の利用者約五百六十人のうち約二百人が、現金二万円を交通費や食費として受け取った後に外出し、戻っていないことが七日、分かった。

 都は同施設を五日から十八日まで、住まいがない人に職探しの拠点として提供。六日午前、施設外での求職活動などを希望した五百四十二人に、二週間分の交通費や食事代として一人あたり二万円、計千八十四万円を一括支給した。

 当初は一日ごとに渡す予定だったが、作業に時間がかかるため、一括支給に変更した。

 領収書の提出や交通手段の報告が条件で、使わなかった分や目的外で使った場合は、退所時に返してもらうことになっていた。

 ところが七日午後八時の時点で、施設内で確認できたのは三百五十六人。二百一人は連絡がないまま戻っていないという。

 利用者の身元は自己申告で、連絡を取る手段はない。都の担当者は「基本的に外泊は認めていないが、外泊するなら、連絡するのが常識。大変残念だ」と話している。

 都は国の要請で、国立オリンピック記念青少年総合センター(渋谷区)に先月二十八日に「公設派遣村」を開設。その後、希望者は今月四日に都が手配した複数のカプセルホテルに一泊し、五日から同施設に移っていた。支給した二万円を含め運営費用は全額国費でまかなわれている。

 

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