山田直、Ｊ開幕絶望的…右ひ骨亀裂骨折全治４か月

　【サヌア（イエメン）７日】アジア杯予選・イエメン戦（６日、３―２）から一夜明け、日本代表は帰国の途についた。イエメン戦前半２１分に途中交代したＭＦ山田直輝（１９）は、右ひ骨亀裂骨折と診断された。関係者によると全治４か月だという。２５日からの指宿合宿参加は不可能となり、南ア行きも厳しくなった。

　トップ下で先発した山田直は、前半１７分に相手ＤＦのスパイクの裏側を見せる悪質なタックルが右足にめりこんだ。「後ろから来ているのは見えたけど、まさかあのタイミングでタックルに来るとは思わなかった」。試合後、サヌア市内の病院でエックス線撮影などの診察を行った。「骨折なので多少なりともかかるが、変形などはしていなので個人的には手術は必要ないと思う」と、代表ドクター。帰国後に浦和のドクターが再検査をする。

　山田直は昨年５月のキリン杯にサプライズ招集を受け、同２７日・チリ戦で歴代４位の若さで代表デビュー、初アシストも記録。岡田監督から高い評価を得た。だが、直後に右でんぶ肉離れで離脱。その後、浦和での無理な起用がたたって、負傷を繰り返した。ようやく１２月に全快。今メンバーに選ばれたことで、フル代表復帰が見えたばかりだった。

　政情不安のイエメン遠征に備え、１２月３０日には家族で成田神社にお参り。「身代わり守り」を購入して旅の安全を祈願したが、悲劇はまた、起こった。「日本で何年やっても味わえないことが経験できた。マイナスには考えたくない。Ｊ開幕に間に合うようにしたい」。１６７センチの童顔ＭＦは気丈に話し、松葉づえをついて帰国の途についた。