小惑星に衝突体、クレーター=はやぶさ2、14年にも−計画案概要固まる・宇宙機構
1月7日20時40分配信 時事通信
小惑星探査機「はやぶさ」の後継機は、爆薬を詰めた衝突体を小惑星に突入させ、小さなクレーターを作って内部試料を採取する見通しとなった。衝突体の突入は、米国が彗星(すいせい)や月で行った例があるが、小惑星では世界初となる。計画案の概要が固まり、宇宙航空研究開発機構の準備チーム長、吉川真准教授が7日、同機構相模原キャンパスで開かれたシンポジウムで発表した。
この「はやぶさ2」は、早ければ2014年に種子島からH2Aロケットで打ち上げられる。目標は、はやぶさが探査した「イトカワ」と同様に軌道が地球と火星の間にあるが、有機物が多い別タイプの小惑星「1999JU3」(直径約1キロ)。18年6月に到着して1年半、観測と試料採取を行った後、20年12月に地球に帰還、試料入りカプセルをオーストラリアの砂漠に落下させる。
2号機の本体は、1号機で故障した姿勢制御装置などを改良するが、ほぼ同じ設計。衝突体は直径約20センチ、重さ10キロ程度の円筒形で、小惑星の上空数百メートルからゆっくり投下。本体回避後に爆発させ、ふたが変形した金属塊を秒速2〜3キロの超高速で地表にぶつけて、直径2〜7メートルのクレーターを作る。
1号機は世界で初めて小惑星への離着陸に成功し、岩石の集合体であることを解明したが、計画通りの試料採取ができなかった。2号機は確実に試料を採取し、地球の海や生命のもととなった物質を探る。製造費は1号機(127億円)を小幅に上回る程度を見込み、予算確保を目指す。吉川准教授は「『JU3』は欧米も探査を検討しているが、はやぶさ2はその予算の3分の1で実現できる。最初の打ち上げ機会を逃すと、次は24年ごろになり、技術が蓄積されたチームがばらばらになってしまう。すぐにでも着手したい」と話している。
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最終更新:1月7日22時45分
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