楽天・田中将大投手(21)が6日、今秋ドラフトの目玉である早大・斎藤佑樹投手(21)に対抗心を燃やした。プロ3年にして日本球界を代表する右腕となったマー君だが、同年代の総称がいまだに「ハンカチ世代」と呼ばれていることに不満げ。今季は同年代を圧倒する成績を残すことはもちろん、あらゆる手段を使って“ハンカチ”の壁を突き破ることを宣言した。
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実は気になっていた。マー君がこれまで胸の内に隠していた“悩み”を、告白した。「新聞ではまだ“ハンカチ世代”じゃないですか。僕じゃないです」。「ハンカチ世代」と呼ばれる同年代について、笑みを浮かべ、冗談めかせながら本音を口にした。
斎藤は06年夏の甲子園決勝で激闘を演じた、かつてのライバル。延長再試合の末、斎藤率いる早実に敗れ去った。当時、斎藤がマウンドで使用したハンカチが話題となり、爆発的なブームに発展。斎藤は「佑ちゃん」、田中は「マー君」の愛称で親しまれ、いつしか「ハンカチ世代」と呼ばれるようになった。
あれから3年。マー君はプロの世界で、球界を代表する右腕へと成長。同年代では間違いなくトップに君臨した。だが、世間ではいまだに「ハンカチ世代」。「マー君世代」や、「田中世代」だっていい。自分が冠になるはずなのに…。「これだけやっても駄目なのか。どうやったら自分の名前に変えられるのかなあ」とつぶやいた。
今オフは斎藤を含め、豊作といわれる同年代が大学を卒業し、プロの道へ進んでくる。嫌でも新聞の見出しに「ハンカチ世代」の文字が躍る。これを何としても阻止したいマー君は「僕がバンダナでも巻いたら変わりますかね」とニヤリ。もうやけっぱちだ。
「プロにも坂本(巨人)も前田健(広島)もいるし、負けたらいかんと思ってます。自分がトップでいたい」と、語気を強めた。プロ3年間で、マスコミへのリップサービスも格段に成長した。負けず嫌いは半端じゃない21歳。いつか必ず「マー君世代」と呼ばせてみせる。