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日本ボクシングコミッションの2009年の年間表彰選考会が6日、都内で行われ、WBC世界バンタム級王座のV10に成功した長谷川穂積(29)=真正=が2年連続4度目の最優秀選手(MVP)に選出された。1、1、4回で仕留めた試合内容が評価され、2年連続でKO賞も獲得するダブル受賞。防衛か、階級転向か、注目される動向については今月中に結論を出す予定だ。表彰式は27日、東京ドームホテルで行われる。
当然に思えるMVP連続受賞も、本人にとっては意外だった。仕事先の都内で吉報を耳にした長谷川は「2年連続で取れるとは思っていなかった」。3試合を計6回で終わらせても、史上2人目の2ケタ防衛を達成しても「まだ次がある」。さらなる高みを見据えるからこその言葉だろう。
通算4度目は、国内初の世界王者・白井義男氏、V13の国内防衛記録を持つ具志堅用高氏の5度目に次ぐ快挙。多くの記録同様、またも「2位」の勲章に「単独1位じゃないと意味ない。MVPはおまけ。こだわりすぎるといいことがない」と笑った。そんな王者の冷静さとは裏腹に、昨年の3試合の中身は圧巻だった。
09年のKOショーの幕開けは3月のV8戦。難敵と言われた指名挑戦者ブシ・マリンガ(南アフリカ)から初回に3度のダウンを奪えば、V9戦は4位ネストール・ロチャ(米国)を148秒で仕留め、同級世界初の2戦連続初回KO防衛。節目のV10戦は9位アルバロ・ペレス(ニカラグア)を4回に左で沈め、昨年度に続くKO賞を文句なく受賞した。
気になるのは今後の動向だ。スーパーバンタム、フェザー級への転向か、防衛記録への挑戦か。王者は「(転向は)相手がいなければどうしようもない」と話し、山下正人会長(47)は「1月中に方向性を出す」と明言。本人がタイトル戦にこだわるだけに、各王者の動きをにらみながらの決断になる。
一つの材料になりそうなのが、11日に観戦予定のWBA世界スーパーバンタム級世界戦(有明ビッグサイト)。1階級上のパワーを生で感じることで、揺れる胸中に答えは出るのか。「最高の1年やったけど、今年はさらに最高の年にしたい」。2010年も最強チャンプから目が離せない。
(2010年1月7日10時21分 スポーツ報知)