2010年春の労使交渉で、主要労組が賃金改善を要求しない流れが強まってきた。電機や鉄鋼大手に続き、三菱重工業、IHIなど大手重工7社も賃金改善要求を見送る見通しとなった。自動車各社の労組でつくる自動車総連は18日、統一要求を見送る執行部案をまとめた。労組側は定期昇給に相当する賃金カーブ維持や雇用確保に要求を絞り込む。しかし経営側は厳しい経済環境のなかで、定昇にも慎重な姿勢。厳しい交渉になる可能性がある。
自動車総連は過去2年の交渉では賃上げ要求を金額で示したが、10年交渉では一転。賃金カーブ維持分の確保を最優先する方針だ。09年交渉では、1人当たり月4000円以上の賃金改善を要求した。10年は一時金について年間5カ月以上を基本に、最低限今年の獲得実績以上とする案をまとめた。(19日 08:21)