池田信夫 blog

Part 2

2009年04月20日 00:23
Economics

受け継がれない教訓

Mankiwがマイナス金利を提案している。ところが奇妙なことに、ゲゼルやケインズの名前を出しているのに、クルーグマンの1998年の論文には言及しないで「バーナンキはインフレ目標論者だから、それをやればいい」という。人為的インフレ論を新たに発見したような書きぶりで、日本で10年前から論争が行なわれてきたことも、クルーグマンがそれを撤回したことも知らないようにみえる。

これが英米人の日本に関する平均的な認識なのだろう。「日本の失われた10年に学べ」などとリップサービスはしても、読むのは英語の文献だけだから、マーティン・ウルフは地底人の話を鵜呑みにして「バラマキ財政が日本を救った」などと書き、クルーグマンはさらにそれを受け売りする。ロゴフに至っては「中央銀行が紙幣をどんどん印刷すればインフレが起こる」と信じられない提案をするありさまだ。

私の知るかぎりでは、日本人がこの問題について英語でまとまった情報を提供したのは、先月のブルッキングスのシンポジウムぐらいだ。その議事録を読んでも、アメリカ人が地底人の話を何度も引き合いに出し、竹中平蔵氏がそれを打ち消すのに苦労している。他のアメリカ人も「消費税の増税が景気の腰折れをまねいた」などという俗説をいまだに信じている。

学問的な論文としても、いまだに包括的な実証研究はHayashi-Prescottぐらいしかなく、一般向けの英文の解説は地底人の本だけだ。白川総裁もいうように、アメリカの混乱した不良債権処理はますます日本に似てきたので、日銀が90年代の教訓と政策論争を英文でまとめて、ウェブサイトに発表してはどうだろうか。

私も微力ながら、英文ブログでMankiwへの疑問を書いた。「失われた10年英訳Wiki」でもやるか・・・

追記:やはりKrugmanがこうコメントした。二転三転してはいるが、無理だというのが結論のようだ。
And again, the inflation commitment has to be credible. So I don’t think we’re ready for this, not yet.

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コメント一覧

  1. 1.
    • sameike
    • 2009年04月20日 02:19

    こんな本もあります
    IMFが99年に出した本があります。
    http://www.amazon.com/Post-Bubble-Blues-Japan-Responded-Collapse/dp/1557758727/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1240161124&sr=8-2
    ただ99年出版なので失われた15年の総括とは言えないかもしれません。
    日本の経済学者はとにかく英語での発信能力が低すぎるのではないでしょうか?だからリチャード・クーのように英語で発信できるだけで差別化できてしまうということだと思います。
    経済学ランキングでも日本の大学が100位にも入らないというのもまさに英語の発信能力の問題ですよね。
    経済学者に限らず英語での受信発信能力が低いことがどれだけ今の世界情勢で不利かと自分の自戒もこめてつくづく感じます。

  2. 2.
    • ぽえぽえ
    • 2009年04月20日 04:38

    直接メール?
    池田さんがメールで直接Mankiwさん宛てに注意を促すとかはどうでしょうか。NYTのアカウントをもっていれば、記事の著者へ直接メールもできるはずだと思います。
    ブログでコメントとかトラックバック受け付けてないと、こういうときに不便ですね。

  3. 3.
    • ひろ"ゆ"き
    • 2009年04月20日 06:33

    金融市場という賽の河原で石を積む
    >日銀が「インフレ目標」を掲げればインフレが起こる
    >バーナンキが「インフレ目標」に言及したと喜んでいる向きもあるが、この程度のゆるやかな目標なら、日銀も「物価安定の理解」として公表している。
    >バーナンキやクルーグマンがかつて主張したのは、デフレ状況で日銀が「インフレにするぞ」と言ってめちゃくちゃに通貨を供給すればインフレが起こる、という人為的インフレ政策である。
    >今そういう愚劣な主張をしている経済学者は、日本以外にはいない。
    >実質金利が自然利子率を下回っているとき、日銀が行なったゼロ金利や量的緩和は、結果的には円キャリー取引を誘発して、アメリカの住宅バブルを促進した。
    >バーナンキが行なっているリスク資産の購入も、過大なリスクテイクによってFRBが巨額の損失をこうむると、金融システムへの信頼が崩壊するおそれがある。
    日本の金融当局がこの10年間に行ったことはバーナンキ氏やクルーグマン氏らがかつて主張したことを実行したのです。
    その「日銀が行なったゼロ金利や量的緩和は、円キャリー取引を誘発して、アメリカの住宅バブルを促進し、(今の100年に一度と言う)」世界的な金融危機を誘発しました。
    >Mankiwがマイナス金利を提案している。クルーグマンの1998年の論文には言及しないで「バーナンキはインフレ目標論者だから、それをやればいい」という。
    >人為的インフレ論を新たに発見したような書きぶりで、日本で10年前から論争が行なわれてきたことも、クルーグマンがそれを撤回したことも知らないようにみえる。
    それはバーナンキ氏やクルーグマン氏の「金融政策」の日本における失敗、を欧米人たちは知らないと言うことでしょうか?

  4. 4.
    • pk-uzawanian
    • 2009年04月20日 09:16

    日本人が永遠に道路を作り続ければ、諸外国は安心だし、朝日新聞も市民も文句を言わない。
    失われた10年の本質が理解されないようにすることも、対日戦略の重要な柱です。
    戦前の日本がなぜ滅びて、戦後の日本がどう形成されたか?と同様に。

  5. 5.
    • pk-uzawanian
    • 2009年04月20日 12:08

    日本と米国は歴史も文化も資源も違う国なので、問題も違っていると思います。
    米国の問題は、戦略の歴史的な行き詰まりだと思います。広大な領土を持つ軍事国家として、世界的に軍事力を展開し、北米では防御力のある分散型の資産形成を実現しようとしていることが、経済の要求する効率性と両立しなくなってきていることです。輸送の分散化が自動車文化であり、情報の分散化がインターネットです。エネルギーの分散化がスマートグリッドですが、これらを現実の資産として実現するには膨大なお金が必要で、実際にはうまくいかないのです。
    日本の問題は、成長が止まった局面にあることを受け入れていないことです。さらに、米国から強い束縛を受けているので、それへの適応を阻害されている面もある。人口の縮小以上に需要構造が急速に変化しているのに企業が追いつけない。縮小と拡大が同時に起きる局面は、拡大だけの高度成長期より適応にはもっと難しい

  6. 6.
    • ひろ"ゆ"き
    • 2009年04月20日 12:43

    竹中平蔵氏
    竹中平蔵氏によると日本の法人税を現在の40%から香港並みの20%にすれば国内産業の流出を止め、各国から企業を誘致することが出来るそうです。
    >耄碌爺氏
    >法人税は累進課税ではなく、定率税です。いかに利益をあげている企業でも事業税と合わせて5割以上の税金を取られることはありません。
    >フランスでは零細企業の法人税は選択制で利益に関係なく一定の金額(確か40万円位)又は日本と同様、定率の利益に比例した税金、の好きな方を選べます。日本でも検討の余地があります。
    是非とも法人税を減税して、新規の企業家が続出して欲しいものです。
    >私の住む大田区には大勢の中国人が住んでますが、彼らの企業家精神はたいしたものです。食堂、指圧等2-3年で店をどんどん増やしていきます。
    >一般のサラリーマンとして日本で働けないのでリッチになるには自分で起業するしかないのです。
    >退路を断たれれば人は彼らのよう底力を発揮するはずだが日本人は諦めるだけなのが残念だ。
    そうですね、日本人は戦前・戦後に様々な国々に移民として移り住んでゆきましたね。
    その事を題材にした、『蒼氓』などを著した石川達三のエッセーを思い出しました。
    「アメリカに移民した中国人は"チャイナタウン"を形成したが、日本人はタウン・町に及ばない"リトル・トーキョー"しか造れなかった。
    中国人は同胞を自分の兄弟だ、甥だと言ってかの地に同族を集め寄せ、店を任せ大いに繁盛した。たが、日本人は同じ移民の同胞の成功を妬んで、当局に通報した。
    アメリカ人の官憲は日本人の行動を不思議に思った。…」

  7. 7.
    • 池田信夫
    • 2009年04月20日 19:02

    続き
    Mankiwがフォローしています:
    http://gregmankiw.blogspot.com/2009/04/observations-on-negative-interest-rates.html
    マイナス金利を弁護するのに懸命で、インフレ目標はちゃんと考えてないようです。これはマクロ経済学者としては、いかがなものでしょうか。これはWoodfordなども議論しており、理論的にも重要な問題です。
    今後、アメリカで「リフレ論争」が始まる可能性もありますが、くれぐれも日本の不毛な論争の再放送は避けていただきたいものです。

  8. 8.

    微力ながらtwitterで紹介
    実は10日前くらいからtwitterを始めたのですが、何故か外国人と思しき人たちが、フォローを始めています(おそらく、ブルームバーグ等の記事をそのまま英文で貼り付けたのと、小生のHNが日本人らしくなかったため)。
    先ほど、Truth about Japanの記事を、勝手ながらtwitterでご紹介しました。
    彼の地で多くの人が読んでいただければいいのですが。

  9. 9.
    • 池田信夫
    • 2009年04月21日 12:37

    経済教室
    きょうの日経の「経済教室」で、翁邦雄氏がクルーグマンの主張の揺れについて私とよく似た指摘をしています(もっと紳士的だけど)。ブログの引用も「ジンバブエ」の話まで含めて、偶然の一致とは思えないほど同じ。
    まぁこれが常識的な見方だということでしょう。「クルーグマン=民主党=正義の味方」「マンキュー=共和党=悪党」という貧しい図式でしか物を見られない「素人」の弁護士にはわからないだろうけど(笑)

  10. 10.

    勝手連は続けます
    日経、経済教室も拝見(小生ブログでもご紹介)しました。
    残念ながら、英文ブログコメントも来ませんね。
    ただ、くじけず情報宣伝を微力ながら続けたいと思います。それくらいしか、日本が貢献できそうなことが無い。

  11. 11.

    タレブのtwitterにも呼びかけ
    すいません、勝手にやってますが、タレブのtwitterがあるようなので、読んでよ(英文ブログを)と呼びかけました。

  12. 12.
    • bobby
    • 2009年04月22日 16:00

    Re:竹中平蔵氏
    香港に移住して20数年の「現役移民」です。ひろ"ゆ"き氏に同意します。
    >是非とも法人税を減税して、新規の企業家が続出して欲しいものです。
    日本は上海や北京よりも経済インフラが整っているので、東アジアのヘッドクォーターを置く場所として悪くないと思います。但し、行政の透明性は香港やシンガポールよりもかなり低いですけどね。

  13. 13.
    • 極楽蜻蛉
    • 2009年04月22日 16:45

    英語の問題だけではない
    アメリカの経済は、全人口の2%で牛耳られていると言われます。アメリカでの経済学は、後付の学問でその政策は、2%の為にあるようです。
    国別のビリオネイヤーでは、アメリカが359人でダントツ。日本は17人で、香港や中国、インディア、ロシアよりも少ない。(ウィキペディア参照)http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_countries_by_the_number_of_billionaires
    つまり、お国の事情が違うでしょうって。貧乏人の国の政策がお金持ちのお国の政策の対象にはならないんじゃあないですか。
    今日耳にしたニュースでは、AIGやら多くの税金で助けられた会社が今年の3ヶ月間にロビー活動にエライ金を費やしたと報道されていました。アメリカのビジネスには、道徳がないのですよ。しかも、不思議でしょうが、計算が実は、出来ない普通の人は。
    でも、もう、その2%の人達は、自分達が株で失った分を取り戻す事に動いているようですから、景気は、上向きになるようです自分達の為に。

  14. 14.
    • 老耄爺
    • 2009年04月22日 18:43

    人口2%の米国経済
    米国の政治が2%の金持ちのためのものかは多いに疑問があります。私は仕事で多くの米国人との付き合いがありましたが、福祉、社会保障、教育等で白人は黒人に搾取されていると主張する人(白人)が非常に多かったです。
    一歩譲って金持ちの政治だったとしても、一般の人は日本人と違って金持ちに対して妬みや嫉みの対象ではなく、アメリカンドリームを体現したヒーローとして尊敬の対象になっています。自分達がビリオンネアになる確立は低くとも彼らをロールモデルとして頑張り実際に起業する人も日本よりはるかに多いのです。
    日本人とアメリカ人ではお金に対する考え方が全く違い、お金は自分で稼ぐものだと言うことを子供のときから徹底的に教え込まれ、お金は穢れたものだという
    少なからず日本人が持っている観念はありません。
    私は日米の金に対する考えの違いにカルチャーショックを受けたことがあります。私の親しいセールスエンじニア(白人)がクリスマスプレゼントとして11歳の息子におもちゃの金属探知機を贈ったというのです。おもちゃではあるが本物に近い性能があり自宅の直ぐ近くの海岸で海水浴客が落としたコインを回収できる。おもちゃは数十ドルしたが一月でもとは取れるだろうと言ってました。
    >アメリカのビジネスには道徳がない
    目くそが鼻くそを笑う類です。
    米国にはビルゲイトやウォレン.バフェットのように数兆円の私財を慈善事業に投げ出す人がいます。

  15. 15.
    • pk-uzawanian
    • 2009年04月22日 19:26

    コントロールしたい国のエリートを自国に呼んで教育するところが米国・英国の凄いところです。
    米国に対する客観的な批判精神がマヒしてしまうんですね

  16. 16.
    • 老耄爺
    • 2009年04月22日 19:40

    人口2%の米国経済
    米国の政治が2%の金持ちのためのものかは多いに疑問があります。私は仕事で多くの米国人との付き合いがありましたが、福祉、社会保障、教育等で白人は黒人に搾取されていると主張する人(白人)が非常に多かったです。
    一歩譲って金持ちの政治だったとしても、一般の人は日本人と違って金持ちに対して妬みや嫉みの対象ではなく、アメリカンドリームを体現したヒーローとして尊敬の対象になっています。自分達がビリオンネアになる確立は低くとも彼らをロールモデルとして頑張り実際に起業する人も日本よりはるかに多いのです。
    日本人とアメリカ人ではお金に対する考え方が全く違い、お金は自分で稼ぐものだと言うことを子供のときから徹底的に教え込まれ、お金は穢れたものだという
    少なからず日本人が持っている観念はありません。
    私は日米の金に対する考えの違いにカルチャーショックを受けたことがあります。私の親しいセールスエンじニア(白人)がクリスマスプレゼントとして11歳の息子におもちゃの金属探知機を贈ったというのです。おもちゃではあるが本物に近い性能があり自宅の直ぐ近くの海岸で海水浴客が落としたコインを回収できる。おもちゃは数十ドルしたが一月でもとは取れるだろうと言ってました。
    >アメリカのビジネスには道徳がない
    目くそが鼻くそを笑う類です。
    米国にはビルゲイトやウォレン.バフェットのように数兆円の私財を慈善事業に投げ出す人がいます。

  17. 17.
    • 横ヤリです。
    • 2009年04月22日 19:57

    Re:人口2%の米国経済 (老耄爺)
    あら~、このブログにふさわしい面白いやり取りになってますね。
    横ヤリを入れてみました。
    >米国の政治が2%の金持ちのためのものかは多いに疑問があります。
    そうでしょうね、アファーマティブアクションのその後とか読んでいてそう思います。
    しかし政治がそれだけ弱者の面倒をみても、格差は拡大し続けていて、
    今のアメリカは「日本の10倍病んでいる国」という印象はあります。
    >アメリカのビジネスには道徳がない
    >目くそが鼻くそを笑う類です。
    >米国にはビルゲイトやウォレン.バフェットのように数兆円の私財を慈善事業に投げ出す人がいます。
    池田さんも昔書かれてたことだけど、
    ビルゲイツが本当にいい奴なら、OSを全部フリーでダウンロードできるようにするでしょうね。
    それがビルゲイツが、人類に対して出来る最高の慈善事業(笑)

  18. 18.
    • bob
    • 2009年04月22日 20:04

    >>老耄爺様
    「お金は穢れたものだという少なからず日本人が持っている観念」
    私は以前「[高校生の経済学] 経済学の10大原理」のエントリーのコメント欄で
    「日本には「合理的思考=機械的=冷たい、情緒的=人間的=優しい」というバイアスがあるように感じます。」
    と書きました。しかし、自分自身表現に納得がいかなかったのであれから考えた結果、少し変わりました。
    おそらく日本には「経済的合理性=商人的思考=卑しい、超合理性=侍的思考=高潔」という思考のバイアスがあるのです。この場合の「超合理性」は「とても合理的」という意味ではなく、「合理性を超えた倫理性」くらいの意味です。
    ただ元々のこの超合理性は「自分の利益を顧みず、社会に奉公する」という自己を律する個人の倫理であったのが、明治維新後民衆に広まる過程でムラ社会的な閉鎖性と結びつき「お前も自分の利益を捨て社会に奉公すべきだ」という他者を束縛するルールに変容していったのでしょう。「社会」の部分を「会社」に変えたものは日本ではよく耳にします。
    「 米国の政治が2%の金持ちのためのものかは多いに疑問があります。私は仕事で多くの米国人との付き合いがありましたが、福祉、社会保障、教育等で白人は黒人に搾取されていると主張する人(白人)が非常に多かったです。」
    「福祉、社会保障、教育等で白人は黒人に搾取されていると主張する人(白人)が非常に多かった」のは「米国の政治が2%の金持ちのためのもの」でないことの反証どころかむしろ証左であると感じます。「希望を捨てる勇気」のエントリーでも話題になっていましたが、絶望した者はゲーム盤をひっくり返す革命者となる危険があります。なので最下層を絶望させないよう最下層からは搾取せず、中間層もしくは下層から搾取しその一部を最下層の保護に回すのです。そうなると最下層は弱者であることに甘え、中間層下層はその甘える最下層を憎むようになります。本来の搾取者である支配者の地位は安泰です。現在の日本もこれに近づきつつあります。中間層下層と最下層を反目させるのは古今東西あらゆる文明で見られる支配者の支配テクニックだと思います。

  19. 19.
    • ひろ“ゆ”き
    • 2009年04月22日 20:26

    横ヤリへのタテ盾
    >池田さんも昔書かれてたことだけど、ビルゲイツが本当にいい奴なら、OSを全部フリーでダウンロードできるようにするでしょうね。
    >それがビルゲイツが、人類に対して出来る最高の慈善事業(笑)
    私がつけたレスを思い出してしまいました。
    「(引用始め)
    >>俺なら情報の共有なんて前提にさせないな。ビジネスにならんでしょ。だから大昔からコピーガードとかやってんじゃん?それをもう古い時代は共有とか言われたら誰もコレで商売しなくなるって。MSがWindowsをタダにするか?
    >>俺なら情報の共有なんて前提にさせないな。
    "情報"を囲い込むのか、それとも拡散させて行きその分野でのインフラとしビジネスの種とするのか?
    確か、MSは自社OSをタダで配っていた時がなかったっけ?
    >>MSがWindowsをタダにするか?
    XpからVistaへの移行が進んでなくて、今もOSにXpが載っているパソコンが売られている。
    私(ひろ"ゆ"き)はリアル土方なのでXpのほうが使い勝手がいいし、自分の仕事ではVistaはオーバースペックだ、と考える。
    OSはパソコンの"インフラ"だから、高速道路料金が下がる方向にあるように、そのコストを意識しない方向に向かうだろう。
    しかし下がった高速道路料金の何割かは税金から補填されるように、MSが提供するWindowsという"インフラ"にも何らかの形で支払いがされるべきであろう。
    (引用終り)」
    >それがビルゲイツが、人類に対して出来る最高の慈善事業(笑)
    横ヤリです。さんはビリオンネアたちにまず第一に、倫理をお求めになられる方、なのでしょうか?

  20. 20.
    • 老耄爺
    • 2009年04月22日 20:57

    格差は悪か
    米国には不法移民だけで1190万人いる(2008年の統計、エコノミスト誌)、毎年増える一方である。従って底辺の労働者の収入は減ることはあっても増えることはない。これが米国の格差拡大の主要要因である。不法、合法移民の収入は移民前の10倍以上になっているのでグローバルにみれば米国は格差縮小に一番貢献している。
    ビルゲイツが億万長者になったのは同じ大きさのパイの彼の取り分を他人の犠牲の上で多くしたのでなく、新しいパイを彼が作りだしたからだ。格差はパイの大きさが同じで金持ちの取り分が大きくなる一方の時、問題なのであって、パイの大きさが大きくなる時は大きくした人が全部とっても文句はいえない。
    ビルゲイツがOSを無料にしたらOSの付加価値は広く薄く万人に分配されるだろう。だが万人から徴収したその分の税金の使われ方はビルが自分で管理している慈善団体の金の使われ方よりはるかに高率が悪いだろう。私は日本を含めた全世界の税金の使い方をビルゲイツに一任したい。
    CNNのオーナーであったテッド.ターナーは数年前、数千億円を国連に寄付した。ビルはターナーより頭が良い。それ故、ウォレン.バフェットもビルに寄付金の運用を任せたのだろう。

  21. 21.
    • pk-uzawanian
    • 2009年04月22日 21:35

    米国が正義の下に紛争や戦争をやって、その地域の民族が伝統的にもっていた自己経営能力を失うと、人口が爆発する。しかし平和が続くと人口は抑制される。
    はっきり言って、アングロサクソンの歴史的な罪は重いと思う。
    寄付や施しは、共同体による構成員の救済とは違う。
    個人の視点からの選別が行われるので、必ず漏れがでるし、継続的でなく、完結しない。
    アングロサクソンが覇者として良く統治し平和を保つなら世界は良くなるだろうが、今回のこれではどうしようもない。

  22. 22.
    • 極楽蜻蛉
    • 2009年04月23日 13:34

    見る高さが違うのでしょうね
    大学院のクラスで他の白人の生徒の前で英語で直答出来なかった為にDean of the Studentsの白人教授に嘲笑され、ドミノシュガーの創立者のコネチカットのグリニッチの家に住んで、病院のハウスキーパーとして学校の合間に黒人と一緒にトイレを掃除し、シカゴ大学やノースウエスタン大学のMBA生を日本にインターンシップで送るプログラムを担当し、中近東の親戚があり、日本の一部上場某有名企業で、メキシコの工場で仕上げをさせ、NAFTAでアメリカにまた持って来て、白人、メキシコ人、黒人、アメリカンインディアン等々の従業員と仕事をした経験から池田氏のブログへの私のコメントです。
    つまり、アメリカの大学の質は、世界一と自負し、ノーベル賞は、雨のようにアメリカの教授が授与する国が、かってoccupiedしたイエローの国から学ぶ事などありえ無いって思っているのだと思うのです。小澤征爾とヨーヨーマの対談さえ、色の話で画面をオフレコにしなければならない国なんです。

  23. 23.

    マンキュー氏のブログ
    マンキュー氏のブログ↓とCaluculatedRiskで同じ動画が(お笑い替え歌)が取り上げられてました。
    http://gregmankiw.blogspot.com/2009/05/inflation-or-deflation.html
    インフレなのか、デフレなのか?
    ジンバブエになるのか、日本になるのか?
    聞きたいのはマンキュー氏自身とか(笑)。

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