市橋被告が仕事を探して立っていた通り。紙袋を一つ持っていたという=大阪市西成区、丸山写す
じつは同社では過去にも作業員の偽名が発覚し、元請け会社から取引を停止されたことがあるという。だが役員は「身元確認を厳格化したら人が集まらず、事業が立ちゆかない」と明かす。
大阪府中小建設業協会は加盟社に対し、保証人を立てるなど、身元が明らかな作業員を雇うよう指導している。協会の岡野三郎会長(81)は「今は労働法制も整備され、使用者の責任も厳しく問われる」と話す。
大阪府内の別の建設会社社長は「西成の労働者は高齢化している。経験や技術がある30〜40代の人を集める上でも身分確認でハードルを上げるわけにはいかない」と話す。指名手配された容疑者のポスターを社内に張るなど、犯罪者が居着かないような環境作りが必要だとしている。(丸山ひかり)