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個人がWebサービスを売却する時代?「けんすう」氏から聞く6つのサービスを売却した経緯

2010年01月06日 原田
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個人メディアの売却が増える?

ここ数年、個人で運営するWebサービスが増えてきた。それから起業に繋がり大きくなったメディアもあるが(最たるものがグリー)、十分な収益化には結びつかず、停滞しているメディアもある。

個人運営だと、メンテナンスやサポートに時間が取られ営業するにはマンパワーが足りないという問題に直面しがちだ。そして個人運営のメディアは停滞しがちとなる。

けんすう氏に聞く「Webサービスの売却」

そこで、今回は「個人がWebサービスを売却する方法」について考えてみたい。

今までいくつもの個人メディアを売却してきた株式会社ロケットスタートの代表取締役、古川健介(けんすう)氏にお話を伺った。

売却先メディア

古川氏は、これまで以下の6つのメディアを売却(計:1億18万9800+α円)してきている。

livedoor したらば掲示板 : 無料レンタル掲示板

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売却先:株式会社ライブドア
売却金額:1億円

したらばは、2ちゃんねる風の掲示板を自分で運営できるサービス。

ミルクカフェ – 大学受験・予備校掲示板

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売却先:株式会社サイブリッジ
売却金額:非公開

ミルクカフェは受験生を中心とした学生向けの掲示板サービス。

ゆるゆるプロフ型掲示板 – ミルフィール -

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売却先:株式会社サイブリッジ
売却金額:非公開

マイページに掲示板を所有しながら交流を図るコミュニティ。

ideami – アイデア共有サイト

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売却先:ミクル株式会社
売却金額:10万円

ビジネスアイデアを放流するサイト。

萌えBBS-萌え画像と掲示板-

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売却先:永上裕之(「非モテSNS」や「pimote」の管理人)
売却金額:0円

萌えに関する掲示板。

図でわかるドロップシッピング

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売却先:永上裕之(「非モテSNS」や「pimote」の管理人)
売却金額:89,800円

ドロップシッピングの紹介サイト。

経緯

古川氏によると売却の経緯は以下のようだ。

したらばの場合

時は2004年。古川氏が就職活動中にさかのぼる。

ライブドアへの面接時に「メディアを持っている」と古川氏が話をした。すると面接官が「いくらで売る?」と聞いてきた。そこで回答した金額が実際の売却金額になったそうだ。

» 参考:ライブドア、「JBBS@したらば」を1億円で取得

ミルクカフェ、ミルフィールの場合

サイトの閉鎖をWeb上で表明した。

それに対して複数の企業から問い合わせがきた。その中でサイブリッジを選んだのは「一番早く問い合わせがきた。そして、やりとりがスムーズそうだった」からだった。

» 参考:「閉鎖のお知らせ」と「譲渡先決定のお知らせ

ミルフィールもその経緯の一環となる

» 参考:「「ミルフィール」を事業譲受に関するサイブリッジのリリース

ideamiの場合

ideamiの場合は、twitter上で売却の話を出したところ、ミクルから問い合わせがあり、売却に繋がった

» 参考:「きっかけとなったtweet」。

萌えBBS、図でわかるドロップシッピングの場合

永上氏の場合は、永上氏がメディアを研究していた折に、サイトの売却を考えていた古川氏の意向と重なり売却に繋がった。

売却金額に関して

売却金額で揉めることはほとんどないという。

売却先が「いくらくらいを検討しているか?」と問い、古川氏が「これくらいで売る」と答えると、先方が了承するケースがほとんどだ。

古川氏の言い値がリーズナブルなため、揉めたり交渉することはほとんどないという。

売却の際に重要な点

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それよりも交渉する点は「買収先が、どのようにそのメディアを育てていくのか?どのようなプロセスでの展開を考え、どのようなリニューアルを想定し、どのようなビジネスを検討しているのか?」といった今後の運営に関してフォーカスするという。

古川氏によると「相手にとってそのメディアがきちんとビジネスになるか?」という重要だ。

そのメディアが先方のメリットにならない場合は放置されることが多い」。そのため、きちんと相手のモチベーションが持続するかを見るという。

なぜ売却したのか?

古川氏がサービスを売却した理由は、「サイトが拡張できなくなったから」という理由が大きい。

自身がサイトの拡張に時間を割けなくなり、「発展性がなくなった」と判断した場合は売却を検討する。

売却は正解だったのか?

「売って良かったか?」という質問をしてみたところ、以下のような回答が返ってきた。

サイトの進展

良かったと思う。ミルクカフェのように新しい機能がついたりインターフェイスが刷新されたケースは見ていて嬉しい。また、ドロップシッピングサイトもいろいろと運営者が展開中のようだ」という。

カスタマーサポートの充実

また「個人で運営している場合は問い合わせのメールやトラブルの対応に時間がとられていた」という。

しかし売却することによりサポートに時間を割かずに済むようになり、古川氏は他のサービスに注力できるようになった。また、ユーザにとっても法人によるしっかりとしたサポートを受けられるようになり利点があるだろう。

メディアの売却を考えている個人へのアドバイス

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最後に「個人でメディアを運営し、売却を検討している」人へのアドバイスを伺った。

「サイトのM&Aを手がけるサイトなどがありますが、それよりも『売却を考えている』というようなことを、ブログやtwitterなど自分のメディア上で展開した方がいいのではないでしょうか。少なくとも個人的には、その方が『信頼できる売却先』と出会うことに繋がった」といのことだ。

また「たくさんメディアを作るのも良いですが、一つのものに集中するのも良いのではないかと思っています。どちらがうまくいきそうか試している最中なのでよろしくお願いします」とのことだ。

最後に

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上記の回答にもあるように古川氏への取材で一番強く感じたのは「ユーザへの愛」だ。

売却先の検討に際しても、また売却で良かったことに関しても、あくまでもユーザ視点(ユーザにとって価値があるか)を第一に考えていた。私自身、実際に古川氏にとって好条件を出されていてもそれが「ユーザにとって」好条件でない場合は話を進めないという姿を見ていたこともある。

「サイトへの愛があると自分が面倒を見たくなるが、自分が手をかけられない場合、愛があればあるほど里子に出した方がサイトにとっては良いのではないか」という言葉が印象的だった。

なお、今回、古川氏が上記のインタビューで指している「1つに集中している」というサイトは以下のnanapi。7分で出来るテクニックやノウハウを共有するサイトだ。どうぞこちらもご覧ください。

nanapi [ナナピ] – みんなで作る暮らしのレシピ -

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