藤井財務相辞任:後任は菅副総理 仙谷氏が国家戦略相兼務

2010年1月6日 19時27分 更新:1月7日 1時5分

首相官邸を出る菅副総理=2010年1月6日午後0時21分、武市公孝撮影
首相官邸を出る菅副総理=2010年1月6日午後0時21分、武市公孝撮影

 鳩山由紀夫首相は6日夜、藤井裕久財務相(77)の辞任を了承し、後任に菅直人副総理(63)を充てる人事を発表した。菅氏が兼務する国家戦略担当相は仙谷由人行政刷新担当相(63)が兼ねる。7日に就任する。菅氏は10年度予算編成の際、衆院選マニフェスト(政権公約)関連の予算の総合調整にあたっており、首相は18日召集予定の通常国会での審議に即応できると判断。官邸で記者団に「菅副総理が最も適当だ」と語った。

 首相としては5日の藤井氏の辞意から1日での後任決定で今後の政権運営への影響を最小限にとどめたい考えだが、自民党など野党は通常国会で政権の「政治とカネ」や公約の一部違反などを材料に攻勢を強める構えだ。

 首相は藤井氏を慰留していたが、6日午後に藤井氏が「閣僚の続行は困難」との趣旨の医師の診断書と辞表を首相あてに提出。首相は「医師の診断は重く受け止めなければならない」として慰留を断念した。

 首相は後任選びに時間をかけると政権運営への影響が大きいと判断。6日中の決着を目指し、菅氏と官邸で断続的に協議。菅氏は一時、国家戦略担当を優先したいとして難色を示したが最終的に財務相就任を受け入れた。首相は政権運営への影響について「ダメージを最小限にするために予算案を一番近くで見て来られた方を後任にする。心配してない」と記者団に強調した。

 菅氏は兼務していた経済財政担当を引き続き担当するが、科学技術担当は川端達夫文部科学相が兼務する。藤井氏の辞任で内閣法により17人が上限とされる閣僚ポストが一つ空くが、首相は補充について「当面考えていない」と記者団に語った。

 菅氏は首相との協議後、記者団に「藤井氏が手がけた予算の仕事を引き継いでいかなければならない」と話した。また、仙谷氏は国家戦略担当を兼務することについて「肉体的にはなかなか大変だが、古川元久副内閣相は(政権発足時から)両方抱えてここまできたので、できないわけではない」と語った。

 菅氏は市民運動出身で80年に衆院初当選し10期目。社会民主連合、さきがけを経て96年の旧民主党結党時に鳩山首相と共同代表を務めた。仙谷氏は衆院当選6回。弁護士出身で90年に旧社会党から初当選。党政調会長を務めるなど、政策通として知られているほか、民主党内の非小沢系議員の中心的存在だ。【田中成之】

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