2010年1月6日 18時39分更新
広島と長崎で2度、原爆の被害にあった長崎市の被爆者、山口彊さんが、4日、胃がんのため亡くなりました。
93歳でした。
長崎市の造船所に勤めていた山口彊さんは、昭和20年8月6日、出張先の広島市で被爆し、列車に乗って長崎市に戻りましたが、8月9日に再び被爆しました。
二重の被爆の事実を記録として残そうと、山口さんは長崎市に被爆者健康手帳への記載を求め、広島でも被爆したことが去年、手帳に書き加えられました。
長崎市によりますと、広島と長崎で2度にわたって、直接被爆したことが、被爆者健康手帳に記載されたのは非常に珍しいということです。
山口さんは、自らの被爆体験を語る活動を行い、記録映画にも出演したほか、4年前にはアメリカ・ニューヨークの国連本部を訪れて核兵器廃絶を訴えました。
山口さんは体調を崩し、去年11月から長崎市内の病院に入院していましたが、4日、胃がんのために亡くなりました。