2010年1月6日 18時39分更新
昭和32年に原爆を題材にした漫画、「星はみている」を描いた広島出身の漫画家、谷川一彦さんの作品を集めた展示会が、広島市の原爆資料館で始まりました。
この展示会は、自らも父親を原爆で亡くし、原爆による被害の実態をいちはやく漫画で取り上げた谷川さんの作品について、広く知ってもらおうと、開かれたものです。昭和32年に少女漫画雑誌、「なかよし」に連載された「星はみている」は、最も早い時期に原爆について取り上げた漫画といわれています。
主人公は広島の少女で、原爆被害の後遺症で親友を亡くす場面や、被爆してやけどを負った父親が、父親であることを隠して少女の前に現れる姿などが描かれています。会場には、原爆ドームを背景に描かれた「星はみている」の巻頭のイラストや、原画の複製など、あわせて30点あまりが展示されています。
原爆資料館の啓発担当の菊楽忍さんは「少女漫画の中で、ソフトな表現ながら原爆のことを伝えようとしている作品で、昭和32年という早い時期に、原爆について取り上げた漫画があったことを再発見してもらいたい」と話していました。
この展示会は、1月31日まで原爆資料館で開かれています。