はじめの1巻

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はじめの1巻:「みかこさん」(講談社) 女子高生の日常を淡々と

モーニング公式サイトで連載中の女子高生の何気ない日常を描いた「みかこさん」
モーニング公式サイトで連載中の女子高生の何気ない日常を描いた「みかこさん」

 1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員がお薦めする作品を紹介する「はじめの1巻」。今回は、今日マチ子さんがモーニング公式サイトで連載中の女子高生の何気ない日常を描いた「みかこさん」(講談社、920円)だ。

 ブログ「今日マチ子のセンネン画報」で注目を集めた作者が、女子高生みかこの日常を「モーニング」公式サイトで連載しているウェブマンガ。友達のナオの「恋バナ」に付き合ったり、進路が決まらずに悩んでいたり、家庭がちょっとわけありだったり、席替えで隣になったちょっと気になる男子・緑川と同じバンドのライブに行ったり……という日々を印象的な色遣いで描いている。

 ◇「モーニング」担当編集者からのメッセージ 「ささいな日常がちょっとすてきに見えるはず」

 市村みかこ、17歳。席替えで隣に座った緑川はいまどき赤えんぴつを使う変な奴。最初は緑川のことを特に意識していなかったみかこだが、たまたま2人とも「リロン」というバンドが好きだったことから、その関係は少しずつ変わり始める……。

 ほぼ毎日更新しているブログ「今日マチ子のセンネン画報」が書籍化され、注目を浴びた今日マチ子さん。新作は17歳の女子高生が主人公です。17歳といえば、恋愛や進路に悩んだり、ささいなことで立ち止まったり、自分や未来について考えぐるぐる迷う時期。そんな誰もが経験した日々を、繊細な描線と色彩で切り取ります。「みかこさん」には、誰もがあこがれるようなすてきな恋愛も手に汗握る部活のシーンも出てきませんが、ささいな日常がちょっとすてきに見えるはずです。

 自分が何になりたいのかまだわからないみかこ。絵の道に進もうと思っている緑川。 少しずつ近づいて、でも、なかなか交わらない2人の関係がどうなっていくのか? 柔らかな筆致で紡がれる物語を、ゆっくりお楽しみいただければ幸いです。公式サイトでは単行本収録分を含む全話を無料で公開中です。ぜひ、ご覧ください。

 ◇書店員の推薦文 書店員からの推薦文 青森・伊吉書院類家店の中村深雪さん 「赤と緑の交差にドキドキ」

 読み進めていくと、みかこの周りにはいつも赤いものが、緑川くんの周りにはいつも緑色のものがあることに気付きます。それが交差する瞬間、2人の微妙な距離が近づくのを表しているようでドキドキします。小説などを読むとき、「行間を読む」といいますが、このマンガにも当てはまる言葉ではないかと思います。鮮やかに色がつけられた部分と、あえて白いままの部分があり、その白の中にただよう空気の中に実は何か魅力が隠されているような気がして引かれます。 

2009年12月25日

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