ホーム > 野球 > 野球最新紙面記事

今岡 ロッテ合格へ原点安芸から孤独な始動

 慣れ親しんだ安芸の地で自主トレをスタートさせた今岡
 慣れ親しんだ安芸の地で自主トレをスタートさせた今岡

 原点からの再出発-。阪神を自由契約となり、2月のロッテ春季キャンプにテスト生として参加する今岡誠内野手(35)が5日、新人時代から親しんだ虎のキャンプ地、高知・安芸で10年のスタートを切った。新年の始動にもかかわらず、いきなりバットを握ってマシン打撃を行うなど意欲的。アトランタ五輪でともに戦ったロッテ所属の同級生、井口資仁内野手(35)の名を挙げ「井口と一緒にやりたい」と入団テスト合格を心に誓った。

  ◇  ◇

 目を閉じれば鮮明に思い出すことができる。これまでに味わったことのなかった雰囲気。日の丸を背負い、世界の頂点を目指した若き日の記憶がよみがえってくる。96年のアトランタ五輪、キューバと戦った決勝の舞台。二塁を守った今岡が、遊撃を務めた井口と14年の時を経て、同じユニホームを着るチャンスをつかもうとしている。

 「大学1年生のときから東都リーグ(東洋大・今岡、青学大・井口)でライバルとしてやってきた。オリンピックでも準決勝、決勝と二遊間を組んだ。その井口と一緒に野球をやりたい」

 阪神を退団しテスト生としてロッテ・石垣島キャンプに挑む。正式に支配下登録選手という立場をつかみ取り、かつてしのぎを削った同級生と一緒に戦うことが、孤独な闘いを続ける今のモチベーションとなっている。

 「向こうはメジャーも経験してますし、立場は違いますけどね。いろいろとね、昔からお互いに言わなくても、分かることもある。今年で36歳になりますけど、ここから互いに向上することがあると思う」。野球人生をかけた勝負のキャンプ。そこを勝ち抜いたとき、野球人としての新境地が見えてくる。一度は現役引退の危機を味わった男が目の色を変えている。

 この日はプロとしての原点でもある高知・安芸で始動。安芸ドームで初日からバットを握り、ティー打撃、マシン打撃を行った。さらにトレーニング室に場所を移し加圧トレーニング。午前10時から午後にかけて今年最初の自主トレを行った。練習開始前には松本憲治安芸市長から激励を受け、笑顔をみせた。

 「ここ何年か、結果を残せてないですけど、加圧トレの効果も感じてるし体の状態はいい。アクシデントがなければ2月1日にはいい感じで入っていけると思う」と確実に手ごたえを感じている。挑戦者の心を持ち、攻撃的に自らの立場を確立していくつもりだ。

 今岡にとって、2月1日はある意味“開幕”。速攻で勝負を決めるつもりでいる。「ロッテの球団、ファンに早く認めてもらえるようにしたい。去年、1年間はファームでも試合にほとんど出ていないけど、やっぱり、やってくれそうやなという雰囲気を早く出さないと」。入団テストをパスし猛虎からマリンへ。そして、その向こうにある井口とのプレーを目指し-。“天才打者”が汗にまみれている。

(2010年1月5日)





Copyright(C) 2007 Daily Sports All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp