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データ解析特別記事

公開日:2009.12.09
経済研究室

2009年 主な上場企業 希望・早期退職者募集状況調査(2009年12月4日時点)
募集人数が7年ぶりに2万人を上回る

 

 本調査は、東京証券取引所や各証券取引所に上場する企業のうち、2009年に希望および早期退職者募集の実施を開示し、具体的な内容が確認できたケースを抽出し、募集状況をまとめた。資料は原則として会社情報適時開示の『会社情報に関する公開資料』(2009年12月4日公表分まで)に基づく。本調査は、会社事情による時限的な希望退職者募集のほかに、早期退職優遇制度の適用年齢引き下げや退職金の特別割増措置など、既存制度の拡充募集も含む。

 

2009年の募集企業、12月4日時点で186社

 2009年に希望および早期退職者募集の実施を開示した主な上場企業は、具体内容が確認できたもので186社(募集後に法的手続を申し立てた3社、情報開示後に上場廃止した7社を含む)に達した。調査対象が開示ベースのため単純比較が難しいが、前年(2008年:情報開示企業68社)と比べて2.7倍となり増加が著しい

 

募集人数は、2万2,713人にのぼる

 募集人数(募集人数が不明の場合は応募人数を参照)の合計は、情報開示した184社合計で2万2,713人(前年8,979人)にのぼった。募集人数が2万人を上回ったのは、デフレが進行し、金融機関の不良債権処理が加速した2002年の3万9,732人以来7年ぶり

 個別企業で募集人数(募集人数が不明の場合は、応募人数をカウント)が最も多かったのは、アイフルとパイオニア(グループ会社を含む)の各1,300人。次にメディパルホールディングス(グループ会社を含む)の1,000人、三洋電機の845人(応募)、セディナとUSEN(グループ会社を含む)の各600人、アコムの550人と続く。募集または応募人数が100人以上になったのは70社

 

産業別、電機機器が最多の27社

 産業別では、最も多かったのは電気機器の27社。次に卸売23社、機械21社、サービス17社、不動産13社と続く。市場区分では、東証1部が最多の81社。次にジャスダックが55社、東証2部が20社、大証2部が10社、東証マザーズが9社と続く。また特別退職金などの割増金支出による特別損失額(見込み額を含む)は、開示した138社合計で835億6,900万円となり、特別損失額10億円以上は16社にのぼった。

◇          ◇          ◇

 2009年の希望・早期退職者募集を実施した上場企業数は、昨秋のリーマン・ショック後の世界同時不況の影響から、上半期(募集企業145社)に増加が著しく過去最多を上回るペースで推移した。しかし夏場以降は、景気の持ち直しに伴ないペースが鈍化した。こうしたなか最近は10月に募集企業が目立ち、さらに緩やかなデフレ傾向と円高が加わり景気の腰折れ懸念が高まったことで、企業リストラが再び加速する可能性が出てきた。

主な上場企業の希望・早期退職者
募集実施企業数推移
==========
 年      企業数
==========
2000    80
2001    132
2002    200
2003    126
2004    73
2005    57
2006    46
2007    60
2008    68
2009    186
==========
※2009年は12月4日時点

 

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経済研究室
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