【コラム】 100年前の新聞に載っていた「誇らしい歴史」(上)

 「日本が、他人の国に向け合併しようと叫んでいるが、半ば死んだヘビ(韓国)を飲み込んで五臓から毒が吹き出せば、(日本の)腹が割れるだろう」

 100年前、「大韓毎日申報」にこのような毒舌調の記事が載った。強制併合が秒読みに入った亡国前夜、1909年を締めくくる12月29日付の紙面だった。国が滅び、日帝の弾圧が本格化する中でも、まっすぐ前を見て毒舌を浴びせることができる気概に、わたしは驚いた。

 庚戌国恥(庚戌は1910年。日韓併合のことを指す)を目前にした100年前の今日、大韓帝国の新年は暗かった。しかし当時の新聞を読むと、意外な事実が分かった。力と武力ではどうすることもできなかった亡国の流れの中にあっても、民族の魂だけはめらめらと燃え上がっていたのだ。

 「日本は二度の大きな戦争を終え、強国の名称は得たが、外面上だけのこと。韓国は4000年余りの歴史がある、世界に名だたる長い国で、愛国志士が満遍であるから、どうして日本に合併されることを快く思うだろうか」

 民族主義の新聞だった「大韓毎日申報」の1909年送年号(12月30日付)は、日帝を厳しくとがめた。意気消沈するどころか、民族的自尊心をあらん限り押し出し、文化的に日本より一枚上だという優越感すら隠さずにいる。

 100年前の先代の民族精神は、わたしたちが教科書で学んだ以上に強烈だった。新聞を読めば読むほど、顔を上げ魂と精神で抵抗した先代の存在が、涙が出るほどありがたく感じられる。わたしは、歴史を知らない若い世代に「大韓毎日申報」を読む運動を広めなければならないと考えた。

 「韓国は常に日本の先進であって、韓国の文明が日本に比べ上等であったのに、近来西洋文明を受け入れ実力を向上させることに一時遅れを取ったがゆえ、このような雲泥の差がついてしまったが、伝来する古い文明はむしろ日本を覆うものであるからには…」

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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