坂田記念ジャーナリズム賞とは
元毎日放送社長、故坂田勝郎氏の「報道を通じ関西の文化発展を」との遺志を継ぎ1994年創設。坂田記念ジャーナリズム振興財団が運営し、関西を拠点とした優れた報道活動を顕彰する。第1部門(スクープ・企画)と第2部門(国際交流報道)がある。
最近の受賞暦
2008年度 新聞の部(スクープ・企画) 「無保険の子ども」救済キャンペーン報道
毎日新聞大阪本社社会部取材班
取材班は、親が国民健康保険の保険料を滞納して保険証を返還させられ、医療費の全額自己負担が必要となった子どもの救済を訴え、08年6月にキャンペーンを開始。厚生労働省や自治体が問題を放置している実態を批判した。この結果、08年12月に国保法が改正され、3万3000人を超える義務教育以下の無保険の子どもに09年4月から保険証が交付されることになった。
選考委員会は「社会正義のために問題提起していくジャーナリズムの使命の一つが果たされた」と評価した。
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2007年度 新聞の部(国際交流・貢献) 「シリーズ公害」
毎日新聞大阪本社公害問題取材班
公害問題取材班は、イタイイタイ病が初の公害病に認定されて40年目を迎えたのを機に、07年から「シリーズ公害」企画を展開した。四大公害病の検証などのほか、深刻化する中国の公害の実態をインターネット英字紙「毎日デイリーニュース」で世界に発信した。選考委員会は「日中双方に公害の現況に対して再認識を迫る重要なきっかけとなるなど、国際交流や国際理解に大きく貢献している」と評価した。
2006年度 新聞の部(スクープ・企画) 医療問題報道
毎日新聞大阪本社医療問題取材班
医療問題取材班は、奈良県の大淀町立大淀病院で意識不明の妊婦の転送先がなかなか見つからず、8日後に死亡した問題を06年10月に特報した。
表彰式で、井上支局長は「(大淀病院の問題のように)公表されないものを分からないままにするのではなく、分かるまで突き詰めて取材する調査報道の姿勢を今後も取り続けていきたい」と語った。