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SQL Server 2005 の新機能トピック
エンタープライズ データ管理今日のネットワーク化された世界では、データとそれを管理するシステムについてセキュリティと可用性を常に確保する必要があります。 SQL Server 2005 は、組織内のユーザーおよび情報技術 (IT) プロフェッショナルに、アプリケーション ダウンタイムの減少、スケーラビリティとパフォーマンスの向上、厳密でしかも柔軟性のあるセキュリティ管理などの利益をもたらします。 また、SQL Server 2005 には、IT スタッフの生産性を高める多数の新機能や改善された機能が含まれています。 SQL Server 2005 では、主に次の領域においてエンタープライズ データ管理機能が強化されています。
管理性SQL Server 2005 では、エンタープライズ データ アプリケーションや分析アプリケーションの配置、管理、および最適化が従来より簡単になります。 SQL Server 2005 はエンタープライズ データ管理プラットフォームとして、単一の管理コンソールを提供します。これにより、データ管理者は組織内のどこからでも、エンタープライズのすべてのデータベースと関連サービスを監視、管理、および調整できます。 また、SQL 管理オブジェクトを使用して簡単にプログラム可能な拡張性の高い管理インフラストラクチャであるため、ユーザーは独自の管理環境を構築および拡張でき、独立系ソフトウェア ベンダ (ISV) は追加のツールや機能を構築して既存の機能をさらに拡張できます。 SQL Server Management StudioSQL Server 2005 では、SQL Server リレーショナル データベース、および多数の分散サーバーやデータベース上の Integration Services、Analysis Services、Reporting Services、Notification Services、および SQL Server Mobile Edition を 1 つの統合管理コンソールで監視および管理できるため、管理作業が簡素化されます。 データベース管理者は、クエリの作成と実行、サーバー オブジェクトの表示、オブジェクトの管理、システム アクティビティの監視、オンライン ヘルプの表示など、複数のタスクを同時に実行できます。 SQL Server Management Studio は、Transact-SQL、多次元式、XML for Analysis、および SQL Server Mobile Edition を使用してスクリプトおよびストアド プロシージャを作成、編集、および管理するための開発環境をホストします。 Management Studio は、いつでもソース管理と簡単に統合できます。 また、Management Studio は、SQL Server エージェント ジョブをスケジュールするツールやメンテナンス計画を管理するツールをホストして、日々のメンテナンスおよび運用タスクを自動化します。 管理と作成が単一のツールに統合されたことに加えて、すべての種類のサーバーを管理できるため、データベース管理者の生産性が向上します。 SQL Server 2005 には、メモリ、ロック、およびスケジューリングから、トランザクション、ネットワーク、およびディスク I/O まで、内部データベース パフォーマンスやリソースの使用状況を測定するための 70 を超える新しい機能が追加されています。このような DMV (Dynamic Management Views) は、データベースの透過性と可視性を高め、データベースの状態とパフォーマンスを予防的に監視する強力なインフラストラクチャとなります。 SQL 管理オブジェクトSQL 管理オブジェクト (SMO) は、SQL Server データベースのすべての管理機能を公開する新しいプログラミング オブジェクトのセットです。 実際、Management Studio は SQL 管理オブジェクトで構築されています。 SMO は、Microsoft .NET Framework アセンブリとして実装されます。 SMO を使用すると、プログラムによる構成設定の取得、新規データベースの作成、Transact-SQL スクリプトの適用、SQL Server エージェント ジョブの作成、バックアップのスケジュールなど、一般的な SQL Server 管理タスクを自動化できます。 SMO オブジェクト モデルは、以前のバージョンの SQL Server に含まれていた分散管理オブジェクト (DMO) に代わるものであり、セキュリティの強化に加え、信頼性とスケーラビリティが向上しています。 可用性可用性の高いテクノロジへの投資、バックアップと復元機能の追加、レプリケーションの機能強化によって、企業は可用性の高いアプリケーションを構築および配置できます。 データベース ミラーリング、フェールオーバー クラスタリング、データベース スナップショット、強化されたオンライン操作などの革新的な高可用性機能は、ダウンタイムを最小限に抑え、重要なエンタープライズ システムへのアクセスの確保に役立ちます。 ここでは、これらの機能強化について詳しく説明します。 データベース ミラーリングデータベース ミラーリングは、ソース サーバーから単一のミラー先サーバーへのトランザクション ログの継続的なストリーミングを可能にします。 プライマリ システムに障害が発生した場合、アプリケーションは直ちにセカンダリ サーバーのデータベースに再接続できます。 セカンダリ インスタンスは、プライマリ サーバーの障害を数秒以内に検出し、データベース接続を速やかに許可します。 データベース ミラーリングは標準のサーバー ハードウェア上で動作し、特殊なストレージやコントローラは不要です。 図 1 に、データベース ミラーリングの基本構成を示します。 図 1: データベースミラーリングの基本構成 フェールオーバー クラスタリングフェールオーバー クラスタリングは、Microsoft Windows Clustering Services を利用した高可用性ソリューションであり、データベース サーバーで障害が発生した場合、速やかなフェールオーバーを行うフォールト トレラント仮想サーバーを提供します。 SQL Server 2005 では、フェールオーバー クラスタリングのサポートが、SQL Server Analysis Services、Notification Services、および SQL Server レプリケーションにまで拡張されています。 最大クラスタ ノード数は、8 ノードに増加されました。 SQL Server フェールオーバー クラスタリングは、完全なフォールト トレラント サーバー ソリューションになりました。
データベース スナップショットSQL Server 2005 では、データベース管理者がデータベースの読み取り専用ビューを簡単に作成するための機能が導入されました。 その機能がデータベース スナップショットであり、データベースの完全なコピーを作成する場合とは異なり、時間をかけず保存のオーバーヘッドも発生させずに安定したビューを作成できます。 プライマリ データベースとスナップショットとの間に相違が生じると、変更されたページのコピーがスナップショットに追加されます。 したがって、間違ってデータベースを変更した場合、スナップショットを使用すると、スナップショットからプライマリ データベースに元のページを簡単に再適用することで速やかな復旧が可能になります。 高速な復旧SQL Server 2005 では、SQL Server データベースの可用性を向上させる高速復旧オプションが新たに追加されました。 トランザクション ログのロール フォワードが完了した後、復旧中のデータベースに再接続することができます。 以前のバージョンの SQL Server では、影響を受けたデータベース部分にアクセスする必要がない場合でも、未完了のトランザクションがロールバックされるまで待機する必要がありました。 専用管理者接続SQL Server 2005 では、サーバーが応答していないか、その他の理由で使用可能でない場合でも、実行中のサーバーにアクセスするための専用管理者接続が導入されました。 この接続を使用すると、診断機能や Transact-SQL ステートメントを実行して、サーバー上の問題のトラブルシューティングを行うことができます。 この接続は、sysadmin 固定サーバー ロールのメンバによって起動され、ローカルまたはリモート コンピュータからの SQLCMD コマンド プロンプト ツールの実行によってのみ使用できます。 オンライン操作 (インデックス操作および復元)SQL Server 2005 では、オンラインでインデックスを作成、再構築、または削除する機能が強化され、以前のバージョンの SQL Server のインデックス機能が拡張されています。 オンライン インデックス オプションを使用すると、インデックス データ定義言語 (DDL) を実行しながら、同時に、基になるテーブルまたはクラスタ化インデックス データと関連インデックスに対して変更 (更新、削除、挿入) を加えることができます。 オンライン インデックス操作のサポートによって、テーブルやその他の既存インデックスへのアクセスを中断することなくインデックスを追加できます。 また、サーバーの作業負荷が高まった場合は、並列処理を利用してインデックス操作を実行できます。 SQL Server 2005 では、SQL Server のインスタンスの実行中に、復元操作を実行する機能も導入されました。 オンライン復元では、使用不能となるのは復元中のデータだけであるため、SQL Server の可用性が向上します。 データベースの他の部分はオンラインのままであり、使用可能です。 以前のバージョンの SQL Server では、データベースを復元する前に、データベースをオフラインに設定する必要がありました。 レプリケーションレプリケーションは、複数のデータベース サーバーにデータを分散することによってデータの可用性を高めることを目的としています。 アプリケーション側で SQL Server の読み取り作業負荷を複数のデータベースにスケール アウトできるため、可用性が向上します。 SQL Server 2005 では、新しいピアツーピア モデルを使用してレプリケーション機能が強化されています。このモデルでは、データベースを同一のピア データベースとトランザクション ベースで同期できる新しいトポロジを採用しています。 スケーラビリティテーブル パーティション、スナップショット分離、64 ビット サポートなどのスケーラビリティの向上によって、SQL Server 2005 を使用した高度な技術を要求するアプリケーションの構築と配置が可能になります。大規模なテーブルおよびインデックスのパーティション化により、大規模なデータベースに対するクエリのパフォーマンスが飛躍的に向上します。 テーブルおよびインデックスのパーティション分割テーブルおよびインデックスをパーティション分割すると、データベースをより小さな扱いやすい単位で管理できるため、大規模なデータベースを管理しやすくなります。 テーブル、データベース、およびサーバー間でのデータのパーティション分割は、データベースの世界では新しい概念ではありませんが、SQL Server 2005 では、テーブルをデータベース内の複数のファイルグループ間でパーティション分割する新しい機能が提供されました。 水平パーティションでは、パーティション構成に基づいてテーブルを複数の小グループに分割できます。 テーブル パーティションは、数百 GB から TB を超える非常に大規模なデータベースを対象にしています。 スナップショット分離データを分析指向のデータベースにコピー、変換、アーカイブした場合は、データの定期的なメンテナンスまたは再構築が必要になります。 トランザクション ベースで一貫性のあるデータベース バージョンが表示されることは、ユーザーにとって確かに有益ですが、そこに表示されるデータは既に最新バージョンではありません。 データを構築しインデックスを作成するには時間がかかり、またユーザーはそのような処理を実際に必要としていない場合もあります。 ここで役に立つのがスナップショット分離です。 スナップショット分離レベルを使用すると、トランザクション ベースで一貫性のあるデータベース ビューを使用して、最後にコミットされた行にアクセスできます。 この新しい分離レベルには、次のような利点があります。
レプリケーション モニタレプリケーション モニタは、複雑なデータ レプリケーション操作の管理を簡素化するツールであり、直感的なユーザー インターフェイスと豊富なデータ メトリクスを備え、これまでよりさらに使いやすくなっています。 64 ビット システム Itanium 2 および x64 のサポートSQL Server (64 ビット) は、Intel Itanium プロセッサ向けに最適化されており、バッファ プール、キャッシュ、ソート ヒープなどの重要なリソースに対して高度なメモリ アドレッシング機能を利用することによって、ディスクとメモリの間でデータをやり取りするために複数回の I/O 操作を実行する必要性を軽減しています。 I/O 待機時間を増加させることなく処理能力を高めることで、アプリケーションのスケーラビリティが格段に向上します。 Windows Server 2003 (64 ビット バージョン) は、同一システム上の 32 ビット アプリケーションおよび 64 ビット アプリケーションの両方のパフォーマンスの向上をもたらします。 基礎となるアーキテクチャは、業界標準の x86 命令セットの 64 ビット拡張に基づいているため、今日の 32 ビット アプリケーションは x64 プロセッサ上でネイティブに実行できます。 また、新しい 64 ビット アプリケーションを 64 ビット モードで実行することで、1 回のクロック サイクルでより多くのデータが処理されるようになり、メモリ アクセス速度が向上し、数値計算が高速化されます。 そのため、既存の 32 ビット アプリケーションの資産を活用しながら、64 ビット コンピューティングに円滑に移行できるプラットフォームとなります。 セキュリティSQL Server 2005 では、管理の精度と柔軟性を高めてデータのセキュリティを厳密化することを目的として、データベース プラットフォームのセキュリティ モデルを大幅に強化しています。 エンタープライズ データのセキュリティ レベル向上のために、次のような多数の機能に対して大規模な強化が行われています。
承認SQL Server 2005 の新しいセキュリティ モデルでは、指定した範囲で、よりきめ細かくアクセス許可を管理できるため、アクセス許可の管理が容易になるだけでなく、最小限の権限の原則を確実に維持できます。 SQL Server 2005 では、モジュール内のステートメントを実行するコンテキストを指定できます。 この機能は、アクセス許可のきめ細かい管理を行うための優れた機構となります。 認証SQL Server 2005 のクラスタリングは、SQL Server 2005 仮想サーバーに対する Kerberos 認証をサポートします。 管理者は標準ログインに対して Microsoft Windows 型のポリシーを指定して、ドメイン内のすべてのアカウントに一貫性のあるポリシーを適用できます。 ネイティブ暗号化SQL Server 2005 では、データベース内で暗号化機能がサポートされ、重要な管理インフラストラクチャとの完全な統合を実現しています。 クライアントとサーバー間の通信は、既定で暗号化されます。 セキュリティの保証を集中化するために、暗号化されていない通信を拒否するサーバー ポリシーを定義できます。 SQL Server と信頼できるコンピューティングMicrosoft Trustworthy Computing (信頼できるコンピューティング) では、安全なコンピューティングをサポートするために必要な手順と、安全な環境を配置および維持するための対策を定義したフレームワークの作成に取り組んでいます。 この対策によって、設計から配布および保守までのソフトウェア ライフ サイクルの全段階で、データおよびシステムの機密性、整合性、および可用性を保護できます。 Trustworthy Computing の 4 つの目標を達成するため、Microsoft と SQL Server のチームでは、次の問題に取り組みました。
開発者の生産性SQL Server 2005 には、開発者の生産性を飛躍的に向上させる新しいテクノロジが多数組み込まれています。 これらの機能は、.NET Framework のサポートから Visual Studio との密接な統合まで広範囲に及びます。開発者はこれらの機能を使用して、セキュリティで保護された堅牢なデータベース アプリケーションを低コストで簡単に作成できます。 SQL Server 2005 では、さまざまな開発言語で既存のスキルを活用できるほか、データベースにはエンドツーエンドの開発環境が提供されています。 また、ネイティブ XML 機能を使用して、プラットフォームやデバイスを越えて接続された新しいクラスのアプリケーションを構築することも可能です。 開発者の生産性向上のための機能強化には、次のものがあります。
言語サポートの拡張データベース エンジンで共通言語ランタイム (CLR) がホストされているため、開発者は Transact-SQL、Microsoft Visual Basic .NET、Microsoft Visual C# .NET などの使い慣れたさまざまな言語を選択してデータベース アプリケーションを開発できます。 また、CLR がホストされているため、ユーザー定義の型および関数を使用した高い柔軟性が開発者に提供されます。 CLR では、Microsoft 以外のコードを使用してデータベース アプリケーションの迅速な開発を行うこともできます。 CLR と .NET Framework の統合SQL Server 2005 のリリースによって、データベース プログラマは Microsoft .NET Framework クラス ライブラリと最新のプログラミング言語を最大限に活用して、サーバーに機能を実装することが可能になりました。 共通言語ランタイム (CLR) の統合を使用すると、任意の .NET Framework 言語でストアド プロシージャ、関数、およびトリガを作成できます。 Microsoft Visual Basic .NET と C# プログラミング言語では、オブジェクト指向の構文、構造化例外処理、配列、名前空間、およびクラスを使用できます。 また、.NET Framework には、膨大な数のクラスやメソッドがあり、それらの豊富な組み込み機能をサーバー側で簡単に使用できます。 Transact-SQL では実行するのが困難であったタスクの多くは、マネージ コードを使用すると実行しやすくなります。また、集計とユーザー定義型という 2 種類の新しいデータベース オブジェクトも使用できます。 これで、既存の知識とスキルを活用してインプロセス コードを作成できます。 つまり、SQL Server 2005 を使用すると、データベース サーバーを拡張して、バック エンドで適切な計算や操作を従来より簡単に実行できます。 SQL Server と CLR の統合によってもたらされる主な利点には次のようなものがあります。
Visual Basic .NET や C# などの言語を使用すると、CLR の統合を利用して、従来よりロジックが複雑で計算タスクに適したコードを作成できます。 また、Visual Basic .NET と C# は、カプセル化、継承、多様性などのオブジェクト指向の機能を提供します。 関連するコードを簡単にクラスや名前空間として整理できるため、大量のコードを使用する場合、コードの投資を整理および維持しやすくなります。 コードをアセンブリや名前空間として論理的および物理的に整理することには、大規模なデータベース実装のさまざまなコード部分を的確に検索して関連付けることが可能になるという大きな利点があります。 数値の処理および複雑な実行ロジックの管理では、マネージ コードは Transact-SQL よりも効率的であり、文字列の処理や正規表現などに対する広範なサポートを提供します。 また、.NET Framework クラス ライブラリに用意された機能を使用すると、ストアド プロシージャ、トリガ、またはユーザー定義関数から、膨大な数の構築済みクラスおよびルーチンにアクセスできます。 強化された文字列処理関数、数学関数、日付操作、システム リソースへのアクセス、高度な暗号化アルゴリズム、ファイル アクセス、イメージ処理、XML データ操作のすべてに、マネージ ストアド プロシージャ、関数、トリガ、および集計から簡単にアクセスできます。 マネージ コードの主な利点の 1 つは、型の安全性です。 マネージ コードを実行する場合は、CLR が検証と呼ばれるプロセスによって事前にチェックを実行して、コードが安全に実行されることを確認します。 たとえば、書き込まれていないメモリが読み取られないかどうかについてコードをチェックします。 Transact-SQL の機能強化Transact-SQL は長期にわたって、SQL Server のすべてのプログラミングの基礎となっていました。 SQL Server 2005 では、スケーラブルなデータベース アプリケーションを開発するための新しい言語機能が多数追加されています。 これらの機能強化には、エラー処理、新しい再帰クエリ機能、新しい SQL Server データベース エンジン機能のサポートなどがあります。 SQL Server 2005 での Transact-SQL の機能強化によって、クエリ作成時の記述能力が向上し、コード パフォーマンスの向上やエラー管理機能の拡張が可能になります。 Transact-SQL の強化への継続的な取り組みは、Transact-SQL が SQL Server で重要な役割を果たすという強い信念を示しています。 開発ツールの改善開発者は、Transact-SQL、XML、多次元式 (MDX)、および XMLA (XML for Analysis) に対して 1 つの開発ツールを使用できます。 Visual Studio 開発環境との統合により、基幹業務アプリケーションおよびビジネス インテリジェンス (BI) アプリケーションの開発とデバッグの効率化がもたらされます。 Business Intelligence Development StudioBusiness Intelligence Development Studio は、データベース エンジン、分析サービス、およびレポート サービスを含む Visual Studio ベースの BI ソリューションを構築するための共通の開発環境です。 Business Intelligence Development Studio のグラフィカル ユーザー インターフェイス (GUI) を使用して、データ管理アプリケーションの SSIS (SQL Server Integration Services) パッケージを設計できます。 Business Intelligence Development Studio で SSIS パッケージを設計、開発、デバッグするには、ツールボックスからタスクをドラッグし、タスクのプロパティを設定し、タスクを優先順位制約に関連付けます。 図 2 は、Business Intelligence Development Studio のための Visual Studio のインターフェイスを示しています。 図 2: Visual Studio の Business Intelligence Development Studio インターフェイス Visual Studio の統合SQL Server 2005 と Visual Studio 2005 では、従来よりも強力にデータベースとアプリケーション開発環境が統合されます。 開発者は、Visual Studio の開発環境内から直接 CLR ストアド プロシージャ、関数、ユーザー定義の型、ユーザー定義の集計を作成できるようになりました。 また、他のツールに切り替えずに Visual Studio から直接新しいデータベース オブジェクトを配置できます。 Visual Studio 2005 は、ネイティブ XML などの新しい SQL Server データ型をすべて直接サポートします。 また、CLR データベース オブジェクトを Visual Studio のすべてのプロジェクトで使用しているのと同じソース管理システムに追加することもでき、これによって統合のレベルおよび開発プロセスのセキュリティがさらに強化されます。 層および言語を越えたデバッグSQL Server 2005 と Visual Studio 2005 は、アプリケーションのデバッグ領域でさらに強力な統合を提供します。 この組み合わせを使用すると、同一の Visual Studio デバッグ インターフェイスを使用して CLR と Transact-SQL コードの両方をシームレスにデバッグできます。また、コードが開発者のコンピュータと SQL Server データベースのどちらに保存されているかにかかわらず、CLR と Transact-SQL のどちらからでもデバッグを開始できます。 拡張性ユーザー定義型とユーザー定義集計 SQL Server 2005 のユーザー定義型は、オブジェクト リレーショナル機能拡張メカニズムではなく、データベースのスカラ型システムを拡張する手段です。 スカラ型システムには、SQL Server に付属の列型 (int、nvarchar、uniqueidentifier など) が含まれます。 ユーザー定義型を使用して、列定義などで使用する独自の型を定義できます。 実際に使用する型が、列としてモデル化するのに適したアトミック型の値である場合に、ユーザー定義型を作成します。 ユーザー定義型は、独自のスカラ型を定義する必要がある場合に使用します。 このような型のシナリオ例として、さまざまなカレンダーのカスタム日付/時刻データ型や通貨データ型があります。 ユーザー定義型を使用して、型で使用可能なすべての動作を公開する 1 つのオブジェクトを作成し、その型に格納されている基礎となるデータをカプセル化して隠すことができます。 データへのアクセスが必要な場合は、ユーザー定義型のプログラム インターフェイスを使用する必要があります。 .NET Framework の既存機能 (国際化やカレンダー機能など) の利用は、型をユーザー定義型として実装することを検討する強力な理由の 1 つになります。 さまざまなシナリオで、データの集計が必要になる場合があります。 これには、avg や stddev などの統計計算の実行が含まれます。 必要な集計関数が組み込まれていない場合、SQL Server 2005 では次の 3 とおりの方法でカスタム集計を実行できます。
SQL 管理オブジェクト SQL 管理オブジェクト (SMO) は、SQL Server 2005 の管理オブジェクト モデルです。SMO では、SQL Server の管理オブジェクト モデルの設計およびアーキテクチャに大幅な改善が加えられています。 SMO は、.NET Framework マネージ コードをベースにした、使いやすく機能が豊富なオブジェクト モデルです。 .NET Framework を使用したデータベース管理アプリケーションの開発では、SMO が主要なツールです。 SMO は SQL Server Management Studio のすべてのダイアログ ボックスで使用されており、SQL Server Management Studio で実行できる管理作業はすべて SMO を使用して実行できます。 新しい SMO オブジェクト モデルと WMI (Microsoft Windows Management Instrumentation) アプリケーション プログラミング インターフェイス (API) は、SQL-DMO に代わるものです。 使いやすくするため、SMO には可能な限り SQL-DMO と類似したオブジェクトが組み込まれています。 SQL Server 2005 で SQL-DMO を引き続き使用することも可能ですが、SQL Server 2005 に固有の機能を管理できるように SQL-DMO が更新されることはありません。 分析管理オブジェクト 分析管理オブジェクト (AMO) を使用すると、オブジェクト レベルの検証機能を提供できるオブジェクト ライブラリを使用して、Analysis Services で使用可能なさまざまな管理コマンドや機能にクライアント アプリケーションからアクセスできます。これによって、Analysis Services の DDL スクリプトや長くなりがちな ASSL (Analysis Services Scripting Language) の ObjectDefinition 要素を手動で生成する必要がなくなります。 AMO を使用するアプリケーションは、接続して Analysis Services インスタンスのオブジェクトを直接操作するか、既存の接続なしにこれらのオブジェクトを作成し、メタデータを保存して後で配置することができます。 AMO は ASSL のコマンドおよび要素も "包含" しています。 データアクセスおよび Web サービスの改善 SQL Server 2005 では、データベース層で XML Web サービスを開発でき、SQL Server を HTTP リスナにすることができます。 これによって、Web サービスを中心にしたアプリケーションの新しい種類のデータ アクセス機能が提供されます。 SQL Server 2005 では、Microsoft インターネット インフォメーション サービス (IIS) などの中間層リスナを使用せずに、HTTP を使用して SQL Server に直接アクセスできます。 SQL Server が公開する Web サービス インターフェイスを使用して、SQL ステートメントを実行でき、関数やプロシージャを呼び出すこともできます。 クエリの結果は XML 形式で返され、Visual Studio の Web サービス インフラストラクチャを利用できます。 ADO.NET 2.0/ADOMD.NET 次のバージョンの ADO.NET には、多数の新機能が追加されています。クエリ変更通知のサポートから複数のアクティブな結果セット (MARS) までの広範囲にわたって、データセットのアクセスと操作がさらに進化し、スケーラビリティと柔軟性の向上を実現しています。 クエリ通知SQL Server 2005 では、SQL Server のクエリに対する通知のサポートが導入されます。 このサポートを使用して SQL Server にコマンドを送信し、同一コマンドを再度実行したときの結果が最初の結果と異なる場合に通知を生成するように要求できます。 これを実行するには、基になるデータが変更されたことを検出する依存関係オブジェクトを使用します。 ADO.NET、OLE DB、ODBC (Open Database Connectivity)、ADO (Microsoft ActiveX Data Object)、簡易オブジェクト アクセス プロトコル (SOAP) などのクライアント API を通じてサーバーに送信されるコマンドに、通知を要求するタグを含めることができます。 サーバーでは、要求の一部として実行されるステートメントごとに、通知サブスクリプションが作成されます。通知サブスクリプションは、要求に含まれる各ステートメントに対して 1 回ずつ発生します。 通知は、アプリケーションからポーリングできる SQL Service Broker キュー経由で配信され、通知が使用可能になったときに必ず返されるアクティベーション サービスまたはブロッキング ステートメントを使用します。 データベース ドリブンの Web サイトなどのアプリケーションで、結果をキャッシュに保存する場合は、クエリ通知を使用すると役に立ちます。 図 3 は、クエリ通知プロセスを示しています。 図 3: クエリ通知 MARS複数のアクティブな結果セット (MARS) は、1 つの接続に保留中の要求を複数割り当てるための機能であり、たとえば、1 つの接続で既定の結果セットを複数開いておくことができます。 既定の結果セットは前方向読み取り専用の結果セットです。 既定の結果セットの場合、クライアント ドライバは大きなチャンク (表形式データ ストリームのバッファ サイズのチャンク) でデータを透過的に取り込み、サーバー カーソルの場合のようにサーバーとの往復処理を発生させることなくアプリケーションの要求を処理できます。 アプリケーションでは、一度に 1 行ずつの単純なプログラミング モデルを使用してもパフォーマンスが低下しません。 現在は、既定の結果セットが開いていると結果セット全体が使用されるまでドライバはサーバーに要求を送信できませんが、この制約は MARS 機能によって取り除かれます。 データ ミラーリングの透過的なフェールオーバーSQL Server 2005 では、データベース ミラーリングを通じて "ホット スペア" 機能をサポートします。 SQL Server インスタンスで障害が発生した場合、バックアップ サーバーに自動的に切り替えることができます。 そのためには、フェールオーバーを監視するためのインスタンスが必要です。このようなインスタンスは (当然ながら) 監視インスタンスと呼ばれます。 また、ホット スペアのシナリオでは、既存のクライアント接続がフェールオーバー (新しいサーバー インスタンスとの接続の確立) について "認識している" 必要があります。 次回のアクセス試行でクライアント接続にエラーが発生したとき、クライアント プログラムで手動で "フェールオーバー" するのは、最適な方法ではありません。 ADO.NET 2.0 の SqlClient では、アプリケーション プログラムに対して特別なプログラミングを行わなくても、クライアント フェールオーバーがサポートされます。 XML のサポートネイティブ XML データ型および XQuery などの機能強化は、内部システムと外部システムのシームレスな統合に役立ちます。 SQL Server 2005 は、リレーショナル データおよび XML データを両方ともネイティブでサポートするため、組織のニーズに合った最適な形式でデータを格納、管理、分析できます。 HTTP (Hypertext Transfer Protocol)、XML、SOAP (Simple Object Access Protocol)、XQuery、XSD (XML Schema Definition) 言語など、既存および新出のオープンな標準もサポートされるため、さまざまなエンタープライズ システム間の通信を円滑に行うことができます。 XML データ型XML では、SQL Server がサポートするスカラ型だけではなく、複雑なデータを表すことができます。 そのため、char や varchar など、文字列ベースの組み込みデータ型では、XML の能力と多数の利点を十分に活用できません。 たとえば、XML が文字列として格納されている場合、ドキュメント全体の挿入と選択、または連続したバイトをドキュメントから取得することは可能ですが、ドキュメントの内容についてのクエリは実行できません。 SQL Server 2005 では、XML データ型を使用することによって、XML ドキュメントの一部に対するクエリを実行できるほか、ドキュメントが XML スキーマに準拠しているかどうかを確認したり、XML ドキュメントの内容を簡単に変更したりできます。 また、SQL Server 2000 では使用できない方法によって、非構造化または半構造化 XML ドキュメントのデータを従来のリレーショナル データと統合できます。SQL Server 2005 では、XML データはバイナリ ラージ オブジェクト (BLOB) として内部表現で格納されるため、効率的な再解析および一部の圧縮が可能になります。 XML スキーマのコレクションを XML 型の列に関連付けることができます。 この機能によって、制約、挿入、および更新の検証、格納された XML データ内での値の型指定、ストレージやクエリ処理の最適化が可能になります。 また、SQL Server 2005 では、サーバー上でスキーマを管理するためのいくつかの DDL ステートメントも提供されます。 XQueryXML クエリ言語 (XQuery) は、全種類の XML データのクエリ向けに最適化されたインテリジェントで堅牢な言語です。 XQuery では、列の関連メソッドを使用して XML データ型の変数および列に対するクエリを実行できます。 多くの XML 標準と同様に、XQuery の開発は W3C (World Wide Web Consortium) が管理しています。 XQuery は、Quilt と呼ばれるクエリ言語から発展しました。Quilt 自体は、XML パス言語 (XPath) バージョン 1.0、XQL (XML Query Language)、および SQL などのさまざまなクエリ言語がベースになっています。 XQuery には、XPath 2.0 もサブセットとして含まれます。 したがって、XPath 1.0 の使用経験があれば、そのスキルを活用できるので、完全に新しいクエリ言語を習得する必要がありません。 ただし、型の指定、特殊な関数、繰り返しの改善のサポート、結果の並べ替え、構築など、XPath 1.0 とは異なる大幅な機能強化が加えられています。 SQL Server 2005 には、強力な XQuery 機能が付属しているため、データ層での XML オブジェクトの操作が可能です。 SQL Server 2005 は、2003 年 11 月 15 日の XQuery 1.0 Working Draft の静的な型指定のサブセットをサポートします。 Web サービスのサポートSQL Server 2005 では、データベース層で XML Web サービスを開発でき、SQL Server を HTTP リスナにすることができます。 これによって、Web サービスを中心にしたアプリケーションの新しい種類のデータ アクセス機能が提供されます。 SQL Server 2005 では、Microsoft インターネット インフォメーション サービス (IIS) などの中間層リスナを使用せずに、HTTP を使用して SQL Server に直接アクセスできます。 SQL Server が公開する Web サービス インターフェイスを使用して、SQL ステートメントを実行でき、関数やプロシージャを呼び出すこともできます。 クエリの結果は XML 形式で返され、Visual Studio の Web サービス インフラストラクチャを利用できます。 XML for Analysis ServicesXMLA (XML for Analysis Services) は、ネイティブな標準ベースのプロトコルであり、Analysis Services サーバーとの通信に使用されます。 分析と操作をリアル タイムで統合する新しい種類のアプリケーションを使用できるようになり、また簡単に開発できます。 XMLA をネイティブ プロトコルとして使用すると、Analysis Services クライアントをフットプリントがゼロになるように構成でき、各サーバーが自動的に Web サービスとなります。 OLE DB for OLAP、ADOMD、および ADOMD.NET で Analysis Services 2000 と動作するツールとの下位互換性を保持するために、フットプリントの小さい Win32 層を使用できます。多くのユーザーは、引き続き ADOMD .NET オブジェクト モデルを使用して Analysis Services 上のカスタム アプリケーションを構築することになります。 アプリケーション フレームワークSQL Server 2005 では、Service Broker、Notification Services、SQL Server Mobile、および SQL Server Express を含む新しい SQL Server アプリケーション フレームワークが導入されます。 Service Broker は、データベース対データベース レベルの信頼できる非同期メッセージングを提供する分散アプリケーション フレームワークです。 Service Brokerこの 10 年間で、電子商取引アプリケーションが急速に普及したことにより、データベース アプリケーション間のワークフロー管理の強化が必要になりました。 顧客が書籍をオンラインで注文した場合は、トランザクションを在庫システム、配送システム、およびクレジット カード システムにコミットする必要があり、また別の Web アプリケーションを使用して注文の確認も送信する必要があります。 各プロセスが順番どおりに発生するのを待つのでは、効率が良くありません。 SQL Server 2005 では、新規に追加されたスケーラブルなアーキテクチャを使用して、非同期メッセージ ルーティングを構築できます。 図 4 に、Service Broker アーキテクチャの概要を示します。 図 4: Service Broker のアーキテクチャ Service Broker テクノロジでは、通常の Transact-SQL データ操作言語の拡張を使用して、信頼できる非同期メッセージのストリームを内部プロセスまたは外部プロセスで送受信できます。 メッセージは、送信元と同じデータベースのキュー、同じ SQL Server インスタンス内の別のデータベース、同じサーバーまたはリモート サーバー内の別の SQL Server インタンスのいずれかに送信されます。 Microsoft SQL Server Notification Services は、通知を生成してユーザーに送信するアプリケーションを開発および配置するためのプラットフォームです。 通知とは個人向けに適切なタイミングで送信されるメッセージで、さまざまなデバイスへの送信が可能です。 通知はサブスクライバの好みを反映します。 サブスクライバは、「Adventure Works の株価が $70.00 になったら通知する」、または「チームで作成中の戦略ドキュメントが更新されたら通知する」など、興味のある情報を表現するサブスクリプションを入力します。 トリガとなるイベントが発生したらすぐに通知を生成してユーザーに送信するか、ユーザーが指定したあらかじめ決められたスケジュールで通知を生成して送信することもできます。 ユーザーのサブスクリプションには、通知を生成して送信するタイミングが指定されます。 通知は、ユーザーの携帯電話、携帯情報端末 (PDA)、Microsoft Windows Messenger、または電子メール アカウントなど、さまざまなデバイスに送信できます。 これらのデバイスは、ユーザーが携帯していることが多いため、通知は優先度の高い情報の送信に最適です。 SQL Server Mobile EditionSQL Server 2000 に付属していた SQL Server 2000 Windows CE Edition が、現在の SQL Server Mobile Edition Version 3.0 です。 SQL Server Mobile Edition には、開発者に関連する重要な新機能が多数追加されています。
SQL Server Express開発者は、充実したエンドユーザーの操作性を提供するために、これまでにないほどリレーショナル データベースを利用するようになっています。 これらのアプリケーション内の情報を保護し、管理することが重要です。 Microsoft SQL Server Express では、開発者が堅牢かつ信頼性の高いアプリケーションを構築できるように、使いやすい堅牢なデータベースを無償で提供しています。 多くの場合、データベース システムは過度に複雑で、簡単なアプリケーションの構築には適していません。 Microsoft Visual Studio 2005 と SQL Server Express は、この複雑さを軽減して、データ ドリブン アプリケーションを構築するための簡素で強力な開発環境を提供しています。 開発者は、Visual Studio 2005 環境内で、スキーマの設計、データの追加、およびローカル データベースのクエリを実行できます。 より高度なデータベース機能が必要な場合は、高度なバージョンの SQL Server への SQL Server Express のアップグレードをシームレスに実行できます。 Express Edition では CPU は 1 つ、メモリは最大 1 GB、データベースのサイズは 4 GB までをサポートしています。それ以上の規模を想定している場合は、他のエディションをご利用ください。 図 5 は、SQL Server Express Manager のクエリ エディタ インターフェイスです。 図 5: SQL Server Express Manager のクエリエディタ SQL Server XM (Express Manager) と呼ばれる新しい GUI ツールを無償で Web から別途ダウンロードできます。 XM では、簡単なデータベース管理機能とクエリ分析機能を使用でき、ダウンロード サイズが小さく、再頒布可能です。 XM は、SQL Server Express、その他の SQL Server 2005 エディション、SQL Server 2000、および MSDE 2000 との接続をサポートします。簡単な接続ダイアログ ボックスに、インスタンスの選択や使用する認証方法についての説明が表示されます。 ローカル接続およびリモート接続の両方で XM を使用できます。 オブジェクト エクスプローラには、インスタンス、テーブル、ストアド プロセスなど、よく使われるオブジェクトが階層構造で表示され、ユーザーはデータベースへのアクセスを視覚化できます。 すべてのデータベース管理機能は、右クリックして表示されるオブジェクト エクスプローラのコンテキスト メニューからアクセスできます。 公開されるデータベース管理オプションには、データベース、テーブル、ログイン、およびユーザーの作成と変更が含まれます。 一般的なデータベース操作の多くはタスク ウィザードを使用して実行でき、その他の操作の大半はタブ付きのウィンドウ ドキュメントとして提供されます。 XM には、たとえば、新規データベースの作成と既存データベースの編集のための New/Edit Database ドキュメントがあります。 多くのデータベース ユーザーは、GUI を使用するよりも、きめ細かい制御が可能な Transact-SQL を使用して、サーバーを管理する方法を選択します。 XM のクエリ エディタを使用して、Transact-SQL のステートメントやスクリプトを開発および実行できます。 クエリ エディタには、キーワードの色分けや、データ グリッド内に結果が返される結果ペインなど、豊富な機能があります。 エラーが発生した場合は、結果ペインにエラー メッセージが表示されます。 ビジネス インテリジェンスSQL Server 2005 は、スケーラビリティ、データ統合、開発ツール、および豊富な分析機能の革新を通じて、ビジネス インテリジェンス (BI) 分野での Microsoft の主導的な立場をさらに強固なものとしています。 SQL Server 2005 では、スケーラブルな BI を使用して、重要でタイムリーな情報を組織内の社員に届けることができます。 CEO からインフォメーション ワーカーまで、社員はデータを迅速かつ簡単に利用して適切な決定を速やかに行うことができます。 SQL Server 2005 の包括的な統合、分析、およびレポート機能を使用すると、基礎となるプラットフォームに関係なく、会社の既存アプリケーションの価値を高めることができます。 BI の機能強化は、次の領域で実施されています。
エンドツーエンドの統合ビジネス インテリジェンス プラットフォームSQL Server 2005 は、従来および革新的な分析アプリケーションを構築するための機能やツールを備えた完全な BI プラットフォームです。 ここでは、分析アプリケーションの構築に使用するツールを示し、複雑な BI システムの構築および管理を大幅に簡略化する新機能について説明します。 SQL Server 2005 BI ツールセットは、エンドツーエンドの BI アプリケーション統合を実現します。
Integration ServicesSQL Server 2005 には、SSIS (SQL Server Integration Services) と呼ばれる再設計された ETL (Enterprise Data Extraction, Transformation, and Loading) プラットフォームがあります。 SSIS を使用すると、種類の異なる複数の情報ソースから提供されるデータをより簡単に統合および分析できます。 さまざまな運用システムのデータを分析すると、業務全体を理解することによって、組織は競争力を獲得することができます。 エンタープライズ ETL プラットフォームこの新しいプラットフォームは、データ変換サービス (DTS) と呼ばれる SQL Server 2000 でよく使われている機能の後継です。 SSIS は、SQL Server 2005 のまったく新しい機能です。SSIS は、エンタープライズ クラスの ETL アプリケーションの構築に必要な幅広い機能と非常に高いパフォーマンスを提供します。 SSIS は、完全にプログラム可能、埋め込み可能、および拡張可能です。これらは、最適な ETL プラットフォームの特性です。 従来の ETL を凌駕SQL Server 2005 では、次の方法で非従来型のデータ (Web サービス、XML) をサポートします。
Analysis ServicesSQL Server 2005 では、Analysis Services によって、従来のレポート機能、オンライン分析処理 (OLAP) 分析、およびデータ マイニングの基礎として、すべてのビジネス データを初めて統一された統合ビューとして表示できるようになりました。 統合ディメンション モデル従来の OLAP 分析とリレーショナル レポートの最も優れた面を組み合わせることによって、Analysis Services は両方のニーズを満たしたメタデータ モデルを提供します。 Analysis Services で定義されたキューブとディメンションのセットのことを統合ディメンション モデル (UDM) と言います。 UDM は、ビジネス エンティティ、ビジネス ロジック、計算、およびメトリクスを定義する中央のメタデータ リポジトリであり、すべてのレポート、スプレッドシート、OLAP ブラウザ、KPI、および分析アプリケーションのソースとしての役割を果たします。 強力な新機能であるデータ ソース ビューを使用して、UDM を多数の異種バックエンド データ ソースにマップすることで、データの場所に関係なく完全で統合されたビジネス像が提供されます。 UDM には、ビジネス エンティティ、ナビゲーション階層、複数の分析観点についてのわかりやすい説明があり、母国語への自動翻訳も備えているため、ユーザーはビジネス データを簡単に探索できます。 データ マイニングSQL Server 2005 のデータ マイニングは、複雑な分析モデルの構築と、モデルとビジネスとの統合に役立つ BI テクノロジです。 Analysis Services は、データ マイニングの新しい領域を確立します。 Analysis Services のデータ マイニング機能は、使いやすさ、拡張性、アクセス性、および柔軟性を備えたプラットフォームを構築することによって、これまでデータ マイニング ソリューションを検討したことがない組織にデータ マイニング機能をもたらします。 SQL Server では、エンタープライズ クラスのアーキテクチャ、SQL Server ファミリの BI ツールとの強力な統合、豊富なツール、API、アルゴリズムのセットを使用して、さまざまなビジネス問題に対応するカスタマイズされたデータ ドリブン ソリューションを提供することによって、生産性の向上、利益の増加、コストの削減を実現する新しい種類のインテリジェント アプリケーションを作成できます。 Reporting ServicesReporting Services は、ビジネス データにアクセスする必要があるインフォメーション ワーカーにまで Microsoft BI プラットフォームを拡張します。 Reporting Services は、サーバー ベースのエンタープライズ レポート環境であり、Web サービスを通じて管理されます。 対話および印刷に関する各種オプションを使用して、さまざまな形式でレポートを配信できます。 レポートをダウンストリーム BI のデータ ソースとして配布することで、複雑な分析を幅広いユーザーに届けることができます。 Reporting Services は SQL Server 2005 の統合コンポーネントであり、次の機能を提供します。
リレーショナル レポートと OLAP レポートリレーショナル データ上に構築されるレポートは使いやすいものですが、追加の分析機能を追加する機能によって、レポートはより強力なツールになります。 Reporting Services を使用すると、複数のレポートをまとめて構築することも、別々に構築することも簡単です。 SQL Server 2005 は、リレーショナル データと OLAP データの両方をサポートし、SQL クエリ エディタと MDX クエリ エディタを含む両方のクエリ エディタを提供します。 レポート ビルダレポート ビルダは、SQL Server 2005 Reporting Services の新しいコンポーネントです。レポート ビルダを使用すると、わかりやすいデータ モデルを使用して独自のレポートを作成できます。 レポート ビルダは Reporting Services プラットフォームを利用して、すべてのエンド ユーザーにアドホック レポートを提供します。 ユーザーは、レポート ビルダのクライアント アプリケーションを使用してレポートを作成および編集します。 レポート ビルダのユーザー インターフェイスは、Microsoft Excel や Microsoft PowerPoint などの使い慣れた Microsoft Office パラダイムをベースに構築されています。 図 6 は、レポート ビルダのサンプル レポートです。 図 6: レポートビルダでのレポートの設計 レポート ビルダは、ブラウザを通じて配置される ClickOnce アプリケーションです。 まず最初に、テーブル、マトリクス、グラフなどの事前定義済みのデータ セクションが含まれるレポート レイアウト テンプレートを選択します。 モデルからレポート アイテムをドラッグしてデザイン画面にドロップし、制約を設定してレポート データにフィルタを適用します。 モデルには、レポート ビルダがソース クエリを自動的に生成して要求したデータを取得するために必要なすべての情報が含まれています。 レポート ビルダでは、次の操作も実行できます。
Microsoft Office System との統合レポート サーバーが Reporting Services で提供するレポートは、Microsoft SharePoint Portal Server と、Microsoft Word や Microsoft Excel などの Microsoft Office System アプリケーションのコンテキスト内で実行できます。 SharePoint の機能を使用して、レポートへのサブスクライブ、新バージョンのレポートの作成、およびレポートの配布ができます。 また、Word または Excel でレポートを開いて、レポートの HTML バージョンを表示することもできます。 SQL Server 2005 へのアップグレードここでは、SQL Server 2005 へのアップグレードについて簡単に説明します。
SQL Server の価格とライセンスSQL Server エディションのファミリでは、必要なものすべてが 1 つの製品に含まれており、包括的なすぐに利用できるデータ ストレージ、管理、分析、およびレポート プラットフォームがあります。柔軟性のあるライセンスにより、それぞれのニーズに合わせて最適なソリューションを選択できます。 SQL Server は大企業から小規模なビジネスまでを対象に設計され、すべてのユーザーに同じパフォーマンス、セキュリティ、信頼性、およびビジネス価値を提供します。 SQL Server は、マルチテラバイトのデータ ウェアハウスから、SQL Server Windows Mobile Edition を実行している Pocket PC デバイスまで、幅広い実装をサポートします。 次の表は、SQL Server 2005 製品ラインの各エディションについて価格と利点を簡単にまとめています。 注: 太字は、SQL Server 2005 の新機能を示します。上位のエディションには、下位のエディションと同じ機能が含まれています。 すべての価格は米ドルで示されており、米国内での購入価格を反映しています。
今後のステップSQL Server 2005 の Windows Server System Common Engineering Roadmap への適合についての詳細を確認する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
