「レッドベターの訴訟をはじめ、現在の米連邦最高裁はプロビジネス(経済界寄り)ではないか」「いや、そうではない」――米国の学界やジャーナリズムでは、そんな議論が熱く交わされている。
この議論は一筋縄ではいかない。最近は、製薬会社の製造物責任を巡る訴訟などで、企業に対する連邦法の規制に上乗せして州法による責任追及ができる、として、産業界には厳しい判決を続けて出している。
一方、リベラル派とされる判事が必ずしも経済界に厳しいわけではない。今年退任したスーター判事は、反トラスト法の訴訟の一部では企業側の主張を認め、「保守派」と同じ意見に回ったこともある。
スーター判事の後にソトマイヨール判事が就任したことで、ビジネス法関連の判例がどう動くかが注目されている。