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Memo09

死刑事件も日米に差

米連邦最高裁の議論は、死刑を巡っても活発だ。
72年には初めて、具体的なケースについての判断ながら、死刑を違憲とする判決が出た。5対4の小差。9人全員が自らの考えを計200ページにわたって詳述。2人は、死刑は常に違憲だと述べた。
この判決を踏まえて新たに立法された死刑の手続きについては76年、今度は7対2で合憲判決を出した。
今年8月には、7人の目撃証人が次々と証言を覆した警察官殺害事件の死刑囚について「無実の者に執行する疑いがある」として、再審理を命じた。スカリア判事は「最高裁がこんな異常な処置をとったことはここ半世紀近くない」と反対した。
これに比べ、日本ではここ数十年、死刑を確定させる最高裁判決は全員一致が不文律になっている。事実認定をめぐって反対意見がついた例はない。
死刑の合憲・違憲に関する補足意見も、48年大法廷判決を除けば、93年に大野正男判事が「死刑が残虐な刑罰に当たると評価される余地は著しく増大した」と述べた例などしかない。

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