★★何歳までやる?★★
最高裁裁判官の定年は、裁判所法で70歳と定められている。任命時の最年少記録は、入江俊郎氏の51歳7カ月。52年の就任から71年の定年退官まで、18年あまり在任した。現在の15人の裁判官は、61~66歳で任命された。70歳までの在任期間の平均は、6年に満たない。一種の年功序列と言える。
これに比べ、米国の連邦裁判官は憲法上、任命されると終身、その身分を保障される。最長老のスティーブンス氏は現在89歳だ。しかも、日本よりも若くして任命される。現在の9人は43~60歳で任命された。70年から今年までに退任した裁判官の平均在任年数を計算してみると、約25年になる。じっくり腰を据えて判断できるという長所の半面、行き過ぎがあったり独善的になったりした場合にチェックする方法がない、といった問題点も指摘されている。
★★なれる条件は★★
裁判所法によれば、日本の最高裁裁判官になれる条件は「識見が高く、法律の素養のある40歳以上」というだけだ。
ただし、15人のうち10人は、10年以上地裁や高裁などで裁判官をしていた人か、裁判官・簡裁判事・検察官・弁護士・大学の法律学の教授・准教授を通算20年以上務めた人から選ぶ必要がある。
逆にいえば、残りの5人は、法曹三者や法学者ではない「素人」から選べる制度設計になっている。しかし現実には、「素人」枠は外交官や行政官など「官」出身者で占められているのが実情だ。
米国の場合、任命資格は特にない。現在の9人は全員、連邦控訴裁判事から最高裁に任命されているが、その前に立法や行政の要職やロースクール教授など、多彩な職歴を経ている。