★★任命するのは誰★★
日本の場合、最高裁長官は、内閣の指名に基づいて天皇が任命する。長官以外の裁判官は、内閣が任命する。
任命についての条件は特にない。例えば日銀の総裁・副総裁や審議委員の場合のような「両議院の同意」も必要ない。内閣の任命過程はノーチェック。実際には、最高裁が内閣に述べる「意見」(推薦)の通りに人事が決まっている。
草創期当時の裁判所法では、内閣は人事を「裁判官任命諮問委員会に諮問しなければならない」とされ、法曹三者や有識者らによる委員会が30人の候補者を内閣に答申。内閣はこのリストの中から初代の裁判官15人を任命した。
米国は、大統領が長官や判事の候補を指名。上院の承認を経て、任命される。
★★罷免された人は★★
最高裁裁判官の国民審査では、投票数の過半数で「×」がつけられると罷免される。もっとも、実際に罷免された裁判官は、これまでいない。「×」がついた率の最高記録は、1972年の下田武三裁判官の15.17%。このころは、労働組合などが「司法が反動化している」として、組織的に×をつける運動をしていた。
任命後初めて行われる衆院選と同時に審査を受ける。ずっと裁判官を続けていると、1回目の審査から10年が過ぎた後の初めての衆院選の日に、2回目の審査を受けることになる。総務省によると、1949年の第1回以来、延べ157人が審査を受けた。6人は2回受けた。
(文中敬称略)