2010年01月05日

リストラから友愛リマインディングへ

鳩山政権の手で政治改革がおこなわれていきますが、「平成維新」という改革には、「構造改革(リストラクチャリング)」「仕組みの改革(リエンジニアリング)」「意識の改革(リマインディング)」の三位一体の改革が必要です。 


長くなりますので、結論から書きます。 


やる気を失っている日本人から3つの「意識」を「引き算」すれば、日本人は自信を取り戻し、日本経済は再び躍進すると確信します。 


◇「引き算」すべき3つの意識

「日本人は同質」を前提とする意識キリスト教を知らなくて良いとする意識税金を「年貢」と考え「取られる」とする意識  

<引用開始>
リストラというと首切り雇用調整の代名詞のように言っていますが、リストラクチャー、組み換えるということですから、構造改革のことなのです。ですから、工場を統合したり、組織を統合したり、商品を市場から撤退したりということを繰り返すことがリストラクチャリングです。



次に「仕組みの改革」です。リエンジニアリングというのは、組織には必ず付加価値を生み出す仕組みがあります。開発の仕組み、生産の仕組み、販売の仕組みといろいろな仕組みがあります。その仕組みが昔はうまく機能したけれども、いまは機能しなくなった。つまり、制度疲労を起こした。そういうものをつくり直していく。それがリエンジニアリングです。



 いま企業ではリストラとリエンジニアリングをやっていない会社はありません。どこでも猛烈にやっています。名前はこのように言いませんが、便宜上言葉で分けるとこういうことです。そこで「意識の改革」が登場します。


企業の戦略とか仕組みを実際に運営するのはそこの幹部社員、一般社員です。いままでの右肩上がりのときのものの考え方ではなくて、いろいろな変革を受け入れるマインド、いろいろなことにチャレンジして変えてみることが大事だというマインドに意識変革していかないと、戦略をいくら変えても、仕組みをいくら変えても、それを運営する社員が変わらなければなりません。以上、三つの改革が三位一体の改革になるわけでございます。
<引用終了>

北山三郎 お役所の組織風土改革より
http://www2.shizuokanet.ne.jp/usr/sabu/koen02.html 



「政治改革」は「構造改革」と「仕組みの改革」、つまり「幸福創造戦略の改革」につながっていきますが、残された問題は国民の「意識改革」です。 



この国民一人ひとりの「意識改革」は、政権を奪った与党の政治家が、いくら理念や政策を述べても効き目はありません。なぜならば、読売新聞のように現政権の足を引っ張るグループや個人が数多く存在するからです。政権与党と反対の価値観を提唱するからです。 



私は、平成維新の「意識改革」を成功に導くためには、政官業が一体となった国民運動的な啓蒙活動が必要であるという論者です。 



キャッチフレーズは「リストラから友愛リマインディングへ」です。 



私は、ディズニーランドで夢と魔法の王国という国家運営を学んできました。退職後もディズニーを研究し続けてきました。そして、ディズニーランドの効率性と日本社会の非効率性が何からもたらされているかを知りました。 



1年前の2008年12月30日の朝日新聞朝刊の一面、二面にはこのように書かれています。 



朝日新聞ディズニーランド ルポにっぽん  
「不況 ミッキーを求めて」「居るだけでいい」癒しの聖地 「お上」より信じられる 


<引用開始>
ミッキー人気が世界に広がったのは1929年に始まる世界恐慌の大恐慌の時代だと、これは10年前に米ディズニー本社で当時の幹部から聞いた。つらい時代、人はミッキーに癒されたのだ、と。 


そして今、日本は「未曾有の」なる言葉が飛び交う苦境にある。経済ばかりではない。首相は立て続けに政権を放り出し、霞が関は年金問題の不始末その他でいかにも頼りなく、良くも悪くも日本を回してきた「お上社会」はお上総崩れで立ち行かない。 


安心、安全、質の良さ。ディズニーというブランドは、お上が失ってしまったものを一手に引き受けている感がある。今や公的機関の色さえ帯び、その信頼度は群を抜く。 


書店には「ディズニーに学べ」式の本が並び、ディズニー主催の企業や団体向け研修会に官庁職員も来る。 


「この場所に居るだけでいい。周りはみんな笑顔だし癒されますよね」年一度、必ず来ると決めていると二人は言った。これはもう幸せの確認作業、TDLはある種の神聖さを帯びてそうした人々を引き寄せる。 


能登路氏(能登路雅子東大教授)は格差社会を映して「自分はまだ大丈夫という自己確認の場になっている」と見る。
<引用終了> 



ちょうど一年前、私は「最後のパレード」を執筆中でした。「最後のパレード」にはこのように書きました。 



世界中のディズニーランドに共通する、キャスト一人ひとりの使命は「幸福の創造」です。でも一人の力ではとてもゲストたちを幸せにすることはできません。協力し合い、助け合って、はじめてこの大きな使命をなしとげることができます。まるですぐれたスポーツ選手のようです。どれだけアシストできるか、サポートできるかを、競い合っているのです。世界中のディズニーランドでは、さまざまな宗教、人種、国の人が一緒に働いていますがトラブルは一切起こりません。みんながゲストをハッピーにすることをめざして協力し合っている、そこはすでに「小さな世界」なのです。
<終了>  



つまり、宗教、人種、国の違いを超えて、誰もがディズニーのマインドと思想を受け入れている、そのことを書きたかったのです。そのことを皆が共有すればこの日本は必ず良くなる、そう信じて書いた本だったのですが・・・ 



それでも、私は今でも前向きです。なぜならば、鳩山首相が説かれる友愛も稲森和夫主義もディズニーの思想も全く同じものであるからです。これからの友愛リマインディングにディズニーで学んだ意識改革の方法が活用できると考えるからです。 



私は、ディズニーランドの成功の秘訣教えますという記事に「引き算が大切である」と書きました。 



ディズニーランドで働く人が皆親切でやさしいのは、最初の導入教育や現場トレーニングでいくつかの「引き算を」をしているからなのです。 



新入社員から「引き算」すべきこと
  • 「オレがオレがという自己顕示欲」
  • 「競争心(競争より協力)」
  • 「悪い癖」
 

特に、悪い癖には気をつけます。小泉チルドレンだった片山さつき氏は「上目づかいで人を見る」「難しい言葉を多用する」などの悪い癖が抜けきれませんでした。ディズニーランドなら、早々に矯正されますが、教えてくれる人がいなかったのでしょう。 



このように、人を変えるには何かを足すのではなく、人の価値を下げるものを「引き算」することが効果的です。 



長くなりますが、「引き算」の有効性を知っていただかないと友愛リマインディングは進みません。さらに言えば、新政権は、自民党長期政権で「足し算」されてしまった「汚れたもの」や「不要なもの」を「引き算」する政権といっても過言ではありません。 



私は、この国から「引き算」すべき思想は、「自民党的」であり「読売的」であるエゴイズム容認主義であると考えます。 



しかしながら、このエゴイズム容認主義を「引き算」するには、より理論的に説明しないと国民は誰も納得しないでしょう。 



そこで、日本人から「引き算」すべき「意識」を3つに絞り説明したいと思います。



「引き算」すべき三大意識 

◇「日本人は同質」を前提とする意識 曖昧な「阿吽の呼吸」が効果を生む規模を超えた場合には、組織が硬直化してしまう弊害が起こることがあります。解体された社会保険庁などは、その良い例でしょう。欧米は「異質」を前提とした学習、仕事、契約をすることが常識です。日本人が外国人と会話できないのは、この常識を知らないことと、曖昧で論理性に欠けるからにほかなりません。 


そして、異質なものを排除しようとする意識が「いじめ」や、メディアバッシングを生み出すのです。同質を前提とする時代は明らかに終焉しています。これからはまさに「君子は和して同せず、小人は同して和せず」の意識が必要なのです。 



◇キリスト教を知らなくて良いとする意識
世界はキリスト教国家が動かしているといっても過言ではありません。私はアメリカ軍基地が日本にあるのは、アメリカが日本を「キリスト教の安息日である日曜日を狙って奇襲攻撃をかけ、いまだに謝罪しない野蛮な国」と考えていると思っています。 


天皇に関する諸問題も、キリスト教を知らずに語れません。 


私が海外に向けて発信したいことは、「日本を動かす基盤は、キリスト教から生まれた友愛という、キリスト教と通じる基本ソフト(OS)に変更された。これからは、この友愛OS上でアプリケーションとしての政策が動く。」ということです。つまり、十字架の横の部分で、各国と連帯していく方針に変わったということを世界に伝えたいと考えます。 


クリスチャンになりなさいと言うのではなく、「読売新聞のように「キリスト教は邪道」を正論とする意識は「引き算」しなくてはならない、私はそう言いたいと思います。 



◇税金を「年貢」と考え「取られる」とする意識

「世界一幸福な国デンマークでの暮らし方 千葉忠夫著 PHP新書」から引用あえて民主主義を因数分解すると、「民主主義(主権在民)= 自由 + 平等 + 連帯 + 共生」になります。
<終了> 



日本人は時代劇の影響でしょうか、税金を「年貢」と考え「取られる」と考えてしまいますが、税金は民主主義国家を維持するための「組合費」と考えるべきです。 



「知」の衰退からいかに脱出するか? 大前研一氏著 光文社より引用 

「日本人は、死ぬ瞬間がいちばん金持ちである」ということだ。どういうことかと言うと、年金さえも3割を貯金に回して貯蓄に励み、死ぬ瞬間に一人平均3,500万円残して死んでいくということである。
<終了> 



大前氏は、同著に「先進国のほとんどの国民は、生存中に自分の資産を使い切る生き方をしている。」とも書いています。 



ノブレス・オブリージュという言葉も日本では聞きません。「高貴なる者の義務」と訳されますが、簡単に言えば「高貴な金持ちは(金品や労働を)与えなさい」という意味です。 



聖書より

「すべて多く与えられた者は、多く求められ、多く任された者は、更に多く要求される。」(「ルカによる福音書」1248)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A5




 
 これまでは「与えられること」を喜びとする社会でしたが、これからは「与えること」を喜びとする社会です。税金は「取られるもの」から「民主主義国家に与えるもの」と国民がパラダイム転換することが、この国の民主主義をより強固にする唯一の方法であると私は考えます。 



最後にまとめです。

 
◇「平成維新」という改革には、「構造改革(リストラクチャリング)」「仕組みの改革(リエンジニアリング)」「意識の改革(リマインディング)」の三位一体の改革が必要です。 


◇戦略をいくら変えても、仕組みをいくら変えても、主権者たる国民の意識が変わらなければ効果はあがりません。 


◇友愛リマインディングを成し遂げるには、国民から「引き算」すべき三大意識を知ることから始まります。 


◇国民から「引き算」すべき三大意識とは
  • 「日本人は同質」を前提とする意識
  • キリスト教を知らなくて良いとする意識
  • 税金を「年貢」と考え「取られる」とする意識
 
今日も長文をお読みいただきありがとうございました。 



参考記事
日本人のモチベーションは世界最低レベル
http://gpscompany.blogdehp.ne.jp/article/13591272.html 


ディズニーランドの成功の「秘訣」をお教えします

http://gpscompany.blogdehp.ne.jp/article/13602387.html



勇気を持って「天皇」について語ります

http://gpscompany.blogdehp.ne.jp/article/13602453.html