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陸山会不透明会計:石川議員「私の一存」 来週在宅起訴か

 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の会計処理を巡る問題で、当時の事務担当者で小沢氏の私設秘書だった同党の石川知裕衆院議員(36)=北海道11区=が東京地検特捜部に「虚偽記載は私の一存でやった」と政治資金規正法違反容疑を事実上認め、小沢氏らの関与を否定していることが分かった。特捜部は一両日中にも当時の会計責任者で公設第1秘書、大久保隆規被告(48)=公判中=からも事情聴取し、来週中にも石川氏を同法違反で在宅起訴するとみられる。

 ◇小沢氏は関与否定

 この問題を巡っては陸山会が04年10月の土地購入(代金約3億4000万円)を同年の政治資金収支報告書に記載せず翌年に記載し、原資も不明として石川氏らが刑事告発されている。土地は現在、小沢氏の秘書らの寮として使われている。

 関係者によると、石川氏は「小沢氏の指示で(寮になる)土地取引を行った」と説明。土地購入前後に小沢氏関係の複数の政治団体を介在させるなどして陸山会に集約した約5億円について「うち4億円ほどは小沢氏から借り、残り1億数千万円は陸山会など政治団体が元々保有していた資金」と話しているという。一方で「小沢氏には(陸山会の)『運転資金が足りない』と言って借りた。小沢氏や大久保被告は(詳細を)知らなかったと思う」などと供述しているという。

 特捜部は、土地購入前後に動いた約5億円のうち、陸山会など政治団体の保有資金ではなかった約4億円について、小沢氏から陸山会への貸付金として収支報告書に記載すべきだったとして、同法違反容疑に当たるとみている模様だ。

 石川氏はこれまで「運転資金が足りなくなったので幹事長(小沢氏)としての手持ち資金を使った。約5億円の中から土地購入費を出した。収支報告書を訂正せざるを得ない記載ミスがあったことは否定できない」などと説明していた。特捜部は、石川氏の供述が入出金状況などの客観証拠と合致するかどうか確認を進めるとともに、再聴取や資料提出などに応じることを前提に、強制捜査を回避して在宅のまま捜査を進めるとみられる。

 ◇ゼネコン各社を5日から聴取 東京地検

 一方、特捜部は、土地購入費に充てられた小沢氏の手持ち資金の原資などを解明するため、鹿島や水谷建設などゼネコン各社の役員や営業担当幹部らから5日以降、一斉に聴取する模様だ。関係者によると、特捜部は既に電話で出頭を要請したという。

 石川氏は土地購入前後に動いた約5億円について「小沢氏の手持ち資金からの貸し付けや陸山会など政治団体の資金」と説明しているが、資金の提供元については周辺に「知らない」などと語っている。このため特捜部は各社に献金の有無などを確認する方針。

毎日新聞 2010年1月5日 2時30分

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