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【格闘技】

丸藤正道がIWGP、J王座奪取 国内メジャー3団体を制覇

2010年1月5日 紙面から

チャンピオンベルトを高々と掲げる丸藤正道=東京ドームで

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◇新日本プロレス東京ドーム大会

 新日本プロレス レッスルキングダム4▽4日▽東京ドーム▽観衆4万1500人

 三沢さん見てますか−。故三沢光晴さんが後継者に認めていた天才・丸藤正道(30)が、タイガー・マスクに挑戦。一進一退の攻防の末、14分14秒、秘密兵器のタイガーフロウジョンで仕留めて、IWGPジュニアヘビー級王座を奪取した。丸藤は過去にノアのGHCジュニア、全日本の世界ジュニアのベルトを巻いており、国内メジャー3団体のジュニア王座をすべて制覇する初の快挙を成し遂げた。本格化した新日本対ノアの対抗戦は2勝2敗。メーンに登場したIWGPヘビー級王者中邑真輔(29)は“帝王”高山善廣(43)を破り、4度目の防衛に成功した。

 ジュニアの申し子が、親指で首をかききるポーズでフィニッシュを予告した。虎退治にはこれしかない。誰もが初めて見る、タイガードライバーの変形技で王者をマットにたたきつけてフォール。メジャー団体のジュニア完全制圧をやってのけた。

 「タイガーはけりが強いし、投げ技もできる。いつやられてもおかしくなかった」。立ち上がりから巧みな攻撃に翻弄(ほんろう)された。だが、昨年12月、ジュニア最強を決める新日本のスーパーJ−カップに乗り込み、第4回大会(04年)に続いて連覇した意地がある。開始5分すぎ、早々と大技・不知火を発射。試合の流れを変えた。

 昨年は右ひざ靱帯(じんたい)断裂で長期戦線離脱した。しかも欠場中、当時社長で師匠でもある三沢光晴さんが、広島での試合中に急死。三沢さんにノアの後継者として期待されていた丸藤にとっては、あまりにもショッキングだった。追悼興行に出場できない自分にいら立ち、歯がゆい毎日を送った。

 それだけに、天国にいる三沢さんのためにも、そして託された団体のためにも、日本のプロレス界の盟主である新日本のIWGPジュニア王座獲得は、次期エースとしての使命だった。右ひざが痛いなんて言っていられない。トラースキックの連打にコーナー最上段からの雪崩式不知火。最後は、ダブルアームスープレックスの要領で相手を担ぎ上げ、そのまま頭からマットに落とす秘密兵器・タイガーフロウジョン。師匠のオリジナル技だったエメラルドフロウジョンにあこがれ、師匠を倒すためにひそかに開発していた大技だった。

 「今ごろ、三沢さんは2階の一番後ろの席で酒を飲みながら見ていると思う。拍手ぐらいしているんじゃないですか」。三沢さんの遺志を継いで、2010年も丸藤は突き進む。 (石川晴信)

 

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