米LLビーン、ダサいイメージ払拭作戦
1月4日17時6分配信 ウォール・ストリート・ジャーナル
米カジュアルウェア通販大手のL.L.ビーンとランズエンドが、若い顧客の獲得を目指し従来の野暮ったいスタイルからの脱却を図っている。これまでタータンチェックのシャツやタック入りカーキパンツなどゆったりしたサイズの無難なデザインで知られてきた両ブランドだが、細身の婦人用シャツ、腰履き用ローライズパンツなどを取り入れ、新色や新素材も投入して勝負に出る。
アメリカン・スタイル
L.L.ビーンとランズエンドが長年扱ってきたタータンチェックのシャツやチノパン、ボタンダウンシャツなどに代表されるアメリカン・スタイルが流行するなか、両社はこれを若い顧客を取り込むチャンスとみている。ここへきておしゃれな現代版アメリカン・スタイルを打ち出してきた新興の最先端ファッションブランドに負けるわけにはいかない、という決意だ。
両社は若者を意識し、新商品ラインナップの販促ツールとしてフェイスブックやツイッター、ユーチューブなどのメディアを駆使している。
L.L.ビーンはカタログを従来の商品写真だけを載せたものから、洗練された風景をバックに撮ったモデルの写真を載せたファッション誌風のものに変えた。
だが、20〜30代の若者はカタログでのショッピングはしない傾向があり、カタログ通販の両社には障壁も立ちはだかる。2009年初めの調査ではL.L.ビーンのカタログ通販利用者の割合は18〜24歳で8%、25〜34歳で10%となっている。
実用的フリース
はるか昔にL.L.ビーンかランズエンドでスキー用の実用的フリースを買ったかもしれない、というマンハッタンに住むガーデルさんは「カタログをめくってみても、買いたいと思わせるような、ピンと来る商品がない」と語る。「ファッション性に欠け、どこかダサい」という彼女だが、新ラインナップについては興味を示し、「何か目新しいものがあれば試してみたい」という。
両社とも、従来デザインと新商品の最大の違いはフィット感だ。L.L.ビーンが3月に投入する新ラインの「シグニチャー」では、男性用・女性用ともにシルエットがタイトになる。価格設定は同社の中核商品より若干高めになる予定だ。
フィット感はよりタイトに
L.L.ビーン「シグニチャー」のクリス・ヴィッカーズ副部長は「若者はタイトなフィット感を求める傾向があり、服の着方が違う」という。
両社の新商品は、より柔らかくカジュアルな感じが出ているのも特徴だ。ランズエンドの新ライン「キャンバス」では商品に「抜け感」を出すためにあらかじめウォッシュがかけられ、平織りやボタンダウンのシャツは「カジュアル感」のためにあえてアイロンのプレスをつけない状態で届けられる。
ブランドコンサルティング会社のトム・ジュリアン社長は、老舗ブランドがこうして流行を取り入れていくことは必須としながらも、あまりに最先端を目指すべきではないと指摘する。既存の顧客離れを招き、努力しすぎの感が出る恐れがあるからだという。
ホームショッピングブームも追い風に
ホームショッピングが増えていることも有利に働く。市場調査会社によると、百貨店でのファッション用品売上高は昨年10月末までの1年間で9.6%の落ち込みを記録したのに対し、L.L.ビーンのような通販の落ち込みは2.4%にとどまっている。
両社はカタログ通販の長年のノウハウを生かし、若者からの受注が増えた場合には迅速に対応できるとみる向きもある。だが、人気のブランドは頻繁に新デザインを投入するなどしており、両社が若者をつなぎとめるにはトレンドにすばやく対応するスピード感が必要だと指摘するビジネスコンサルタントもいる。
現時点ではまだ大衆受けしているアメリカン・スタイルだが、ファッションブログの設立者マイケル・ウィリアムズ氏は「このトレンドを作った人々は、もう次の流行に移り始めている」という。
原文: Two Dowdy Clothing Brands Go for Vogue
記者: Ray A. Smith
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アメリカン・スタイル
L.L.ビーンとランズエンドが長年扱ってきたタータンチェックのシャツやチノパン、ボタンダウンシャツなどに代表されるアメリカン・スタイルが流行するなか、両社はこれを若い顧客を取り込むチャンスとみている。ここへきておしゃれな現代版アメリカン・スタイルを打ち出してきた新興の最先端ファッションブランドに負けるわけにはいかない、という決意だ。
両社は若者を意識し、新商品ラインナップの販促ツールとしてフェイスブックやツイッター、ユーチューブなどのメディアを駆使している。
L.L.ビーンはカタログを従来の商品写真だけを載せたものから、洗練された風景をバックに撮ったモデルの写真を載せたファッション誌風のものに変えた。
だが、20〜30代の若者はカタログでのショッピングはしない傾向があり、カタログ通販の両社には障壁も立ちはだかる。2009年初めの調査ではL.L.ビーンのカタログ通販利用者の割合は18〜24歳で8%、25〜34歳で10%となっている。
実用的フリース
はるか昔にL.L.ビーンかランズエンドでスキー用の実用的フリースを買ったかもしれない、というマンハッタンに住むガーデルさんは「カタログをめくってみても、買いたいと思わせるような、ピンと来る商品がない」と語る。「ファッション性に欠け、どこかダサい」という彼女だが、新ラインナップについては興味を示し、「何か目新しいものがあれば試してみたい」という。
両社とも、従来デザインと新商品の最大の違いはフィット感だ。L.L.ビーンが3月に投入する新ラインの「シグニチャー」では、男性用・女性用ともにシルエットがタイトになる。価格設定は同社の中核商品より若干高めになる予定だ。
フィット感はよりタイトに
L.L.ビーン「シグニチャー」のクリス・ヴィッカーズ副部長は「若者はタイトなフィット感を求める傾向があり、服の着方が違う」という。
両社の新商品は、より柔らかくカジュアルな感じが出ているのも特徴だ。ランズエンドの新ライン「キャンバス」では商品に「抜け感」を出すためにあらかじめウォッシュがかけられ、平織りやボタンダウンのシャツは「カジュアル感」のためにあえてアイロンのプレスをつけない状態で届けられる。
ブランドコンサルティング会社のトム・ジュリアン社長は、老舗ブランドがこうして流行を取り入れていくことは必須としながらも、あまりに最先端を目指すべきではないと指摘する。既存の顧客離れを招き、努力しすぎの感が出る恐れがあるからだという。
ホームショッピングブームも追い風に
ホームショッピングが増えていることも有利に働く。市場調査会社によると、百貨店でのファッション用品売上高は昨年10月末までの1年間で9.6%の落ち込みを記録したのに対し、L.L.ビーンのような通販の落ち込みは2.4%にとどまっている。
両社はカタログ通販の長年のノウハウを生かし、若者からの受注が増えた場合には迅速に対応できるとみる向きもある。だが、人気のブランドは頻繁に新デザインを投入するなどしており、両社が若者をつなぎとめるにはトレンドにすばやく対応するスピード感が必要だと指摘するビジネスコンサルタントもいる。
現時点ではまだ大衆受けしているアメリカン・スタイルだが、ファッションブログの設立者マイケル・ウィリアムズ氏は「このトレンドを作った人々は、もう次の流行に移り始めている」という。
原文: Two Dowdy Clothing Brands Go for Vogue
記者: Ray A. Smith
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最終更新:1月4日17時6分
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