2010年01月04日

中大に見た学生競技の理想

■下馬評を覆す活躍
第86回箱根駅伝は東洋大学の強さが際立った大会でした。その中で気になったのが4位でフィニッシュした中央大学です。最多優勝回数を誇る名門ですが、近年はシード権争いに巻き込まれていました。09年シーズンも下馬評は低く、駅伝シーズン前はほとんど注目されていませんでした。しかし、ふたを開けてみると出雲5位、全日本6位、箱根4位と、実に安定した戦いぶりを見せました。下馬評の低かった中大が、なぜ上位に食い込めたのか?3大駅伝の戦いぶりを振り返って、考えてみたいと思います。


■現実的な目標が冷静なレース運びを生む
優勝を宿命付けられた名門は、その呪縛に翻弄されていました。箱根で総合優勝した1996年以来、三大駅伝での優勝は無し。優勝を狙うあまり、無理なペース配分や区間配置でブレーキを重ねました。

ところが、今回の中大は違いました。前回から指揮をとる浦田監督は、箱根駅伝での目標を3位に設定。出雲や全日本のコメントでも「前半は耐えて、後半じわじわと上げていく」と「優勝狙い」とはかけ離れた展開を狙いました。その結果、3つの駅伝とも大きなブレーキは無く、後半にかけて順位が上がっていく展開で上位に食い込みました。現実的な目標に向け、選手が冷静に走ったことが好結果に繋がったと言えます。下は三大駅伝での中継所における総合順位の推移です。

出雲  8-10-11-10-7-5
全日本 8-12-13-10-9-9-8-6
箱根往路  6-10-10-8-4
箱根復路  4-3-3-4-4



■プレッシャーの中で、理想のペース配分を実践
今度はチームとしてのレースから、個人としてのレースに視線を移してみます。今回の箱根駅伝では、「前半抑えて後半上げる」走りが徹底されていました。
一番最初の定点ポイント(10キロ付近)での区間順位≦中継所における区間順位だった区間は、1区を除く9区間のうち7区間。これは自分の力が把握できていないと中々出来るものではありません。自分の力を謙虚に評価し、一番力の発揮できるペース配分を実践した結果だと思います。箱根駅伝というプレッシャーのかかる舞台で、それができるというのは凄い。特に引退試合となる4年生(1区水越君を除く3人)全員が実践しているのは素晴らしいです。


■私の考える学生競技
このように分析してきた中大の戦いぶりは、自分の思う学生競技の理想です。私自身、最近まで学生競技に身を置いていました。その中で大事だと感じた事は、

1.客観的にチームや自分の実力を評価する
2.現実的な目標を掲げ、チームとして取り組む
3.試合で実力を出す

の3つを繰り返す事です。
自分の実力以上の結果を求めて失速する選手がいる中で、中大の選手は大きなブレーキも無く走りきりました。走力の面では格上の大学が多い中、自分達の力を出し切る事によって4位に食い込んだ中大の選手は、きっと上に書いたようなことが出来ているのだと感じました。そして4位にも関わらずほとんど注目されない彼らに、もっと日が当たると良いなと思いました。次回の箱根も東洋中心の展開になるでしょうが、中大は自分達のレース運びで「優勝」にアプローチしていって欲しいと思います。

posted by boxer |14:04 | その他 | コメント(1) | トラックバック(0)
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中央大学はこれからも「頂点」を狙ってこそ

色々と興味深い分析もありますが、
僭越ながら敢えて申し上げますと、偏見や無知も少々あるエントリーだと思います。

中央大学にとって、「優勝を狙い続けてきたからこそ」の、
大独走する81年連続84回目の出場(来年は82年連続85回目)や、
26年連続シード獲得(2位は東洋大の5年連続)であり、

昭和25年から昭和40年まで「3位は一度のみ、残りすべて1位・2位」の快挙や、
昭和64年から平成14年まで「14年連続4位以内」のような離れ業を
やってのけられるのだと、筆者は強く思っています。

他大の底上げが大幅に進み有望選手獲得が難しくなる中で、
これらの記録は「優勝以上に価値がある」と思えます。


>前回から指揮をとる浦田監督は、箱根駅伝での目標を3位に設定。

「3位」に設定していません。「3位以内」と宣言しています。
これは「(中大である以上)優勝を目指す」と主張したいものの、
昨年10位(歴史的惨敗=25年ぶりの二ケタ順位)であったため、
浦田監督本人が言いづらかっただけでしょう。

SBから出向されていた田幸寛史前監督と違い、浦田氏は中大に専業の駅伝監督として
採用されていますから、「自己保身」的な言動をされても致し方ありません。

「3位以内」などと「常に優勝を夢見る」一般の中大関係者の眉を顰めさせるような
消極的なことを言挙げしたおかげで、「このぐらいでいいさ」と、むしろ士気が空回り。
最後の執念や精神力が足りず、せっかくのチャンスで「3位以内」にすら入れなかったと
考える人もいるでしょう。

「優勝候補」とメディアで持ち上げられ、直前の「トークバトル」にもホイホイ登場しながら、
監督が貧乏性ゆえか、目標「3位」を口にして、結局優勝出来なかった学校もあります。


中大の場合、スーパーエース上野裕一郎選手(4年生)を擁し、優勝も狙えた2008年は、
田幸監督は「中大である以上優勝を目指す」と高らかに宣言されたのに、
なぜか主将の意識が著しく低く、監督の意思に反し「3位を目指す」と唱えたため、
「言葉は成る」で惨敗しています。

>そして4位にも関わらずほとんど注目されない彼らに、
>もっと日が当たると良いなと思いました。

何をおっしゃりたいのか、これまた不分明です。
今回の4位に関し、大きく報じているメディアは勿論複数あります。

中大出身の野島伸司のセリフじゃありませんが、
「同情するなら(他校みたいに選手勧誘でばらまく)金をくれ」とでも、
申し上げておきたいところですね。

箱根駅伝の代名詞(の一校と言ってもいい)中大を貶めたり、
成績を矮小化したり、意図的に黙殺する歪んだ輩が、
メディアの片隅に巣食っているのも間違いないことかもしれません。
何と言っても中央大学は、某カルト巨大宗教団体に、
歴史的に「天敵」視され続けているわけですから…。


そもそも箱根駅伝の中継を日テレで始めた立役者も中大OBの大物たちです。
中継開始当初は、解説者だけでなくメインアナウンサーにも中大出身者が並んでいましたが、
どこぞのお下劣な大学と違って、彼らは「メディアを私物化」したりしません。

なお現在でも、大学駅伝を報じる大メディア(テレビ、新聞、雑誌)の幹部には
中大出身者がずらりと並んでいます。

講談社の箱根本や陸上雑誌なんぞは、編集者が暴走して、
「イヤガラセ(チーム)写真」を掲載されたり、記者覆面座談会とやらで、
某記者から、わざわざ「12位予想」をされ(25年連続シード校だったのに!)、
徹底無視されたりと、「犯罪的」なほど扱いが惨いですが、
当の雑誌の「発行人」である中大OBは太っ腹です。

ちなみに今年箱根を実況したテレビ局(日本テレビ)
ラジオ局(NHK・ラジオ日本・文化放送)のすべてに、
中大出身者が解説者やコメンテーターとして呼ばれています。

posted by ストライクザライトコード | 2010-01-05 01:56

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